スマスロ北斗の拳
サミー
パチンコ・パチスロ特集
更新日: 2023/07/14
こんにちは、ヒポたまです。
橘アンジュさんと一緒に行ったインタビュー前編では、『スマスロ北斗の拳』が完成するまでの紆余曲折や惜しくも不採用となった幻の演出のお話など、貴重なお話をたくさん伺うことができました。
後編の今回は、知っていると『スマスロ北斗』がより面白くなるディープな内容満載です。
それでは早速、インタビューをどうぞ!
それでは次の質問なのですが、この記事を読んでいただいている方に、勝率を上げるためになにかワンポイントアドバイスがあれば教えていただけますでしょうか?
一番は「スイカをこぼさない」です。そんなにパチスロは甘くないぞって。
最近はスライドで打てたり、スイカをこぼしても実は枚数取れてましたっていうのが多いんですけど、パチスロの本質はやっぱり「目押しして、出目が出て、さらにそれを段々絞っていく作業」だと思ってるんです。「ここでこれが止まれば」っていう楽しみ方の機種が初代『北斗』の頃には特に多かったので。
たしかに僕が打ち始めた時期はそういう台ばかりでした。
演出のルールや出目の遊び、シンプルなように見えて実はそのルールを知っているともっと面白くなるような要素がいっぱいありましたよね。昔打っていた方が、久々に来てもみんな『北斗』のルールを覚えてるんですよ。
なぜ覚えてるかというと、『北斗』って状態示唆の演出がたくさんあったんです。勝つためにはその要素を見抜き、どのタイミングでヤメるかとか、逆にここは打ち続けるかとかを自分の判断でやっていたと思うので、『北斗』に関しては小役と状態としっかり向き合って遊技するというのが一番大切だと思います。
最近の機種は通常時でも常に何かが起こっているように見えるというのがあると思うんですけど、この『スマスロ北斗』に関しては、絵的にはケンシロウがただ歩いているだけでも、中ではいろんなことが起こっているというのを推測しながら打てるのが楽しいところだと思います。
見た目には ケンシロウが歩いているだけでも
中ではいろいろなことが起こっている
次に、『北斗』をもっと楽しむための小ネタなどがあれば教えていただけますでしょうか?
とりあえずこの台を打つ時の目標が「無想転生バトル」に入れることだと思うんですけど、そのためにはとにかく中段チェリーを引くこと、いつでもレア役を引くとうれしいという作りになっています。
その中でも、バトルパートがスタートする時に「第3停止を離したら継続抽選している」というのは初代と一緒なんですけど、そこで元々持っている継続率で勝ちか負けかということは決まります。
ここからがポイントなんですが、初代の場合はその後の展開、つまりどの演出を出すかというのは遊技機の演出側の基板で決めていました。「継続抽選に受かったからこれを出す」「継続抽選に失敗したからラオウに攻撃される」っていうのが比率で出ているだけだったんです。
ラオウの最強攻撃「北斗剛掌波」
20年前から打ち手を絶望に陥れてきた
今回はそうじゃないんですか?
実はこの『スマスロ北斗の拳』に関しては、ケンシロウとラオウの攻防パターンをすべて出玉側の基板で管理しています。
例えばケンシロウの攻撃が決定した後のケンシロウが構えるゲーム。そのゲームで中段チェリーを引けると、本当は次のゲームで「ケンシロウがパンチを出してラオウにガードされて継続」という形だったのが、中段チェリーを引いたことで、攻撃内容そのものの書き換えをするような抽選が入っているんです。
演出の書き換えをしようと思った場合、元々ケンシロウが攻撃するというのが、いわゆる出玉側でわかっていないとできないんです。演出側だけでやると、今何の演出が発生しているのかを出玉側では把握できないので、その場合は中段チェリーを引いたとしてもその恩恵をダイレクトに映像とリンクさせるという形で表現することができません。
自分が中段チェリー等を引くと攻撃をいいものに書き換えて、さらにその攻撃がヒットして、「無想転生チャンス」や「無想転生バトル」につながるっていう形を、道のりとしてやりたかったというのがありました。
なので、「継続するかどうか」に加えて「どういう演出パターンが出るか」を出玉側の基板が全て把握しているというのがすごく大事なんです。
ちょっとややこしいですが、レイが攻撃したり、百裂拳がヒットしたりすることで継続率が79%以上、84%以上濃厚になりますよね。この場合、元々演出としてそうなるように予定されていた場合と、中段チェリー等をそのゲームで引けたから演出が書き換わった場合の2パターンが存在するんですよ。
リアルタイムで自分が引いたものによって演出が変わっていく?
それが一番わかりやすいですね。一般的な台はリアルタイムで変えているのは演出だけなんですけど、この台は継続率までリアルに変わります。いい言い方にも悪い言い方にもなってしまうんですけど、中段チェリーを引いたタイミングによって、その中段チェリーの強さというか価値が変動してしまうんですね。
「このタイミングで引ければ演出がいいものに書き換わりやすい」というのがわかっているので、我々が打つと他の方よりも力を込めて中リールを止めてると思います。特に攻撃をする手前とかは、人によっては目押しすらしない方もいると思うんですけど、そのゲームのアツさを知ってもらえたら、『スマスロ北斗』をもっと楽しめるのかなと思います。
この台のどこが一番面白いかと聞かれたら、バトルパート中の中押し第1停止が一番面白いと答えます。そこでどれだけ中段に赤7を止められるかという遊びなんですよ。約1/7のリプレイですら中段に赤7が止まるので、その度にドキっとできるし。右リール止めた時に赤7がテンパイしたらさらに…。
ドキってなりますよね!
バトルパート中も中押し小役狙いすることで
面白さが倍増
実は最近、開発ボイスでもその辺りのことを説明はしているんですけど、なかなか難しい要素ではあるので伝わりきってないのかなと思います。ただ、そこを知っていると知っていないのとでは遊びの幅も変わってくると思っているので、できればもっと広まってほしいんです。
確かに叩きどころを知っていれば、何倍も楽しくなりそうですね。
それじゃあ、なぜ最初に言わなかったんだってなると思うのですが、このルールがちょっとだけ小難しく見えてしまうからなんです。「初代って言ってて全然違うことやってるじゃん」って思われるのが嫌だったので、あえて最初は伏せていました。
継続率の抽選方法や見た目は全く一緒なので、あくまでもそれにプラスアルファを付け加えている中に、引いたレア役がダイレクトに映像と継続率と昇格と「無想転生」というところに、ちゃんと絡んでいくというところがこの台のポイントですね。
まとめると「バトルボーナス中にしっかりと目押しをすればもっと楽しめる!」ということです。
なるほど。バトルパート中がめっちゃ叩きどころってことですね!
もうちょっというと、この演出の書き換えの法則として、ケンシロウがパンチを出すゲームで中段チェリーを引くとそのパンチは絶対に当たるんです。パンチが当たるとさらに「無想転生チャンス」が約20%で出てきます。キックの場合は約33%、百裂拳の場合は約80%になります。
ケンシロウが攻撃するゲームで中段チェリーを引くと
攻撃が100%ヒットする
そんな恩恵があるんですか!
さらにレイが攻撃すれば79%以上濃厚、百裂拳がヒットすれば84%以上濃厚という演出のルールがあるので、中段チェリー等で演出の書き換えが行われた時に、その演出のルールに則って継続率も当然格上げされます。
皆さんの理解とは逆だと思いますが、継続率が格上げされたから百裂拳がヒットするわけじゃなくて、百裂拳がヒットしたから継続率が84%以上濃厚に格上げされるということなんです。演出を書き換えた結果、中身もその演出のルールに準じるということです。
ということは演出を見ながら、「今ここで中段チェリーを引けたら演出がいいものに書き換わる」というのをちゃんと把握していると、レバーを叩く手にも力が入って、なお楽しいってことですよね。
そうです。なので、初代『北斗』を知っている人たちは演出のルールを理解している人たちが多いと思うんですけど、初代を知らない人にも流れを把握していただくために、導入から2ヵ月くらい待ちました。その後、今ぐらいのタイミングであれば、概ね打っていただいてる方に『北斗』の演出ルールが浸透してきたかなということで開発ボイスで発信しました。
バトルパート中にレア役ナビが出ないのは不親切だと言われるんですけど、そこは不親切とかではなく、「中リール中段に赤7が止まったのに演出がないからリプレイ確定なんて、そっちの方がつまらないでしょ?」ということなんですよね。
僕らの目標は、皆さんに仕様を理解していただいて、バトルボーナス中にみんなが中押しに力が入っている状況を見たいっていうのがあります。
本当ならもっとたくさんの人に理解して楽しんでいただきたいんですけど、こうやって全員と面と向かってお話しできるわけじゃないので、伝え方が難しいんですよね…。
しっかりとお伝えします!
よろしくお願いします!
ここまでもたくさんお話しいただいたんですが、今後ユーザーに楽しんでもらいたい点、見つけてもらいたい点などあれば教えていただけますか?
今までお話しした部分が99%ぐらい大事なんで、残りの1%の楽しめる小ネタを淡々と話していきます。これは、結構ユーザーさんが知ってるかなと思うんすけど、バトルパート中に処理落ちしたみたいな演出を伴ってパンチを出し、実は継続濃厚みたいな違和感演出があります。
あとフルウェイトで打っている場合の演出発生タイミング。レバーオンで映像が出る時と、リール始動時に出るという2種類があって99%がレバーオンで演出が発生します。これがリール始動時に出ると大チャンスです。
似たような話で第3停止を押した瞬間に出るというパターンと、ボタンを離した瞬間に出るというタイミングで内部的に管理が分かれていて、離した瞬間に出ると当たりというルールもあります。他にもこの演出は強レア役対応ですとか、色んなルールが散りばめられているんですけど、そこが矛盾するとチャンスとかではなくて、大当り濃厚になっているのが『スマスロ北斗』の特徴です。
ルールさえ覚えていただければ、どんどん意外な当たり濃厚パターンになる知識が蓄積されていって、もっともっと面白くなってくるはずですよ。
ありがとうございます。1%のどころがこれもすごく大事なお話でした。
通常時にも隅々まで観察して遊技してみると
いろんな発見がありそう
遊び方が最近の6号機とはちょっと違うといいますか、自分の形の遊び方を探ってもらえたらもっと楽しんでもらえるかなと思います。
初代の頃はみんなマイオカルトというか、いろんな噂があって、先ほどの処理落ちっていうのも、演出を制御している基板性能がよくなくて、処理落ちしてしまってカクカクした動きになっていたんです。
でも、それがいい塩梅に出現したので「遅かったから続くんじゃないか」という噂になったんですね。当時は他にもオカルトがたくさん生まれて広まっていました。
今の性能だと当時のように処理落ちはしないんですけど、「あえて昔あったオカルトを本物にして入れてしまおう」という意見が、結構後半になってから出てきました。「打ち込んだあとに気がつける要素とかもっとあった方が面白いよね」ってことで。
あとやっぱり初代『北斗』を打った人達とたくさん話をしていると、『北斗』の思い出の中ではそういった話題がどんどん出てくるので、その中からも採用しています。
そうだったんですね! 攻撃の分岐の時に、ラオウの足が出てくる時間が違うのとかもですよね?
ありますね。ラオウが立ってる位置が普段より近いんですけど、あれを1回見ちゃうと「今早かった気が?」と違和感があったのに、実は勘違いしていただけで結局負けるとか。本物として採用することで、本当か勘違いかわからないドキドキが生まれて楽しいなんてこともあると思います。
抽選をしっかり第3停止を離したところに合わせてるというのも、昔やっていたことをそのままできるということがすごく大事だと思ったんですよね。そこができなかった瞬間に急に冷めちゃうっていうか、これはもう何か違うなってなっちゃうこととかあるので、そこはこだわった要素ですね。
本当に初代『北斗』への愛を感じられる部分が多いですね。
それでは最後に、開発者の皆様から私たちユーザーに向けてのメッセージをいただけるとうれしいです。
個人的には今回、開発後のいわゆる広報活動、いいものをどうみんなに広げるかという苦労がすごくありました。
関係各所もすごく協力してくれたって面もあるんですけど、我々としても自信を持って完成させたのですが、初代を打っていた人がパチスロ自体をやめてしまっていることも多い状況。その人たちにどうやってホールに戻ってきてもらうかっていうところは、本当に意識しました。
作ることの難しさももちろんあるのですが、個人的にはそれをいかに伝えるかの難しさが実は一番大変だったなという印象はあります。
さらにいうと、それこそ有利区間とか昔と比べると状況がかなり変化していて、気軽に座ることができなかったりすると思うんです。だからこそ初期は初代モードをメインにアピールすることで、昔のような感覚で打つことができる機種だと認識してもらうのが、すごく大切なことだと思ったんですよね。
その甲斐があってか、導入されてから初期稼働がすごく良くて。初日に設置台数が多いところを見に行ったり、打ってみたりしたんですけど、一番感動したというか嬉しかったのが、22時30分になっても本当に誰もヤメないんですよ。まぁ僕も閉店間際で打ってたんですけど。
あの光景は本当久しぶりに見た気がします。
バトルボーナス中ならわかるんですけど、「22時30分だけどまだケンシロウと散歩するの?」って方もいましたね。ちょっと空くとすぐに誰かが座ったり、ホールに近づくと「ホワッ、アタッ、アタッ」って響く声が聞こえてきたりとかすると「ああ『北斗』帰ってきたな」と感じることができて、本当にうれしかったですね。
ちなみに今回かなり集大成に近い『北斗の拳』を作られたと思うんですけど、これ以降の『北斗』シリーズってどうなるんですか?
いや〜、それは我々が作っていない可能性もあるので(笑)。逆にいうと今後作る人は苦労するかもみたいなのはあるかもしれないですね。
今後の『北斗』シリーズどうするって話は、今回が成功したから出てきてると思うんですけど、じゃあこれを作ってる時の我々のプレッシャーはないかって言われたら、そんなことは全然ないんで、それはきっといつやっても同じだと思います。
広報活動も含め本当に全部、あれやりたいこれやりたいっていうのをやり切ったので、我々はもう昇天しています。
昇天されたんですね(笑)。貴重なお話や特ダネの数々、ありがとうございました!
大ヒット街道を爆進中の『スマスロ北斗の拳』開発者インタビュー前後編、いかがだったでしょうか。
貴重なお話をたっぷり聞かせていただいた、開発者エイリやんのお三方には感謝しかないです。
みなさんも是非バトルボーナス中は、目押しに全神経を集中させましょう。自力で高継続を獲得した喜びを味わい尽くしたいですよね!
以上ヒポたまでした。
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