サウナ道 37

状況が良くなれば客数が増えるのは何もパチ屋に限った話ではなく、サウナだってそう。無論、サウナでいう状況とは爆6イベントが開催されるとか沖ドキが再導入されるとかではなく、室内の温度が上がったり水風呂が冷たくなったりと、何かしらの快適度が増すことを指します。

最近、マイサのオートロウリュの間隔が以前より短くなったことで室内の湿度が高くなり、快適さを増したマイサには多くのサウナーが集まるようになりました。 

頻繁に行われるオートロウリュによって体感温度が上がったのはいいのだけれど、それにより人が増え、サウナ室の前にサウナ待ちの列ができるようになったことはいただけません。

僕にとって快適なサウナの最優先事項は「人の少なさ」。髪がパッサパサになるリンスインシャンプーしかなくたっていい、ドライヤーの風量が団扇かよってくらい弱くても構わない。人が少なければそれだけで快適ですから、サウナに入るために「待つ」というストレスを抱えるなんて、本末転倒です。

そんなわけでここ数週間はマイサから足が遠のき、次なるユートピアを求めて自宅からそう遠くはないサウナを巡っているのですが、先日、ついに見つけました。圧倒的に人が少ないサウナを。

時刻は20時過ぎくらいだったでしょうか。混み合ってもおかしくない時間帯でありながらも、満員だと10人ほど入りそうなサウナ室の先客はたったの2名。テレビの音量が大きめなのはマイナス点ではありますが、室温は90度ちょっとで湿度もそこそこと、それを補って余りある快適さです。

さぁ、ガッツリ汗をかくぞ。

最上段に腰をおろして12分計に目をやると、分針は9の位置を指していました。体調によって入浴時間は異なるのですが、僕はいつも10分前後を目安にしています。

その後、ほどよい湿度のおかげであっという間に汗が噴き出し、早くも水風呂が恋しくなってきたところで再び12分計を確認したのですが、分針はまだ9の位置からほとんど動いていません。

1分足らずでこんなにも汗をかけるなんて。これは穴場だ。例えるならば毎日爆6が開催されているのに朝イチの並びは皆無といった、そんな穴場。ついに自分だけのユートピアを見つけたぞ。

そんなことを思いながら、そっと目を閉じてただひたすらに汗をかき、体感的には7〜8分ほど経った頃でしょうか。さぁそろそろラストスパートだと12分計を見てみると、おやおや、まだ分針は9を指したままじゃありませんか。

そうかそうか、あまりに心地よすぎてつい長居をしてしまったか。10分どころか12分。分針が1周するまで入ってしまったかなんて思いながらふと秒針に目をやると、あれ…？  全く動いてない…？

そうです、まさかの故障。12分計が故障していたのです。

リンスインシャンプーしかなくたっていい。ドライヤーの風量が団扇かよってくらい弱くても構わない。そんなことより、どうかお願い後生だから、12分計を早く直してくれませんか。