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パチンコ・パチスロ特集

第二回「みらいの輪」~パチンコ店経営者に突撃インタビュー~ダイナム

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みらいの輪とは

昔のように勝てない!面白くない!
レジャーの多様化とともにパチンコ・パチスロ離れもめまぐるしい。
とかく、依存問題や子供の放置事件などマイナスのイメージを植え付けられているパチンコ業界。
半世紀以上続き就労人口も20万人超という規模だが、世間の風当たりは強い。
様々な要因で店舗数もどんどん減少しており、逆風の只中にいる。
そんな苦境だらけの時代に突き進むパチンコホール経営者の生きざま、考え方について深堀していく。

更新日: 2022/10/31

Contents

大衆娯楽のパチンコ業界。その文化を未来へ紡ぐため、2020年10月に2つの業界団体が合併し成立したMIRAI(一般社団法人MIRAIパチンコ産業連盟)。

 

 本企画はそのMIRAIで活躍する各企業のTOPにフォーカス。パチンコホールの経営者の生い立ちや普段聞けない生の声を独占インタビューする。

 

保坂 明社長

株式会社ダイナム 

1972年10月6日生まれ

 

  

 

 

パチンコ業界の経営者に話を聞く「みらいの輪」。

第二回目はパチンコ業界で最大の店舗数を誇り、パチンコホール運営会社として初の上場を果たしたリーディングカンパニー、株式会社ダイナムの保坂社長にお話を聞いてみる。

同社はパチンコ業界にチェーンストア理論を導入、社会貢献事業もいち早く実践。目新しい改革と業界の地位向上を進めるなどパチンコ業界史を語る上では欠かせない企業と言える。

 

ダイナム初、新卒からの生え抜きの社長!!

DMM:本日はお忙しいところお時間頂きましてありがとうございます。よろしくお願い致します。

保坂社長:よろしくお願いします。

           

DMM:早速ですが、保坂社長は新卒からのご入社だと伺っているんですが、簡単にプロフィールをお教えいただけますか?

 

保坂社長:1972年10月6日ですので50歳になりました。入社が1995年4月なので、業界歴は28年ですね。

 

DMM:ありがとうございます。パチンコで遊ぶことはダイナムに入社する前からあったのですか?

保坂社長:いえ、まったくのノンユーザーでした。ダイナムへの入社が決まってからパチンコを打ちましたね。

時代を見越した1円パチンコ。反発を押し切った結果・・・

DMM:意外ですね驚きました。ではダイナムに入社したのが切っ掛けで、業界の事を学ばれたのですね。
ダイナムと言えば業界に先駆けて1円パチンコに力を注いだ企業というイメージがあるのですが、大規模展開をするにあたり、社内での障壁や課題などはありましたか?


保坂社長:1円パチンコに取り組み始めたのが40期ですね(2006年)。

2円パチンコを行っていた店舗(北海道江別店)のお客様の反応を見てからがきっかけでしたね。

ただ、当時は「4円パチンコ」「20円パチスロ」が主流でしたから社内でも「成りたつわけがない」と、ほとんど反対意見でしたね。

当時は現相談役の佐藤洋治氏が陣頭指揮をとって、幹部一人ひとりと話して、「とにかくやってみよう!」とリーダーシップを発揮してはじめたんです。

実際1円パチンコをはじめると稼働も3倍、4倍と上がりお客様の支持を得たと感じましたね。

 

DMM:3~4倍の稼働だと利益も上がったということですね。


保坂社長:いえ、そこは1円なので、やはり運営コストの見直しなども必要でした。


DMM:コストの見直しで大きく実行されたことはありますか?


保坂社長:もともとがチェーンストア経営なので、ローコスト・標準化を軸にしていたのですが、機械費は4円も1円も同じなんですよね。1円パチンコで使うから半額にしてくれとは言えないですし(笑)

その当時は1円というレートを行っている店舗も少なかったので新台の導入を抑えられたのです。「1円パチンコ」という業態でお客様が呼べたので、社内の二次使用で機械のコストを下げていましたね。

あとはパーソナルシステム(玉積みのいらない各台計数機)の導入で人件費を見直しました。

 
DMM:パーソナルは導入費用が嵩むと思うのですが、そこは将来を見越して中長期的な計画で導入されていかれていたんですね。

 

保坂社長:そうですね。人件費に関してもモデル労働時間があるので、玉の上げ下ろしのフル作業の時間に対してパーソナルだと6割くらいの時間でオペレーションが可能です。これなら人件費の見通しも出せます。

また、1円パチンコのお客様も玉積みの射幸性よりも娯楽の要素が強く、カード1枚で遊べる利便性を同時に追求していくことで「1円専業」という他社との差別化ができますね。

大型チェーンならではの悩み。地域に寄り添う専門部隊!

DMM:現在業界最多の396店舗を展開、運営されていますが、店舗数が多いことで直面している課題はありますか?

 

保坂社長:そうですね、店舗を沖縄県以外に展開しているので、どこかで災害があれば必ず関係してきますね。台風がくれば浸水とか大丈夫かなとか、地震があって東京で震度3でも震源地だと5、とか6で影響が出てないかなとか。何か起きれば影響がでるのはこの店舗数ならではの課題ですね。東日本大震災の際も広域で影響を受けました。

 


DMM:なるほど、全国展開されている企業ならではのお話ですね。東日本大震災と言えば、当時の東北の副店長が自家発電で電源を確保して避難場所として地域の方に感謝されたと聞いたことがあるんですが、地域と一緒に生きるという考えが強いなと感じます。地域との共生というのは会社の指標のひとつなんですね。

 

保坂社長:もともとのビジョンであり企業理念として、「パチンコを日常の娯楽にする」「インフラ(なくてはならないもの)にする」というものがあり、そのレベルにはまだまだ届かない中で、まずはダイナムという企業を認知していただく事から始めよう、という事で地域貢献活動に力を入れています。

今回のコロナでもバッシングされたんですが、「なければいけない」とは言いませんが「あっても良いよね」と思われるためには店が出店している地域に1店舗1店舗が貢献できるかということは重要視しています。

現在も100店舗以上が自治体等と災害協定を結んでいますが、今後も締結できるところはどんどん結んでいこうと考えています。
昨年も地域の行政と連携して小学校に光触媒スプレーを寄贈したりダイナムが学校・施設など全国55箇所へ「光触媒コーティング作業」を実施

本業と関係なく地域とつながりを創っていく専門の担当者が全国で30名ほどおり地域とのつながりの増加を進めています。

直接(ダイナムの)お客様にならなくても、まず企業を知って頂く、名前を知って頂くことから、ゆくゆくは色々なつながりができてくるのかなと力を入れています。

 


DMM:社会の為にというのが一つの目標になっているんですね。

そこを目指して企業が発展する事が実行されているなと感じますね。

 

保坂社長:もともとチェーンストア経営というのが人々の生活を豊かにする為に企業が存在するという考え方なんですね。

ではパチンコ屋はどのような形で人々の生活を豊かにできるか?ですが、日常の娯楽としての位置づけとして多くの大衆、普通の人たちが普通に接せられるような存在になっていくということです。

パチンコも射幸性が高くなってしまっている部分もありますが、そこも1円業態を行うことによって娯楽として射幸性を落とし、来店頻度を高めて遊べるようにしていこうということです。

(地域とのつながりは)本業だけでなく企業としてどのような存在になっていけば良いかという取り組みになります。

ダイナムでしか遊べないプライベート機で差別化を!

DMM:なるほど。生活の豊かさは大事ですね。
その中で御社はプライベートブランド機にも積極的に力を入れて作成されていらっしゃいますが、過去一番人気があった機種はどんな機種ですか?


保坂社長:オリジナルのハネモノ系とか初期のころの機械は長く使わせてもらいましたね。そういう意味ではプライベートブランド機として普及しました。

直近ですと「アニマルマンション」はオリジナルで作成したもので、こちらは高い支持を受けていますね。

DMM:今後も積極的にプライベートブランド機の開発はされるんですか?

 


保坂社長:
そうですね。開発の理由は2つありまして、ひとつは高くなっている機械代を抑える事ですね。共同購買やメーカーさんと協力して価格を抑えること。

もうひとつが、ダイナムオリジナルとして(他のホールと)差別化していくことですね。

DMM:なるほど、ありがとうございます。

機械代の高騰は、昔からホールの悩みの種ですよね。

オリジナルのプライベートブランド機を作るにあたって、開発のコンセプトはどのように決められているんですか?

 

保坂社長:そうですね、弊社のユーザーは高齢者も多いので、いわゆる遊べるパチンコというところをブラさないようにしています。

確率が約400分の1でスゴイ出るけどスゴイハマるという機械が流行っていても、そうゆう極端な機械は作らないですね。
「ペルソナ」という仮想のユーザー像を設定し、機械が違ってもそのユーザーに支持されるスペックであったりコンテンツを意識して開発しています。

 
DMM:そうなんですか!期待できそうですね。楽しみにしております。

 

バーチャルでは味わえないリアルな体験価値の創造!

DMM:「ヒバナ・まつりと振り返るダイナムの歴史」で拝見したのですが、パチンコ店だけどパチンコだけじゃない「体験価値」。そこに滞在する事に価値を感じてもらえるよう大きく動いているとありますが、実際にどのような事を実現されていくのか、教えてください。

 

 


保坂社長:パチンコ店ですが射幸性一辺倒で「勝ち負け」だけを目的として来るだけじゃない存在になりたいと考えています。

コロナでオンラインでの活動が発達してきている中で娯楽の多様性、選択肢も増えてきています。

パチンコ店はリアル店舗で足を運ぶメリットを創出したい。人と人とのつながりも再認識されている中でサードプレイスとして、仕事場でもなく、プライベートでもない、居心地の良い第三の場所として人が集まる場所を提供していきたいと思います。

究極ローコストを考えた時には無人の店舗もできなくはないと思います。実際、無人の景品カウンターもありますし。

ただ、あえてそうはせずに有人にしてお客様との接点は残していきたいなと思います。

 

 
DMM:スタッフの方が介入してコミュニティを広げていく接客マニュアルなどあるんですか?

 

保坂社長:いえ、マニュアルはないですね。対応に関しては臨機応変に現場に任せています。ホテル的なマニュアルの挨拶であったり、それぞれのお客様に同じような対応をしなさいということはないですね。お客様おひとりおひとりが異なる考えをお持ちなので、それぞれに応じた対応をしてもらっています。

 

コロナ禍以外にも山積する問題。値上げの影響はパチンコ業界にも降りかかる・・・

DMM:なるほど。柔軟に対応されているんですね。御社全体での今後の課題あるいは展望についてお教えください。

保坂社長:目の前で直面しているのはやはりコロナ禍ですね。弊社は地方で特に高齢者のユーザーが多いので、なかなか戻ってこないです。都心部の若者よりも戻ってこないですね。地方の高齢者ユーザーの来店頻度や比率が高かったのが課題となります。

 


DMM:地域ごとの差などはあるのですか?

保坂社長:第7波の収束状況については総じて差は少ないですが、東京は少し落ち着いた感があり、地方だとまだまだピークが抜けてない感じですね。

第7波でそれまであまり蔓延していなかったところで一気に感染が増えた地域だと、行政も住民も過剰反応されているのかなと思いますね。

あとは弊社だけではないですが、スマパチ・スマスロや新紙幣対応などの投資負担や光熱費等の固定費の値上げなどは他のオーナーさんと話しても大きな課題になっています。

DMM:ありがとうございます。ダイナムだけではなく、業界全体の課題でもありますね。今後もリーディングカンパニーとして業界課題を改善していく動きを期待しています!
話しは変わりますが、保坂社長が考えられる人材育成について興味があります。

保坂社長:営業スキルを磨く研修は階層別に行っておりますが、近年力を入れているのは、一人ひとりが自身のキャリアプラン(人生設計)を主体的に考えることを促す研修です。

新卒の採用を開始して約30年が経ち、取り巻く背景や従業員一人ひとりのおかれている環境も変わってきました。

今、社員の平均年齢は30代半ばですが、この世代は社内でもポストレスに直面し、その上の世代ですと親の介護問題なども出てきています。

昔はパチンコ店で新卒から定年まで働くイメージは少なかったですが、定年まで働き続けられる環境を整備するとともに、一人ひとりにも自分ごととして、自身のキャリアを考えてもらう為に、職位や階層とは別に年代別の研修も行っています。
その中では、社内で階層が上がる事だけが正解ではなく、かといって惰性的に会社に依存することもなく、65歳までを見据えて、働き方を考えてもらいます。これらを通じて従業員の安心感・満足度が向上することが、ひいてはお客様対応にもつながると考えています。

 

DMM:ありがとうございます。そうですね、まずはスタッフの生活基盤の安定、ワーク・ライフ・バランスなど働きやすさがなければ接客にも影響がでますね。

最後になりますが、ダイナムという会社を担う保坂社長のビジョンについてはいかがでしょうか?

 


保坂社長:会社としての目指す目標はミッションとして明確に設定されています。これは不変です。

しかし、手段としてのルートはいくつもあり軸はぶらさずに外部環境の変化などに応じて柔軟に変化させる部分は変化させ、次の世代につないでいく道を作っていく事が自身の役割だと考えています。創業家ではなく経営を委任されている立場ですが、創業家の教えを直接受けてきた世代として、創業家の精神・企業文化・使命などを次世代に伝承していかなければならず、それがダイナムがダイナムとしての存在意義を持ち続ける事につながると考えます。

 

DMM:ありがとうございます。そうですね、業界内だとオーナー企業が多い中で上場もされていますし、稀有な存在ですね。さらに新卒からの生え抜き社長というプレッシャーも大きいと思います。

今後もプライベートブランド機はじめ、期待しています。

ありがとうございました。

 

大衆娯楽こそが原点

創業から56周年、ダイナムの由来はダイナミックアミューズメントであり、その名の通り業界最大規模の店舗展開を誇る。

2009年に300店舗を超えたが、その店舗数が増える=顧客の支持する基盤はローコスト運営と遊べるパチンコの提供など大衆娯楽の基本を守っていることが秘訣だろう。

とかく業界は射幸心や派手さにぎやかしに目を向けてしまい高コストに偏りがちだが、原点を守り抜くことこそが本来のエンターテインメントなのかもしれない。

今後も最大規模のダイナムに目が離せない。

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