新企画!「みらいの輪」~パチンコ店経営者に突撃インタビュー~
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みらいの輪とは
昔のように勝てない!面白くない!
レジャーの多様化とともにパチンコ・パチスロ離れもめまぐるしい。
とかく、依存問題や子供の放置事件などマイナスのイメージを植え付けられているパチンコ業界。
半世紀以上続き就労人口も20万人超という規模だが、世間の風当たりは強い。
様々な要因で店舗数もどんどん減少しており、逆風の只中にいる。
そんな苦境だらけの時代に突き進むパチンコホール経営者の生きざま、考え方について深堀していく。
更新日: 2022/10/11
大衆娯楽のパチンコ業界。その文化を未来へ紡ぐため、2020年10月に2つの業界団体が合併し成立したMIRAI(一般社団法人MIRAIパチンコ産業連盟)。
本企画はそのMIRAIで活躍する各企業のTOPにフォーカス。パチンコホールの経営者の生い立ちや普段聞けない生の声を独占インタビューする。
今井 有二社長
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株式会社サンキュー パチンコ将軍グループ運営
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1974年8月3日生まれ
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愛知県出身
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現在、株式会社サンキューは将軍グループの名称でパチンコホールを創業地の愛知県から関東、東北地方へ店舗展開。
その他にも不動産やフィットネス等多岐にわたる事業を展開中。
将軍与野店 2015年撮影
DMM:今日はよろしくお願いします。早速ですが、将軍グループは元気な会社というイメージですね。
その将軍グループを38歳の若さで引き継がれた今井社長ですが、その経緯を教えてください。
今井社長:よろしくお願いします。うちは初代社長が父で、先代社長が兄だったんです。その兄が体調を崩して急遽次男である私が社長業を引き継ぎました。うちは創業した父の代から同郷の同業者がいない外へ外へと挑戦する会社でしたね。例えば愛知県発祥の企業なら地場の愛知県に思い入れを持ち、同県内で店舗展開を考えると思うんですが、うちは早い段階からチャンスのある外に出て行ってましたね。
千葉県や、東京の八王子。そして東北地方の秋田県、岩手県、山形県と遠い場所で0からのスタートが多かったです。
同じ経営者からは「よくそんな遠いところを円滑に見られるよね?」
と尋ねられるんですが、当時の私にはそれがデフォルトのスタンスだったため、当たり前の事と感じていました。
私としては何がスゴイことなのか正直わかりませんでしたけど(笑)余談ですが子供のころに父(初代社長)の経営するパチンコ店に行ったりしてパチンコ台の実機に触れていたので
「この業界の星の下に生まれた」
という、ある種の❝宿命❞的な感覚はありましたね(笑)
(今井社長が小学生の頃は、18歳未満の入店に関しても今ほど風営法は厳しくなく、同年代の子供も多数出入りして父親と景品を交換して家路につく光景は日常茶飯事だったそう。※現在は18歳未満の入店は禁止なのでご注意ください。)
DMM:今井社長は、業界のサラブレッドだったんですね。お話を伺っていると環境への順応も早かったのかなと感じます。
急遽、社長業を引き継がれた中で苦労されたことも多いと思います。そのモチベーションを
維持する方法や流儀があれば教えてください。
今井社長:そうですね。実は私はこう見えて自信がなくて内気なんですよ。
それもあってモチベーション維持というと筋トレしたり毎朝神社にお参りに行ったりしてますね。
完璧ではないにしろ1日ベストな自分でいたいなと思ってます。
DMM:自信がないとか内気というのは意外ですね。神社への参拝は毎日ですか?
今井社長:はい、たとえ飲んでも参拝しにいきますね。
「今日も1日よろしくお願いします」と毎朝祈願します。
で、準備万端で(MIRAIの)委員会発表に挑むんですが失敗しちゃうんですけどね(笑)
DMM:(笑)でも、毎朝神社に通って1日のモチベーションを維持されるのは良いことですね。
今井社長:ええ、宜しければ是非真似してください(笑)支えてくれている皆様に感謝するという気持ちで参拝してます。
DMM:なるほど、継続されるのはスゴイですね。もう一つの筋トレについてですが、こちらはジムに通われているんですか?
今井社長:はい、週3の筋トレをジムとパーソナルトレーニングで鍛えてますね。
笑い話なんですが、うちでフィットネスクラブも経営しているので、私の専属パーソナルトレーナーに「くれぐれもうちのトレーナーを引き抜きしないでくださいね!!」なんて釘を刺されてます(笑)
DMM:そうなんですね。トレーニングは私は3日坊主になりそうな気がしますが今井社長が継続できる秘訣はどのようなことなんですか?
今井社長:僕らの業界って、健康を損なって亡くなる人が多いんですよね。
例えばお酒が好きで継続して呑んでいたりして、人工透析に通うことになる方とか。
私の父もそうなんですが、(私の身近で)早くに亡くなる方が多いんですよね。
不摂生な部分もありますが、そういう状況を身近でみると健康に気をつかってしまうんですよね。
DMM:不摂生・・・・・身につまされる話ですね。ちなみにトレーニング歴はどのくらい続けてらっしゃるんですか?
今井社長:もう20年以上ですね。以前はボディービルの大会にも出たことがあるんですよ。
DMM:スゴイですね。なかなか自分を律して継続するのは難しそうに感じますが、その点も踏まえて経営者としての考え方についてお教えください。
今井社長:そうですね。経営者=リーダーですので、自分の行いが悪かったり、できていないのにも関わらず部下である社員に無茶な指示をしないように心がけていますね。
自分のできる範疇の指示に留めて、「あなたに言われたくないよ」と言われないように
私自身も模範となれるように注意しています。
DMM:素晴らしいですね!ホワイト上司ですよ。他の企業の社員さんからはきっと羨ましがられますね。
やはりそういう対応がホームページに記載されている「100年続く企業」を目指す事に繋がるんですね。
今井社長:そうですね。自身もそうですが社員の健康も会社の健康でありその健康を長く維持することだと思います。
また、組織体制がしっかりしていることは、社員やその家族が仲良く心身ともに健康であることも重要だと思いますね。
DMM:誰でも身体が資本ですからね。人も企業も健康が一番ですね。ところで健康維持を続けていくには人も企業も新陳代謝が必要になると思うのですが、経営者として「新しいビジネスに挑戦する」など今後のビジョンはいかがですか?
今井社長:今は不動産やフィットネス事業、カラオケやスマートフォンの販売代理店などビジネスのきっかけ、つまりトリガーになりそうなことを
少しずつはじめています。そこを軸に拡大していくのか、飲食業や他の事業がどうかなど手探りでこれからも常に挑戦していく予定です。
DMM:ありがとうございます。企業理念とは別のマインドを作るとしたらサンキューイズムは「不屈の挑戦」ですかね。業界で頑張る企業や経営者の方を目の当たりにすると刺激になります。
続いてなのですが、パチンコホールの経営者として今井社長の好きな遊技台はどのような台ですか?
今井社長:ユーザーとしては、やっぱりパチンコを始めたばかりの時の
『綱取物語』、『エキサイトジャック』が楽しかったですね。
今でも演出や音楽、大当りなど興奮したことを鮮明に覚えていますね。
今はパチスロのAタイプなど単純明快でわかりやすい台が一番好きですね。
余談ですが私がパチンコを打ち始めたころの当時は、大学生も学校を辞めてパチンコ店に勤めるなんて人も結構いて、パチンコ店員=パチンコ好きな人が多かったですね。
DMM:そうですね。パチンコ好きの店員さん多かったですね。
でも、ちょっとコワモテのパンチパーマの方も多かった感じがしますね。
今とは接客レベルは雲泥の差ですよね。
接客の向上っていつ頃からですかね?
今井社長:20年~30年くらい前の名古屋のホールから接客や出玉が変わった気がしますね。
うちは名古屋から東北に出て行っていたので、東北の他のお店とは違う接客でした。
また、個人的には出玉も関東以北は名古屋に比べると少ないなぁと感じていましたね。
当時、「将軍 田端店」でも取材を受けてましたが(近隣店舗で)うちのような店舗の広さや接客の店舗はなかったですね。
他店よりも広いので、通路に余裕があって取材もお客さんの邪魔にならずに済んでいましたね。
与野店の取材の様子 2015年撮影
DMM:そうなんですね。私の年齢もバレそうな話ですが、参考になりますね。やはり、パチンコ発祥の名古屋は接客マナー等も発信地なんですね。勉強になります。ありがとうございます。
DMM:経営者もパチンコ好きで、挑戦し続けるというと逆風の中のパチンコ業界内でも順風満帆に見えますね。
今井社長:いやー、失敗だらけですよ。今、挑戦と失敗を同時に繰り返していますね。うまくいっていることもありますけど、それをあまり❝成功❞とは私は認識していないです。強いてうまくいっていると言うなら(グループの経営を)維持しているということですかね。
そして失敗と感じているのが、「言葉は矛盾しているとは思いますが、店を❝堅実❞につぶしていること」です。
もちろん、私の独断ではなく、社員とも何度も話し合いをしての決断ですが、動けるうちに動いて対応をしています。
本当に怖いのは身動きできなくなる時ですね。自社の不採算店であれば撤退してその土地を貸す、とか賃貸物件なら更地に戻すか、など早期対応をするということです。進退に窮して、動けなくなった時こそが本当に会社がマズイ状態だと思ってます。
DMM:なるほど。挑戦にしろ撤退にしろ早い決断と「死に体」にならないように動けるうちに動くということですね。
今井社長:今も先輩経営者に(状況が)悪い例や失敗例も色々教えてもらってます。
今も頑張っている経営者はひたむきだったり、人の話に耳を傾けたりしているな、と。特にMIRAIの方々には学ばせてもらっています。やはり成功している経営者は人望がありますね。
DMM:今も他の経営者から学ばれるているんですね。
たらればの話なのですが・・・・・。
もし、今井社長がパチンコホールの経営者になっていなければ、どのような仕事をされていたと思いますか?
今井社長:うーん、でも個人で何か自営などの仕事をしていたと思います。
一時プログラマーになろうと思った時があったんですよね。それで小学校、中学校、高校と出て専門学校に入ったんですよ。
当時の遊技機の『麻雀物語、綱取物語』などに影響されてパチンコ機の
プログラムを作りたいと思っていたんですよね。
打てる年齢になって色々機種の解析などしていたりして、やっぱりパチンコが
好きだったんでしょうね。どうやったら勝てるんだろう?どうしたらこんなリーチが作れるだろう?とか
四六時中本気で考えてましたね(笑)
DMM:さすが遊技業界のサラブレッドですね(笑)案外、パチンコ・パチスロのメーカーを興していたかもしれないですよね。そもれもまた夢のある話ですね。
最後に今井社長が想い描く「業界の展望」や「そうなりたい」という願望などご意見をお聞かせください。
今井社長:(パチンコ業界)皆が一つになれるような輪を作るためのロビー活動を続けられればと思います。
これからも自分から進んで前に立って行動で示していきたいと思います。
DMM:今井社長、ありがとうございました。「オールフォーワン、ワンフォーオール」ですね。
地道な活動が実を結んで大衆娯楽として業界が続くことを願うばかりです。
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今年、年男の今井社長は、先代、先々代の意志を受け継ぎ健全な経営を目指している。 だが、経営者の前に一人の人間であり、パチンコ・パチスロファンでもある。やはり企業にも業界にも健康は重要だ。健全で健康を目指し、100年後も大衆娯楽・カルチャーとして残り続けて欲しいという想いが伝わってきた。今後も将軍グループに期待したい。
※画像をクリックで将軍グループのHPへ移動します。
将軍グループ関東東北に「将軍・ジャスティス・ ジャスティス18」の屋号で店舗展開。
※取材は、ワクチン3回接種し十分な換気のされている部屋で安全に配慮しておこなっております。
次回の
「みらいの輪、経営者インタビュー」は、
世界最大の店舗数 株式会社ダイナム保坂明社長に独占インタビュー!
乞うご期待!!
写真/文 パパラッチョ○野