(株)ユニバーサルエンターテインメント(本社/東京都江東区)が特別協賛する「岡田美術館杯女流名人戦」(報知新聞社主催)は1月14日、岡田美術館(神奈川県箱根町)開化亭からスタートした。
第50期となる岡田美術館杯女流名人戦五番勝負は、西山朋佳女流名人に福間(旧姓・里見)香奈女流四冠が挑戦。第一局は16時13分106手で挑戦者の福間女流四冠が先勝した。元日付で結婚を報告し、里見姓から福間姓に変わった最初のタイトル戦ともなった。
先手後手を決める振り駒役では、富士本淳社長(ユニバーサル)が初めて務めた。結果、歩が3枚出て、西山女流名人が先手を持った。過去の女流名人戦で黒のスーツ姿が印象的だった福間女流四冠は、今回白のスーツ姿で対局場に登場。対する西山女流名人は黒のワンピースのドレス姿で迎えた。午前中は、細かな駆け引きの中、駒組みが続き、昼食休憩に入った。しかし、再開後、手番の福間女流四冠は熟考の中で顔を紅潮させながら敵陣に角を放った。午後からは一手一手の攻防が激しさを増していった。
午後1時30分からの大盤解説会がオンライン中継され、解説を井手隼平五段、聞き手は竹部さゆり女流四段が務めた。会場となった岡田美術館では、特別展「金屏風の祭典」が開催されていることが紹介された。そんな中、福間女流四冠は56手目、金3枚を横に並べるという堅守で応じた。それを見て竹部女流四段は、「特別展のテーマと同じ、まさに金屏風の守りですね」と評していた。それに呼応するように西山女流名人も金3枚(金屏風)で粘り強く応対。結局、挑戦者の福間女流四冠の攻めが1手早く先勝となった。
女流名人戦は、現在行われている将棋女流タイトル戦の中では最も古く、1974年度創設。1993年度開催の第20期より、アルゼ(株)(2009年11月1日に(株)ユニバーサルエンターテインメントに社名変更)が特別協賛となり、2015年より「岡田美術館杯女流名人戦」として毎回、第一局は岡田美術館において開催している。
なお、次局は1月21日出雲文化伝承館において開催される。