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木村魚拓のガチ日記

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-たわわに実った稲穂を刈に-

更新日: 2015/06/02

 いコメを作るにはいいを手に入れるだけではいけない、大事に育てるだけでもいけない、を植えるまでの準備が何より大切なのだと、いつだか親戚のお通夜で寿司をつまんでいる最中、見知らぬ爺さんに説教された。


つまり、爺さんの説教を額面通りに受け取るならば、いい結果を出すには入念な準備が不可欠、決して妥協してはならぬということで、ミリオンゴッドの新作アナザーゴッドハーデス -奪われZEUSVer.-」、略してハーデスの導入初日、凍てつくような寒空の下、まだ夜も明けきらぬ朝6時から並んだ。抽選でも会員優先でもない並んだ順番で入場できるスロ屋に、尻に敷くダンボールと足元に掛ける毛布持参で突撃したのだった。

何故なら私はガチだから。とりわけゴッドに関してはガッチガチ、勝利に対する貪欲な姿勢は誰にも負けぬ自信があるものの、2月の寒さはそれ以上にガチだった。


下はパンツ、スパッツ2枚の上にスウェットを履き、上は冬山用の下着、スウェット、セーター、ウインドブレーカー、かてて加えてその上に、「マジで最強だから。これ一枚あれば北極だって行けるから」と店員に薦められて購入したアウターを羽織っていったわけだが、北極よりもだいぶ温暖な水道橋だってのにじっとしていられぬほど寒い。ここまでの並びは何年かぶり、昨今流行りの入場抽選でなまりきった身体は並び始めてものの2分で悲鳴を上げた。


また、並んでいたのは敷地内にある駐車場でも人目につかぬ路地裏でもなく、多数のビジネスマンが行き交う通り沿いである。十代、二十代はまだいい。若さが全てを許してくれるから三十代もギリセーフだが、四十を過ぎて「何やってんだこのバカどもは」といった好奇の目にさらされることで受けるダメージは相当なもの。


つまり、身体的にも精神的にも非常に厳しい時を過ごすこと4時間、耐えに耐えて耐え抜いた末に、ようやく先頭で入場する権利を得たのであった。

狙うは最も客の目につきそうな、中央ジマの手前カド6を入れるなら間違いなくあそこであろうと、階段を駆け上がってその台を無事確保したところで準備は整った。


畑はもう十分すぎるほど耕した。苦労に苦労を重ねて肥沃な大地を手に入れた。あとは大きく育てて刈り取るだけだと体力が続く限りレバーを叩き続けたところ、実るほど頭を垂れる稲穂かな、まさにたわわに実った稲穂のようなスランプグラフの完成である。

 

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