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パチンコ・パチスロ特集

健康パチンコが面白い!?「パチンコと健康」を考える

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認知症に効果アリ!脳とパチンコの意外な関係にせまる

更新日: 2019/04/08

パチンコ

と聞くとタバコの煙、騒音、光に包まれ、どちらかと言うと不健康そうなイメージを思い浮かべる方も多いのではないだろうか?

もちろん、最近では完全禁煙の店舗や、ホテルのように落ち着いた佇まい、静かなレストスペース、店内に植栽を導入するなど従来のパチンコ店のイメージを払拭する店舗も増えてきている。

そして、今日も元気に全国のパチンコ店では老若男女が楽しそうにハンドルを回し、レバーを叩いている。

 今回は、パチンコと健康について脳と認知障害に関わる研究に携わり、「けんぱち」を推奨されている、公立諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授にお話を伺ってみた。

「けんぱち」は、パチンコやゲーミング、ギャンブリングを活用したトレーニングにより脳の活性化、認知機能向上に関する健康寿命を伸ばす「健康パチンコ」に基づく考えだ。

過去の業界団体との共同実験では、パチスロによる中高年層の被験者が認知機能向上をするなど、確かな実績もある。

 

日電協、回胴遊商の協タ力で得た研究デー。業界での財産と言える 

出典:日本電動式遊技機工業協同組合・回胴式遊技機商業協同組合
「パチスロ遊技機による脳活動実証調査レポート 2013.05.09」より抜粋

 

篠原菊紀教授プロフィール

篠原教授は現在、保険外サービス産業育成事業(経産省・厚生労働省の推進)に関するコーディネーター育成の為のオファーも受けているという。※1

ブログ名

「はげひげ」の脳的メモ

ブログ紹介

篠原菊紀(しのはらきくのり)。公立諏訪東京理科大学・工学部情報応用工学科教授、地域連携研究開発機構・医療介護・健康工学部門長、学生相談室長。茅野市縄文ふるさと大使。
★応用健康科学、脳科学。「遊んでいるとき」「運動しているとき」「学習しているとき」など日常的な場面での脳活動を調べています。ドーパミン神経系の特徴を利用して快感を量的に予測したり、ギャンブル障害の実態や予防について研究しています。
著書、監修 :「高齢ドライバー脳活ドリル」(二見書房)、「もっと! イキイキ脳トレドリル」(NHK出版)、「クイズ! 脳ベルSHOW 50日間脳活ドリル」 (扶桑社ムック)、「「すぐにやる脳」に変わる37の習慣 」(KADOKAWA)、「ナンプレシリーズ」(永岡書店)、「子どもが勉強好きになる子育て」(フォレスト出版)、他。
★共同研究:新学社と幼児教材開発(幼児ポピー監修)。ユーキャンと楽ラク脳トレーニング DVD全12巻 。社会安全研究財団、日遊協と遊技障害研究。豊丸と遊びを介護予防に生かす研究、元気はつらつトレパチ&トレパチテーブル(https://be-selfish.jp/)。プレイケアと高齢者の遊び、保険外サービス事業関連あれこれ。エポック社と「ジグソーパズル達人検定ジグソーパズル脳力診断」、アポロ社とピクチャーパズルステップ脳シリーズ開発。SCRAPと謎検。PSK総研などとドーパミン増幅比研究、健康ぱちんこの展開。ほかあれこれ。
テレビ、ラジオ:フジテレビ「とくダネ!脳活ジョニー」「今夜はナゾトレ」、BSフジ「脳ベルSHOW」、NHK「チコちゃんに叱られる」「子ども科学電話相談」「あさいち」、日テレ「頭脳王」、SBC「ラジオJ」などで解説や監修。
★取材・実験・研究依頼は、s96hige@gmail.com、FAX 0266-73-1304(篠原研)で。講演依頼は業者さん(メデイア21:06-6345-2800、等)経由またはfax0266-73-1304でお願いします。
スケジュール(3月1日~)

出典:「はげひげ」の脳的メモ より

2014年のニコニコ超会議取材時の篠原教授。日遊協ブースステージにて

 

CASE1.

KAI総合研究所にて、篠原菊紀教授にインタビュー

 

DMM:

本日は、よろしくお願いします。

まず、篠原先生の提唱されている「健康パチンコ」についてなのですが、始められたきっかけを教えてください。

 

篠原教授:

私は、元々は健康教育出身なんです。

「こうすると健康になれますよ」と伝えれば、みんなそうやってくれると思ってしまうんですが、実際は続かずに離脱が多いんですね。

 そう考えると、パチンコ店のように、自然に人が集まる楽しいところは素晴らしく見えるんですよ。そして、楽しい事を利用しながら「健康教育」を広められるステーションとしての機能があれば、面白いのではないかというところから始まってます。

 

DMM:

なるほど。次に篠原先生が研究されている、脳の活性化とパチンコとの関係についてお教えいただけますか?

篠原教授:
まず、ギャンブリング(ここではパチンコ・パチスロを行うことについて。現在ではゲーミングと同様の意)というのは、(脳が)これから

「良いことが起きるのではないか?」という報酬予測が行動の原動力になります。

その報酬予測が脳の中にある「線条体」に関係してきます。

これが意欲、ヤル気の中核になります。

例えば、パチンコをやりたいと思うことで「線条体」が活性化して原動力となり、パチンコ店へ足を運ぶことになります。

(線条体は大脳基底核にあり、運動機能への関与や意思決定などにも関わると考えられている部位

しかし、年齢を重ねると、その意欲・ヤル気に繋がる「線条体」は、活性しにくくなります。

それは、歳を重ねると新しい体験になかなか出会えなくなるためです。

 ただし、ギャンブリングは(年齢を重ねても)それを常に刺激することが出来て、ヤル気」を喚起させ続けることができるんです。

そして、リハビリも「線条体」が活性化していない、「ヤル気」がない状態だと効果も少ないんです。

そのメカニズムは、「側坐核(そくざかく)を含めた「線条体」が活性化していないことによります。

だから、パチンコ等で「線条体」を刺激して、リハビリを行うことが出来れば、効果的になるのではないか、ということになります。

 

市井のゲームセンターに設置されている、ゲーム等を使っての実験依頼等もあるそう

お金払ってんだから楽しくないと意味がない。

楽しい事を基軸にして、展開していくのが世の中全体の流れです、と篠原教授

ギャンブリングは、「ヤル気」に関係する脳を、効率的に刺激する仕組みを持っています。

同時にそこが活動していれば、リハビリを円滑に進める基軸になり得ます。

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認知症について

DMM:
パチンコ・パチスロ未経験で認知症を患った方にも、新しい刺激にはなり得るのでしょうか?

篠原教授:
認知症は、進行度合いによっても違います。認知障害の最大の問題点は、脳全体の活動低下です。意欲的活動が減退するので、意欲的活動を高めるコンテンツを用意していくことが、介護医療での現場の課題となります。

昔の懐かしい曲を歌ったり、回想療法として昔の懐かしい話をすると、活動が高まり易くなるということがあります。

 昔の記憶に残っている楽しさや、快感に結びついているから起こりやすくなる現象です。

ギャンブリングは、そこが刺激されやすいように作ってあるから、活動しやすい準備段階を作ってくれることは確かですね。

寄稿論文「パチスロトレーニングは中高年の認知機能低下予防に役立ちうるのか?」

そこをベースにしながら、介護予防的なサポートやトレーニングを行うことが重要だと思います。

実際に高齢者の方を集めて、パチンコ・パチスロを打ってもらって脳波を調べる実験でも、リーチがかかったりすると脳が活性化するということは、容易に起きてくることです。

しかし、その脳波も普通のトレーニングではなかなか出てこない。

そう考えて行くと、(ギャンブリングは)役に立てうるし、役に立てうるようにプログラミングしていかなければならないと思います。 DMM:
認知症にもアルツハイマー型、レビー小体型、前頭側頭型など複数の種類がありますが、ギャンブリングでのトレーニングは効果を出せるものなのでしょうか?

 篠原教授:
ヒトでのエビデンス(実験結果などの根拠)はまだ無いですが、動物ではアルツハイマー型で、エビデンスがあります。

アルツハイマー型認知症の場合、(脳内の)海馬で、アミロイドベータ※2、タウタンパク※3が溜まり、記憶障害と結びつきます。

(海馬:大脳辺縁系の一部で、記憶に関わる部位)

アミロイドベータの海馬での記憶障害の抑制については、日々変わる楽しい遊びが役立つらしいということが、マウスでの臨床実験で分かってきています。

つまり、アルツハイマー型認知症の海馬の記憶障害に対しては、

「楽しい事をすると良いらしい」ということになります。

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大変勉強になりました、ありがとうございます。最後に今、取り組まれている事などをお聞かせください。

篠原教授:

2017年から、日遊協と共に台湾の介護施設にパチンコ台を持ち込んで、認知機能テストの成績の変化などについて調べています。

台湾の高齢者に、パチンコを打ってもらい認知機能テストを行った結果、1期目は成績の向上が認められました。

そして2期目以降は(被験)対象群を変化させて行い、さらに今後はリハビリしていない人(介護施設に通っていない被験者)との比較調査がこれから進む予定です。 

2014年ニコニコ超会議の際に、遊技中の脳波の公開実験も披露
関連記事⇒ https://p-town.dmm.com/specials/192

 また、まだ構想の段階ですが、TVをよく見ている高齢者の方の記憶力が低下しやすいというデータが出ているんです。数万人規模の人を6年間追跡しているデータとして。

メディア利用と認知テストの成績を、6年前と6年後で行っているのですが、同じようにパチンコユーザーと非パチンコユーザーの記憶力テスト等もインターネットの会員コンテンツ等を駆使して行ってみたいと思ってます。

年数も6年にしなくとも1年程度と、短いスパンでも良いかもしれません。

過去にもKAI総研(PSKAI総合研究所)と日電協と協力して、50歳代の方にスロットトレーニングを行うと2週間で認知機能の向上があったり、パチスロを打っているときに脳が活性化したデータはあるので、もう少し大規模に疫学的に行いたいと思ってます。

DMM:今後の実験結果も気になりますね。本日は、ありがとうございました。

 

PSKAI総合研究所福地氏

福地氏と篠原教授のKAI総研イメージキャラクター

  

今回、篠原教授、PSKAI総合研究所にご協力頂き、パチンコと健康について貴重なお話を頂いたが、今後の「けんぱち」や実験についても注目していきたい。

実験風景 PSKAI総研提供

認知障害に関わる課題は、まだまだ始まったばかり。

パチンコ・パチスロによる認知機能の向上で、脳の健康年齢維持にもさらに期待が持てるのではないだろうか?

特に、「ヤル気」の喚起が出来るということなら、気力や感動が希薄になった高齢者へも良い刺激になりそうだ。

筆者は、パチンコ店での取材も行うのだが、日課のように来店する常連の高齢者は、いつでも元気に感じる。(もちろん、なかなか大当りが来ない時は悔しそうにしてはいるが・・・)

 

「楽しい事をすると良いらしい」

これが、本来の人間らしく生きる、QOL(クオリティ オブ ライフ)向上の一つの答えなのかもしれない。

 これからは、健康パチンコがさらに注目されるかもしれない。

 

次回は、現役82歳のパチンコライターへのインタビュー予定。

乞うご期待!

 

 

※1

2016年3月末に発行した「地域包括ケアシステム構築に向けた公的保険外サービス」の参考事例集に記載されている。

補足すると、保険外サービス産業育成事業というのは、経産産業省・厚生労働省・農林水産省の推進する地域包括ケアシステムを補完・充実していくために、「自助」や「互助」、市場サービスを購入等して、サービスの選択や質を利用者自らが選択していけるという事。

QOL(クオリティオブライフ=生活の質)の向上を目指し、在宅者の支援を拡充できるメリットがある。

サービスを受けようとする国民が、自己負担で健康維持・疾病の予防を行うという取り組みなのだ。

 ※2

アミロイドβ(ベータ)

脳神経細胞の老廃物で蓄積が続くと脳神経細胞先端部を傷つける物質。 引用元:一般社団法人認知症予防協会HPより

 ※3
・タウタンパク質…脳神経細胞の中に蓄積し神経細胞そのものを死滅させる物質。 引用元:一般社団法人認知症予防協会HPより

 

PSKAI総合研究所 

パチンコ・パチスロに関わる調査研究を科学的手法に基づいて広く進めるとともに、
遊技産業の新たな価値創造に資する各種事業活動を行うことにより、
大衆娯楽の未来成長を牽引し、
日本の社会文化経済の発展に寄与することを目的として設立。  PSKAI総研HPより引用

 

 

写真/文 パパラッチョ○野

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