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第五回「みらいの輪」~パチンコ店経営者に突撃インタビュー~株式会社星和

第五回「みらいの輪」~パチンコ店経営者に突撃インタビュー~株式会社星和

みらいの輪とは

昔のように勝てない!面白くない!
レジャーの多様化とともにパチンコ・パチスロ離れもめまぐるしい。
とかく、依存問題や子供の放置事件などマイナスのイメージを植え付けられているパチンコ業界。
半世紀以上続き就労人口も20万人超という規模だが、世間の風当たりは強い。
様々な要因で店舗数もどんどん減少しており、逆風の只中にいる。
そんな苦境だらけの時代に突き進むパチンコホール経営者の生きざま、考え方について深堀していく。

 

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第一回 第二回
第三回 第四回

 

大衆娯楽のパチンコ業界。その文化を未来へ紡ぐため、2020年10月に2つの業界団体が合併し成立したMIRAI(一般社団法人MIRAIパチンコ産業連盟)。

 

 

本企画はそのMIRAIで活躍する各企業のキーマンにフォーカス。パチンコホールの経営者の生い立ちや普段聞けない生の声を独占インタビューする。



金子 博昭 専務取締役

株式会社星和

1986年生まれ 2011年 株式会社星和入社

 

  

パチンコ業界の経営者に話を聞く「みらいの輪」。

第五回は愛知県6店舗、東京都2店舗に展開し勢いのある注目企業、株式会社星和の金子専務にお話を聞いてみた。同社は「星和イズム」という理念を掲げ、ES・CSに並々ならぬ力を注いでいる。コロナ禍の厳しい状況でもリストラや賃下げをするどころか、新店舗のオープンや不動産開発を行うなど攻勢に出ている。

contents

DMM:本日はお忙しいところお時間頂きましてありがとうございます。よろしくお願い致します。

金子専務:こちらこそよろしくお願いします。

DMM:コロナ禍での店舗運営が続いておりますが、業績はいかがですか?

金子専務:そうですね、今期は業績が回復する見込みが立っています。
2022 年は 1 月に旧基準機の完全撤去があり、また、『まん延防止等重点措置』やコロナ感染の話題などが業績回復において大きな足かせとなりました。2022 年夏ごろから、スロットの 6.5 号機が計算できるようになり、年末にはスマートスロット機の登場もあり、弊社はスマート機対応のユニットとスマート機の確保に成功したことで、今期の売上自体はコロナ前に近い数値までの回復が見込める状況にあります。
もちろん、コロナ禍の中で新規として【キング&スター店】を出店したことも会社全体としての売上に大きなプラスの要因とはなっていますが、コロナ禍の中でも新規出店をしたこと自体の価値の方が、従業員やお客様、また業者様に対して良いアピールになったと判断しています。


従業員満足度(ES)へのこだわり

DMM:貴社では従業員満足度(ES)に非常に力を入れており、業界内でも非常に高いレベルだと感じます。ES に力を入れる理由を聞かせて頂きたいです。

金子専務:従業員が満足して働けなければ(ES)お客様に良いサービスを提供(CS)できないと考えています。ES と CS がイコールと良く思われがちですが、土台に ES があるという事ですね。内容についても時代に合わせ対応しています。

DMM:なるほど。ES に力を入れられて具体的に成果などはいかがですか?

金子専務:そうですね、コロナ禍の 3 年間は緊急事態宣言が明けたかと思えば、まん延防止措置が出るなど、業績が少し上向いたと思えばまた悪くなるという繰り返しでした。短期的に見れば人員を削減するという方法もあったかもしれません。ですが 10 年、20 年と長い目で見れば、人材を大切にすることが大事だと考えています。その考え方が、現在回復しつつある業績につながっていると思います。

DMM:人員の削減は無くとも、従業員の賃金を下げたりはしたのでしょうか?

金子専務:役員のみが報酬カットを致しました。税理士からは労働分配率[売上総利益に対して人件費が占める割合]が同業他社よりも悪いと指摘されておりましたが、業績を回復させるために人力は不可欠だと判断していた為、人員削減、人件費カットは一切することなく経営してきました。
決算書の数値を良くするための手段として、短期的には人員削減や人件費カットもひとつ手段だとは思いますが、長期的に考えて、人材の削減や給与カットはするべきものではないと考えます。

上位職になればなるほど休みが増える株式会社星和の考えと仕組み

DMM:『ハッピー休暇』、『ファミリー休暇』や『イベント休暇』など多くの休暇があり、休日面でも従業員の満足度が高そうに感じます。

金子専務:年次有給休暇も含め、社員とマネージャーは「7 連休もしくは 4 連休と 3 連休」を取得し年間 101 日、副店長は「7 連休と 4 連休」を取得し年間 103 日、店長は「7 連休を年に 2 回」取得し 105 日、エリア長は通常の休日プラス「12 日以上の休日」を取得し最低 109 日に設定し、上位職になればなるほど休日が多くなるような仕組みにしています。
上位職者は部下から憧れる存在になってほしいので、プライベートも充実できる環境にするように促しています。
また、仕事を頑張るためには、周りの人の理解や支えは必要不可欠です。従業員には、周りの人を大切にするように常々話をしており、その一環として、お子さんの学校行事に積極的に参加できるように配慮し、家族の誕生日を祝える日を作れる休暇も取得できるようにしています。今後も時代やライフスタイルの変化に合わせて休暇制度を構築していきます。

DMM:名目だけで実際には取得が難しかったりするのではないでしょうか?

金子専務:私の性格もありますが『やるといったことについては絶対に実現させる』といった姿勢で運営しています。そのため、無理だと判断したことについては『やらない』、『できない』とはっきりと言う事にはしています。
休日の取得においても、あらかじめ年間計画を作成して、休暇をどこで取得できるかなどを明確にすることで、従業員が予定を入れていけるようにしています。

DMM:従業員も計画を立てやすいですし、モチベーションにも繋がりますね

金子専務:1クールに 1 回以上は連休を取れるようにして、何があってもその休みは動かさないという仕組みを作っています。この仕組みを活用して、予定を立てている従業員もいますので、徹底してやり切っています。どうしても店舗の従業員が足りない時は、チェーン店の強みとして、他店舗や本社からの応援などで対応しています。

DMM:仕組みを作って運用するのも大変ですね。専務の強い意志を感じます。

金子専務:そうですね、徹底の徹底です。これまで『やる』と決めたことについては、全スタッフ一丸となって形作り、実現させてきました。今後もこの形は継続していきます。

DMM:この文化はとても素晴らしいですね。良い仕組みづくりとして、他社に訪問した時にお話しさせていただきたいと思います。

 

500 億円企業を視野に。他業種へも進出

DMM:言葉も大事ですが、見えるようにするとさらにマインドもモチベーションも上がりますね。ホームページでも目標が誰でも見られるように可視化されていますが、10 年目標で 2030 年までに売上 350 億円企業、異業種でも営業利益 1 億円と記載されておりました。こちらの具体的な出店数や計画がありましたら教えてください。また、異業種での営業利益 1 億円はどのような業種にチャレンジを検討されているのでしょうか?

金子専務:ホールの出店は 3 年間で 2 店舗、残り 7 年で 1000 台規模の店を 4 店舗出店することを目指しています。売上 350 億円企業と言ってはおりますが、500 億円も視野に入れて計画しています。現在 8 店舗ですので直近の 2 店舗出店で丁度 10 店舗になります。
その後は 1000 台規模の大型店を計画しています。

DMM:もの凄いスピード感ですね。

金子専務:そうですね。スピード感は大事にしています。これも現在の業績向上につながっている要因と考えていますので。
この 10 年でもパチンコ店はグランドリニューアルが 1 店舗、新規店舗として 4 店舗増やしました。マンション事業でも 2 棟の運営を始めており、そこに新しく 2023 年 4 月からは飲食業へチャレンジします。企業として動き続けることが大切だと考えています。


DMM:4 月から始められる飲食の業態はどのような計画でしょうか?

金子専務:3 年間で 3 店舗の出店を目指しています。麵専門店で誰もが気軽に利用でき、女性でも入りやすいお店を考えています。メニューも色々なジャンルの麵料理を考えており、世界に広げられるようにチェーン店展開するのが目標です

 

DMM:新規事業は色々あると思いますが、飲食事業を選ばれた理由はありますか?

金子専務:そうですね、パチンコ業界に比べると、スモールスタートができるのが一つの魅力ですね。まずはパチンコ店との併設ではじめて、その後は駅前など利便性の良いところへ広げたいです。

 

DMM:なるほど。勝算があってスモールスタートできればという事であれば、飲食業以外の業態も可能性はあり得そうですね。


金子専務:もちろん勝算があれば他の業態も考えています。私の性分なのですが、チームで取組むことが好きなので、そういった事業であれば色々と考えていきたいですね。


 

チャンスとの出会い

DMM:今後、本業のホール営業で展開されるエリアは決まってますでしょうか?

金子専務:直近の 2 店舗は関東エリアで予定していますが、その後の 1000 台規模の店舗については、良い物件があれば特にエリアは決めていないです。

DMM:一人のパチンコファンとしても貴社の出店は楽しみです。同時に今、業界では役職者のポジションも少なくなっていると感じていますが、貴社であれば将来のポジションが見えやすそうですね。

金子専務:出店の計画もありますのでポジションは沢山ありますよ。
世間では賃上げにクローズアップされていますが、職位を上げていくことで必然的に報酬も上がっていく訳ですから、弊社でチャンスを掴んでくれればと思っています。常々従業員には、自信があれば私のところに来て『やらせてください』と進言するように言っております。そうすればチャンスは与えると。
それは私自身が以前勤務していた大手ホールで実際に行って、チャンスをものにしたことがある経験から話していることなのです。


DMM:なるほど。いつでもチャンスがある環境は魅力的ですね。

パチンコ業界の未来と株式会社星和のイズム

DMM:今後のパチンコ業界についてお考えをお聞かせください。

金子専務:10 年後のことを考えられないと淘汰されてしまうでしょうし、10 年後までイメージしなければ建設的な話もできないと思います。
これからは私たちの世代がパチンコ業界を引っ張っていかなければならないという気持ちでいます。諸先輩方にはパチンコを知っているお客様に対して、業界のイメージを変えていただきました。次は、パチンコ業界のことを知らない方々に、良い業界だと思っていただけるようにすることが、私たちの責務であると考えています。
私たちの業界が、他業種以上に社会に多大な貢献をしていることを理解して頂き、次の10 年後には、天地天災が起きてもバッシングを受けない業界にしなければいけない。
株式会社星和の店長、社員、アルバイト、全ての従業員の周囲の方にも、業界で働いている事に誇りと自信を持ってもらえるような業界にしたいと考えています。その為にも業界の地位だけでなく、携わる全ての人たちの地位を上げたいですね。

DMM:その考えが『イズム』につながっているのですね。

金子専務:『イズム』は大事にしています。弊社の従業員には、身なりをしっかりと整え、周りから憧れる人物になって欲しいと伝えています。周りから憧れられることで、「誇り」と「自信」が生まれるはずです。
そして何より、人を大切にできる人物になって欲しいですね。お客様はもちろんですが、一緒に働く仲間、支えてくれる周囲の人を大切にして欲しい。
当然弊社も従業員を大切にし、今後も時代に合わせ、働きやすい環境にすることに注力していきます。

 

 

強い思いで、業界は変えられる

DMM:最後に金子専務の考え方をお聞かせ頂ければと思います。

金子専務:ここ数年、逆風続きの業界ですが、私が常々考えているのが逆風でも身体の向きを変えれば追い風になるという事です。
業界に携わる人間の地位を上げたい、業界を変えたいという強い気持ちを持って、今後も突き進んでいきます。

DMM:今後の既存事業の拡大と新規事業が楽しみですね。期待しています。ありがとう
ございました。

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