パチンコ・パチスロの交換率とは? 計算方法・交換方法についてもご紹介!
特集一覧へ交換率の違いによって発生する「交換ギャップ」や計算方法など、交換率について把握していくべきポイントを解説していきます。
更新日: 2022/12/02
交換に関する用語解説
パチンコ・パチスロで上手く玉やメダルを獲得できたその後…。
玉やメダルは景品カウンターによって一般景品か特殊景品に交換するのが常となります。
【景品カウンター】
多くは店内の端に位置しています(ビル型店舗では特定階に景品カウンターのみがある場合も)。
景品カウンターに行く前に、パチンコ・パチスロ各シマの端にあるジェットカウンターで玉やメダルの獲得総数を計測します(パーソナルシステムなど各台計数機がある場合はこの必要なし)。
計測結果が記されたレシートを景品カウンターに持参し、景品に交換します。
一般的にはホール店員が交換手続きを行いますが、中にはセルフで行えるカウンターも。
交換できる景品は、一般景品と特殊景品の2種類があります。
【一般景品】
飲料・食品、タバコ、日用消耗品、子供用玩具、CD・DVD、電化製品、パチンコ・パチスロのキャラクターグッズなどが代表的なところでしょうか。
コロナ禍にある2021年現在では、一般景品の棚にマスクがあるのがトレンドでしょう。
ホールへ指導を行う警察庁からある程度の指針はあるとはいえ、一般景品の種類は店舗によって異なり自由度も高いです。
沖縄県など海が身近な地域では、釣り道具を用意している店も。
期間限定や月替わりなど、ご当地グルメを特色とする例もよく見られます。
以前は高級ブランドなどの時計やバッグ、家庭用ゲーム機など高額な景品がラインナップされていたこともありますが、規制によって上限が概ね1万円程度とされ、さらに2018年から上限6000円に変更。
【特殊景品】
各都道県ごとに種類が異なり、地域共通で同じ景品であることが多いです。
現在から20~30年前ではボールペン・しおり・文鎮などケースに入った文房具、ゴルフボールやライターの火打石が用いられる地域が多数ありました。珍しいアイテムとしては、高級食材・アクセサリー・化粧品・レコード針なども。
▲ボールペン・しおり。
1990年代東京都内での運用を皮切りに、少量の金が封入されたカードor箱の流通が全国的に多くなっており、その際は金景品と呼ばれることも。
▲実際の金(インゴット)が使用されている金景品。
金景品は金額に応じてサイズなど種類が異なっており(金の容量が異なる)、こちらをパチンコ店外にある景品交換所に持参することで現金に交換しているのが、パチンコ・パチスロにおける特殊景品交換の実情です。
【景品交換所】
パチンコ・パチスロホールの近くで、特殊景品の種類に応じ現金と交換してくれる場所です。
ただし、景品交換所自体はパチンコ店とは関係ありません。
現在の景品交換の成り立ちには複雑な事情があるのですが、その解説はこの下で詳しく行いましょう。
景品交換に関しての歴史
パチンコ・パチスロの景品交換には、パチンコの歴史とパチンコ・パチスロを取り締まる法律=通称「風営法」に触れざるを得ません。
【戦後の流行と景品交換の社会問題化】
太平洋戦争の終戦後、不要不急産業としてそれまで禁じられていたパチンコが復活。大きなブームとして人気を博しました。
その際、景品であったタバコを現金と交換する仲介者が登場、これに暴力団が介入するなどの問題が生じてしまいます。
タバコが現在でいうところの特殊景品と同等となり、たとえタバコを景品とすることを禁じてもその他の景品(チューインガムなど)がタバコに代わる存在と成り得る懸念が生まれ、実際に問題となったことも。
また、日本国内では賭博は刑法の中で禁じられており、特別法によって認められた公営ギャンブル以外で金銭を賭けることはできません。
パチンコは本来「賭博ではなく遊技」であり、出玉の代償として景品を提供しているのに、先述した様に一種ギャンブル行為としてまん延する状態となってしまいます。
暴力団への資金流出やギャンブル行為とみなされることを問題視していたパチンコ業界ですが、景品交換の新たなるシステムとして大阪府で取り入れられていた「三店方式」が対抗策として考えられ、全国的に流行していった経緯があります。
【風適法内における景品提供の制限】
1948年に風適法が制定、パチンコは1954年に風俗営業の範疇に含められ管理されることになります。
この法律の第23条(1984年の改正で制定)で、「現金および有価証券の商品提供」「客へ提供した商品を店が買い取る=自社買い」ことを禁止しており、改めてパチンコのギャンブル行為を禁じています。
では、これらの問題点や法律による制限をクリアする三店方式とは、どのような仕組みなのでしょうか。
次の項で具体的な流れを含めて解説しましょう。
景品交換の方法と注意点
【特殊景品交換の基本的な流れ】
下のイラストをご覧ください。これが三店方式と呼ばれるシステムです。
客はパチンコ店で遊技し、獲得した出玉を特殊景品と交換します。
特殊景品を得た客は景品交換所に差し出し、現金と交換します。
景品交換所は特殊景品を景品問屋とやり取りし、現金と交換します。
特殊景品を得た景品問屋は、パチンコ店とやり取りし、現金と交換します。
こうして、三者間で特殊景品と現金がグルグルと循環するのが三店方式なのです。
景品交換所と景品問屋の間に集荷業者を挟むケースもあり、その場合は四店方式となります。
景品交換所および景品問屋(集荷業者含む)は、パチンコ店とは別の会社が経営しており同じ組織ではありません。
また、景品交換所は古物商の許可証を得て営業し、上で説明した「自社買い」を防いでおり、パチンコ店と景品交換所は無関係、という「建前」になっています。
この三店方式に違法性があるかどうかを問う声も過去現在を問わず存在し、その是非を審議した事例もあるのですが、どちらも今回は省略しましょう。
現状、このシステムの中で特殊景品と現金の交換が行われているのは間違いのない事実なのです。
なお、東京都内で特殊景品に金景品が運用された理由は、一手に管理を行うことで暴力団を排除する目的が大きいと考えられています。
【特殊景品交換には最低の金額が存在】
等価交換なら、玉1発が4円・メダル1枚が20円の価値となります。
ですが実際には、それぞれ1発・1枚から交換できるわけではありません。
交換には、特殊景品の種類に応じた金額分の玉・メダルの数が必要となります。
東京都内で使用されている特殊景品=金景品は1g(大)・0.3g(中)・0.1g(小)の3種類で、2021年10月現在では順番に8000円・2500円・1000円の価値を持っており景品交換所にて交換可能。
ということは、0.1g(小)の小景品を交換するため東京都内で主流の交換率のホールなら…
■4パチ→3.57円交換が主流→玉280個で金景品(小)1個
■20スロ→5.6枚交換が主流→コイン56枚で金景品(小)1個
等価交換なら他の交換率よりも必要となる玉orメダルが少なくなる一方、交換率が低くなるほど同じ金額でも交換には多くの玉orメダルを要します。
ちなみに、金価格は年々上昇しているため、金景品それぞれの価値は年々上昇しています。
2007年までは金景品1gの価値は2500円でしたが現時点では8000円。3倍以上に上がっています。
パチンコ・パチスロで勝つためにはプラス分の獲得=景品交換がマストですが、交換額の最小限額がこれからも上がっていく可能性があり、そうなった場合は勝つために最低限の出玉量はこれからも上昇していくかもしれません。
【交換率は店舗や地域で異なる】
パチンコ・パチスロの交換率は店舗の設定ごとによって異なります。
また、地域の組合が定める上限ギリギリに設定されることが多いです。
例を挙げると、2021年現在の東京都内では4パチが3.57円交換・20スロが5.6枚交換が主流となっています。
さらに、パチンコ・パチンコの貸し玉&メダル料金を4円・20円ではなく、それよりも高くor低く設定するホールもあります(詳しくはこちらへ)。
ホールが選択する交換率は時代によって変遷しています。
2000年台中盤~2010年台初頭まではパチンコ・パチスロ共に等価交換が目立ち、特にパチスロでは等価営業が大きな割合を占めていました。
しかしパチンコではデジタル回転率が低く設定されがちで客離れが強いことから、3.0~3.33円交換など非等価営業も高い割合で併存。
その一方、2012年には一物一価(パチンコ・パチスロ共に同じ交換率になるよう警察庁が指導)の考え方の基に、等価営業メインだったパチスロの交換率も下がる傾向に。
2021年現在、等価交換で営業を行う地域も一部あるものの全国的にはそれより低い交換率のホールが多数を占めます。
また、必ずしも一物一価が厳守されていないのが実状です。
地域差もありますが、交換率がいくらかをホール店員に問い合わせても応えてくれないケースがままあります。
実際に景品交換し額を確かめるのが1番の正解のようです。
始めて打つホールでは、他のお客さんに聞くなど交換率を事前に把握しておくことが大事になります。
【店員からは景品交換所の場所を聞くことができない】
出玉を交換して特殊景品を受け取った時、景品交換所の場所がわからず困った経験のある方も多いでしょう。
しかし、ホールスタッフに聞いても原則的には「どこにあるか」を教えることはありません。
上で三店方式の解説を行った際、「パチンコ店と景品交換所は無関係という建前」と記しました。
もし店員が場所を教えると特殊景品の交換を指示するように捉えられ、最悪のケースでは店が摘発される可能性があるからです。
コッソリ教えてくれる例外もありますが、まずは自力で交換所を探すのが第一。
どうしても分からない場合は、他のお客さんの後を付いていくのがベターでしょう。
【特殊景品の交換後に狙われることがある】
出玉を得てホール内で特殊景品と交換した後には店外に出て景品交換所で現金に交換しなければなりません。
その際特殊景品を手にする様子が目立つようなら、ひったくりなどの犯罪行為に巻き込まれる可能性も。
景品交換所の位置が離れているほどその危険度は増します。
特殊景品は交換直前まで衣服のポケットやカバンなど手荷物の中に入れるのが望ましいでしょう。
悪い奴らはどこにでもいますので、要注意!
「交換率」とは? 「交換率」の計算方式は?
「交換率」とは、出玉を景品に交換する際の比率のことを言います。ここで言う「景品」とは一般景品(お菓子やジュースなど)ではなく、特殊景品(金景品)のことを指します。
貸玉(貸メダル)の料金と交換する際の価値が同じになるのが「等価交換」。4円パチンコであれば25玉で100円相当、20円パチスロであれば、50枚で1,000円相当になるのが等価交換ということになります。
それ以外の交換率は基本的に「非等価(交換)」となり、例えば40玉で100円相当になるのが2.5円交換、メダル57枚で1,000円相当ならば5.7枚交換といった呼ばれ方をします。
パチンコ・パチスロの主な交換率をまとめたものが以下の一覧表となります。
なお、交換時の金額から交換率を算出する計算式は
【○.○円交換として算出したい場合】
特殊景品総額÷流した玉・メダルの枚数(余り玉・メダルは除く)
【○○玉(枚)交換として算出したい場合】
100÷[特殊景品総額÷流した玉・メダルの枚数(余り玉・メダルは除く)]
となります。
ちなみに、交換率はホールの中で掲示することができないので、初めて行ったホールでそのお店の交換率を知るには、
●情報サイトやSNS等で調べる
●常連さんと思われる他のお客さんに聞いてみる
●実際に獲得した出玉を交換してみる
などの方法があります。
「交換ギャップ」による影響
交換ギャップとは、借りる際の玉(枚)数と交換する際の価値の差のことです。
例えばパチンコで3.57円交換ならば28玉につき100円相当なので、等価交換=25玉につき100円相当と比べて100円あたり3玉ずつ発生する差分のことを言います。
100円あたりで考えると大きな差はないと思えるかもしれませんが、出玉が多くなるほどその差は大きくなっていきます。
例えば現在東京都内では、パチスロは「1,000円46枚貸しの5.3枚交換」がポピュラーです。
この場合、仮に2,400枚を交換したとして受け取れる特殊景品は45,000円分。等価交換ならば48,000円分となるので、差し引き3,000円分のマイナスになります。
これが47枚貸し5.7枚交換なら、等価交換と比べマイナス6,000円、47枚貸し7.0枚交換ならマイナス14,000円となり、同じ投資額・同じ出玉でも、交換ギャップによって収支が大きく変わってくるのです。
また、基本的に貸出金額を問わず交換率は1種類と決まっているのですが、同じホール内の1円パチンコと4円パチンコで交換率が異なることもあります。
4円パチンコ・20円パチスロの等価交換店でも、低貸しだと非等価を採用しているホールも多いので注意しましょう。
「スーパー等価」って何?
パチンコにかんするニュースなどで、「スーパー等価」という言葉を見たり聞いたりしたことがある方もいると思います。
これは主にパチスロで「1,000円で46枚を借り、交換する時も46枚で1,000円相当になる」といったシステムで、パチスロの1枚=20円に消費税分を加味した交換率を指します。
例えば2,400枚流したとして「50枚貸しの50枚戻し」の等価交換では48,000円分となるのに対し、「46枚貸しの46枚戻し」は52,000円分(+余りメダル8枚)となります。
貸し出し料金の上限として決められている「100円で5枚(=1枚20円)」を表面上は超えるので「スーパー」と呼ばれている、ということですね。
なお、パチンコにおけるスーパー等価は「100円で23玉(or24玉)貸し」となっています。パチスロに比べると採用されているホールは少なめです。
交換率には地域差がある!?
交換率は、都道府県単位でも差があります。
例えば、東京都内は等価交換が規制されていますが、隣接している神奈川県・埼玉県・千葉県では等価交換での営業が認められている状況です。しかし、逆に関西圏の多くでは非等価のホールが主流となっています。
また同じ都道府県でも、地域によって主流の交換率が異なることもあります。
自分の住む地域が5.7枚交換店ばかりだったとしても、となりの市区町村に足を伸ばしたら5.3枚交換がメインだった、ということもありえるので、そのあたりもチェックしてみるといいでしょう。
交換ギャップを抑える方法
状況次第では、等価交換のホールよりも非等価交換のホールの方がいいという場合もありますが、交換ギャップを抑えられればそれに越したことはありません。
ここでは、完全とまではいきませんが、交換ギャップを多少なりとも抑えられる方法を紹介しましょう。
【その1】持ち玉遊技の割合を増やす
基本的に非等価のホールは、現金投資のたびにギャップで損をすることになりますので、持ち玉で遊技する割合を増やすことが重要となります。
その上でまず利用したいのが貯玉システム。
このシステムはホールの会員になると利用することが可能になり、出玉を交換せずに会員カードに一旦貯めておいて、後日、引き出したり交換することができる仕組みです。
投資額が多いと、その日に獲得した出玉を交換しないのは心理的に難しい気もしますが、打ちに行くたびに交換ギャップが発生するのは長期的に見るとかなりの損になります。
1日あたりの引き出し玉(枚)数が制限されていることも多いですが、交換の際の余り玉(メダル)を貯玉しておける、というメリットもあるので活用するのがいいでしょう。
また、出玉を持っての台移動が認められているホールも、持ち玉遊技の割合を増やすことができます。他の台を打つ際に、再び現金投資するのと、出玉を持って移動するのでは大きな差が生まれます。
出玉を持っての台移動ができるかどうかを、ホール内の告知や店員さんに聞いて確認するのがおすすめです。
【その2】一般景品に交換する
交換ギャップを抑えるもう1つの方法。それは、特殊景品ではなく一般景品に交換すること。
例えば、8,000円相当の一般景品があったとして、そのホールが2.5円交換でも等価交換でも、交換に必要な玉数は2,000玉(※4円パチンコの場合 / スーパー等価は除く)です。
2.5円交換ならば、特殊景品だと5,000円分なので、かなりお得になると言えます。
ホールによっては一般景品の品揃えに力を入れているホールもありますので、お買い物感覚で色々と交換してみるのも面白いかもしれません。
【その3】交換するなら一般景品と特殊景品、どちらが得?
上記の様に低交換率のホールなら特殊景品よりも一般景品に交換した方がお得となる場合がありますが、必ずしもそうとは言えないケースも。
たとえば、一般景品が電化製品だった場合。
ホールでの交換価格が定価の6千円相当でも、家電量販店では安売りされている可能性があります。
また、交換されずにホールに残ったままなら型落ちし最新モデルではなくなることも。
一般景品の種類が、他の小売店で購入する方が安くなったり特典が付かないものかどうかを判断しましょう。
【その他】こんなレアケースも…!?
上で解説しましたが、特殊景品には純金が封入されている場合があります。
金相場の変動によって特殊景品の価値が変化することも、ごくたまにですが起こりえます。
過去に起こった事態の記事をご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
◆【東京大景品物語】金の価格が高騰!! 特殊景品が値上げしました!
まとめ
全国的に見ると、次第に非等価交換化が進んでいる現在。打ちに行くホールの交換率をしっかり理解することは勝負の大前提となっています。
そのため、初めてのホールに行く際は、台選びよりも交換率の把握の方が優先順位的に高いと言っても過言ではありません。
その上で、短時間勝負なのかどうか、会員カードを作るのかどうか、波の荒く交換ギャップが発生しやすい台を打つのかどうかなど、自分のプレイスタイルにあった遊び方をするのが重要ということを覚えておきましょう。