君は、パチンコ生まれの最新競技「iスポーツ」を知っているか?
特集一覧へ更新日: 2021/05/14
世の中にはさまざまなスポーツの形があります。
野球、サッカー、ラグビー、テニス、バスケットボール……etc。身体を動かすスポーツだけではありません。昨今話題のeスポーツもあれば、チェスや将棋が頭脳のスポーツと呼ばれることもありますよね。
昨年末、そんなスポーツの世界に産声を上げた日本発祥の新競技が「iスポーツ」です。では iスポーツとは、いったいどんなスポーツなのか。iスポーツの公式サイトにはこう書かれています。
そう、パチンコ由来のスポーツなんですね。
なるほど……と思った後に、なぜパチンコ機の取付けスピードを競わせようと思ったんだろう。そんな素朴な疑問が浮かぶはずです。
そして次に浮かんでくるのは、当然こんな疑問でしょう。
「i」ってなんだ?
パチンコ(pachinko)由来なら「pスポーツ」が自然ですし、取付け(toritsuke)のスピードと正確性を競うなら「tスポーツ」という線もあったはず。
それなのに、なぜ「i」?
偏見かもしれませんが、頭に「i」がつくものといえば、iPad、iPhone、iモードなど、インターネットやデジタルに関連するものと相場がきまっているんです。ええ、間違いなく。
とにかく、まだ生まれたてのスポーツなので、疑問がいっぱい。そんな謎多き iスポーツについて、代表理事の大原弘氏にお話をうかがってきました。
一般社団法人 日本iスポーツ機構 代表理事 |
大原 弘氏 |
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iスポーツが生まれるきっかけ
「まずは、 iスポーツを立ち上げようと考えたきっかけを教えていただけますか?」
「閉店後にホールスタッフの皆さんが遊技機の入れ替えをしますね。私、あれを見て、せっかく皆さんが頑張って作業されているでしょ。新台入れ替えのたびに発生する作業をするうえで、何かはげみになるようなことがないかなと考えたんですね」
iスポーツ立ち上げを思いついたきっかけを、キラキラした目で語る大原氏。 |
「ルールを決めて競技化しましてね、賞金を獲得できるような場を作れば、頑張って技術を向上させて賞金を稼ぐぞと。そんな現場のやる気につながればいいと思ったんですよ。その結果、取付けのスピードが速くなれば、台の入れ替えにかかる時間も抑えられますしね」
なるほど。まずはホールの現場スタッフに光を当てたいという想いからだったんですね。
そして、賢明な読者の皆さまならお気づきでしょう。大原氏のコメントの中に何度か出てきた「入れ替え(irekae)」。これが iスポーツの「i」に違いないと。
そろそろ正解をうかがいますか。
「すみません。ちょっと気になったんですが、iスポーツの『i』って何なんでしょうか」
「ああ、それはですね。『遊技機の取付け』を競技化したものですので『取付け』の英訳、『install(インストール)』の『i』です」
インストール!!! 想定外の由来!
あ、もちろん入れ替えの「i」も含まれているとのこと。半分正解でしたね。
iスポーツの祭典「GENNOUカップ」
そんな iスポーツのお披露目会ともいえる「GENNOUカップ」が、5/15(土)に開催されます。
優勝賞金 20万円! 程よく生々しい賞金額でいいじゃないですか。
さて、大会名にもなっているGENNOUというワード。耳慣れないかもしれませんが、漢字で「玄翁」と書きます。カナヅチの一種で、パチンコ機を取付ける際に使用する道具のことなんですね。
ちなみに玄翁という名前は、「人々に悪さをする殺生石をカナヅチで叩きこわした玄翁和尚」に由来するそうですよ。うん、ぶっそうぶっそう。
「iスポーツを象徴するものって何かなと考えましたらね、やっぱり玄翁ですよ。取付けの際に必須の道具ですから。そしてね、iスポーツの競技者全般を『Genner(ゲンナー)』と呼称することにしています」
eスポーツをやるのはGamer。iスポーツをやるのはGennerとおぼえてください。
「Gennerは本名で活動する必要はないんです。実はね、私にもGennerネームがありましてね」
そう言って、おもむろに立ち上がりポーズをとる大原氏。
「パッション・ヒロです!」
あ、はい…そうなんですね。なんかそうなんじゃないかなあと思っていました。
さて、GENNOUカップなどの各種 iスポーツ競技大会に出場するための資格として、「iスポーツ健康アドバイザー」。さらにその上級資格として、競技大会の審判やインストラクターとして参加できる「iスポーツ健康マスター」が用意されているとのこと。
まずは iスポーツ健康アドバイザーの資格を取って、第2回GENNOUカップに備えてみてはいかがでしょうか。
資格取得は公式サイトから申し込めますので、気になった方はのぞいてみてください。
公式サイトではiスポーツの基礎知識が学べる動画も公開中! |
さてここからは、iスポーツのルールと競技の流れをざっくり紹介していきます。
「大前提として、取付けのスピードを最も重視します。取付けのタイムを競うわけですね。つぎに正確性。設置した際の傾きを測定して、ベストの垂直からどれだけ傾いているかを算出します。それをタイムに換算し、ペナルティとして追加すると」
ルールを決定するまでにはいろんな議論があったそうですが、シンプルにわかりやすいタイム勝負に落ち着いたそうです。
競技の流れはこんな感じ。
競技用に用意されたシマから
台枠ごとパチンコ機を一旦取り外す
↓
パチンコ機を台枠から外す
↓
角度を意識しながら台枠を再びシマに固定する
↓
パチンコ機を設置して電源を入れる
この一連の流れのスピードと台固定の正確性を競うわけです。
競技の流れとルールの詳細は後日、GENNOUカップの激闘の模様を紹介する記事をアップするので、そこでチェックしてください。
いつかは世界中にiスポーツの輪を広げたい
コロナ禍に産声を上げた iスポーツ。第1回GENNOUカップ開催に至るまでの道のりは、決して平坦なものではなかったと思います。
せっかくパチンコに関連するスポーツが生まれたわけですから、今後どう発展していくのか見守っていこうじゃないですか。
ちなみに、4月末の時点で iスポーツ健康アドバイザーの資格取得者数は100名を超え、日々増加中とのこと。
「いずれは世界に iスポーツを広めていきたいんですよ。そして、プロGennerがお茶の間の人気者になる日が来ればいいですね」
遠くを見つめながら、そう語るパッション・ヒロ氏。
荒唐無稽な与太話だと人は笑うかもしれません。
でも、いつかそんな世間の認識を入れ替えて、新しい常識をインストールしてしまえばいいんですよ! アーイ、ア、アーイ、エヴィバディパッション!