アイムジャグラーEX(2007年)
北電子
パチンコ・パチスロ特集
更新日: 2023/10/20
一般的に「中段チェリー」といえば「左リール中段に停止するチェリー」のこと。現在のAT・ART機では、出現した時点で何かしらの特典が濃厚な、プレミアム役になっていることが多いです。
そのため、当然ながら出現率は非常に低く設定されていることがほとんどで、機種によっては開店から閉店まで打ち続けても、お目にかかれないことも珍しくありません。
まずは中段チェリーの確率や成立時の恩恵を、複数の機種を例に挙げて見ていきましょう。
・中段チェリー(究極目)の確率
…1/16384
・特典
…成立した際の一部(設定1で1/6)でロングフリーズ発生(ATが最低9セット継続)※フリーズ非当選時はAT突入&Vストック1個獲得
本機の中段チェリーは「究極目」と名付けられたプレミアム役として停止。さらにそこから1/6(設定1)の抽選をくぐり抜けるとロングフリーズが発生する。フリーズは究極目停止の次ゲームにも発生の可能性あり。
・中段チェリーの確率
…1/16384
・特典
…通常時に成立した際の1/8でロングフリーズ発生(エピソードボーナス&悪魔ほむらゾーン&AT復活3セット)※フリーズ非当選時はエピソードボーナス以上に当選
こちらも中段チェリー成立時にロングフリーズの抽選が行われている。1/8は狭き門だが引き当てた際の恩恵は絶大だ。
・中段チェリーの確率
…1/16384
・特典
…通常時に成立した際の1/4でロングフリーズ発生(AT11セット以上濃厚)※フリーズ非当選時はAT濃厚&上位シナリオの選択率アップ
フリーズ演出は「ファンファーレフリーズ」と「人馬一体フリーズ」の2種類。中段チェリー成立時のフリーズ抽選に当選した場合はどちらかのフリーズが発生する。
・中段チェリー確率
…1/130571.0(設定1)~1/85712.7(設定6)
・特典
…「みるきぃあたっく」or「超みるきぃあたっく」突入
上に挙げた3機種とは違い、出現確率に設定差があるのが特徴。確率は設定6でもかなり低いが、大量上乗せに期待できる(超)みるきぃあたっくに突入する。
・中段チェリー確率
…1/16384
・特典
…通常時は8分の1でフリーズ。それ以外の非有利区間中、CZやAT、エピソードボーナスの本前兆中は必ずフリーズが発生する。フリーズの恩恵はアルティメットボーナス確定。フリーズしなかった場合はエピソードボーナス or マギカラッシュとなる。タイミングによってはワルプルギスの夜もついてくる。
・中段チェリー確率
…通常時は1/161319.4、AT中は基本的に1/16384(ゼニロボが出現するCZのみ1/262144.1)
・特典
…通常時は無限ゼニガダッシュ+BIGゲーム獲得、AT中(BIGゲーム中)は基本的に3桁上乗せ以上、デカチャンス中や30G連中は成功確定となる。
・中段(最強)チェリー確率
…1/16384
・特典
…通常時 or CZ中の場合は青7ボーナスだが、本前兆中なら超プレジデントボーナスの可能性あり。ボーナス中はAT+天国、AT中は3桁上乗せ+50%ループ以上獲得+青ディスク、ドリームカムズアゲイン中(引き戻し中)は引き戻し確定+次回天国といったところで状況によって特典も異なる。できればAT中に引きたいところだ。
続いて、中段チェリーがパチスロの歴史とともに、どのような歩みをしてきたのかを解説していきます。
●最初は「エラい小役」ではなかった?
そもそも中段チェリーという小役は、1号機時代(1985年頃)から存在し、リーチ目に絡むことも多い役でした。ただし、メインの役割としては「1リール(左リール)だけで払い出しが確定する」という形に留まっていて、中段チェリーが特別にエラい、という認識はプレイヤーにありませんでした。
しかし、2.2号機『スーパーバニーガール』(オリンピア)と、3.1号機『コンチネンタル』(瑞穂製作所)の存在によって評価が一変。2号機では最後発だった『スーパーバニーガール』と、3号機では最初期に登場した『コンチネンタル』が、ともに問答無用の鉄板リーチ目として中段チェリーを採用したのです。
両機種は設置時期がかぶっていたうえに、荒波マシンとして大きな人気を獲得。加えて、鉄板役の中段チェリーは、その後の連チャンを期待させてくれる存在として認知され、「中段チェリーはエラい!」となったわけです。
また、ちょうどこの時期、パチスロ攻略誌がメジャーな存在になりつつあり、プレイヤーに情報が拡散しやすくなっていたことも、要因の1つと言えるでしょう。
●4号機以降は初代『パチスロ北斗の拳』が立役者に
4号機時代に突入すると、「中段チェリーがエラい」という傾向は一旦影を潜めます。
初期4号機時代は、『ニューパルサー』(山佐)や『クランキーコンドル』(ユニバーサル販売)に代表されるように、パチスロシーンは“大量リーチ目マシン”が真っ盛りの時代。5号機以降の「小役とボーナスの重複抽選」もないので、左リールにチェリー停止=ボーナスの可能性なし(ボーナス成立後は除く)となっていたからです。
この流れは、大量獲得機や爆裂AT機が登場しても変わらず、当時を代表する『獣王』(サミー)、『サラリーマン金太郎』(ロデオ)、『ミリオンゴッド』(ミズホ)、『スーパービンゴ』(ベルコ)といった機種でも、中段チェリーが重要な役割を担うことはありませんでした。
そこに登場したのが『パチスロ北斗の拳』(サミー)。
同機は、累計で60万以上の販売台数を記録した歴史に残る名機。そんな機種が、中段チェリーを出玉増加機能である「バトルボーナス抽選のメイン役」に採用したため、一気に「中段チェリーはエラい」という風潮が再燃したのです。
本機の中段チェリーはいわゆるプレミアム役ではなく、あくまでもバトルボーナスの抽選役という位置付け。しかし、中段チェリー→バトルボーナス当選→大連チャンという流れも多々あったため、その後も中段チェリーがアツい役であり続けたことに、大きく貢献したと言えるでしょう。
●5号機以降も中段チェリーが輝く
4号機から規則が大きく変わった5号機においても、中段チェリーの存在感は薄れませんでした。
その存在をプレイヤーに印象づけた機種のひとつとして、5号機初期のART機を代表する『パチスロ 交響詩篇エウレカセブン』(サミー)が挙げられます。
この機種での中段チェリーは、出現確率1/2048、恩恵はBIG or ART突入と、強力な出玉トリガーではありませんでした。しかし、機種の圧倒的な人気に加え、演出なしでいきなりズドンと停止するインパクトもあり、中段チェリーをレア役における主役として輝かせるのに貢献しました。
ここまで中段チェリーの確率や歴史を紹介してきましたが、そもそもパチスロのリールに描かれた絵柄が、「どうしてチェリーやスイカ、プラムといったフルーツなんだ?」と思ったことはありませんか?
まず大前提として、日本におけるパチスロはカジノの本場、アメリカのスロットマシンをアレンジして作られたモノ。そのルーツは戦後、進駐軍によって日本に持ち込まれたスロットマシンであると言われています。
そのスロットマシンには、チェリーやベル、スイカといった絵柄がすでに採用されていました。日本のメーカーがパチスロ機を開発する際にも、それらフルーツの絵柄が使用され、その伝統が現在まで続いているのです。
ではそもそも、アメリカのスロットマシンが、なぜフルーツの絵柄を採用していたのか、という話になるのですが、これは「ギャンブル用の機械であるとの指摘」を避けるため、ガムなどの自動販売機に見えるよう、フルーツの絵柄を取り入れたという説があります(諸説あり)。
ただし、フルーツの中でもなぜチェリーやスイカ、プラムが選ばれたのか…という点は、もはや確かめる術がないようです。もし同じ理由で最初に開発したのが日本であったなら、ミカンや柿、梨などになっていたかもしれませんね(笑)。
この項では、明日から話のネタに使える(?)中段チェリーに関するトピックをご紹介しましょう。
●2枚役からリプレイに!?
5号機の初期までは、中段チェリーは「2枚役」と相場が決まっていました。ところが、5号機中期以降は、中段ラインが無効となる変則ラインを採用する機種も増え、「見た目は中段チェリーだが中身はリプレイフラグ」といった機種も多くなっています。
●一緒に何かが揃うことも!?
中段チェリーは基本的に、順押しで停止すれば残りのリールの停止型は不問であることがほとんどです。しかし、『沖ドキ!2-30』(アクロス)のように、狙えば一緒にボーナス絵柄が揃う機種もあります。
スマホで記念撮影をする際など、パチスロプレイヤーたるもの(?)見た目にもこだわりたいところ。中・右リールの停止形に気を配ってみるのもいいでしょう。
●ジャグラーシリーズの中段チェリー
2007年の『アイムジャグラーEX』以来、今でもパチスロシーンの中心にあり続ける北電子の『ジャグラー』シリーズ。角チェリーで「GOGO!ランプ」が点灯する可能性があるためチェリーのイメージは強いですが、中段チェリーのイメージはさほど…、という方も多いのではないでしょうか。これは『ジャグラー』シリーズで、そもそも中段チェリーが停止する機種が限られているためと考えられます。
ですが、『マイジャグラー』シリーズの4機種や、『ミラクルジャグラー』シリーズの2機種、さらに6号機第1弾である『アイムジャグラーEX』でも、中段チェリーが停止した場合はすべて「BIG濃厚」となっています。『ジャグラー』シリーズにおいても中段チェリーは特別扱い、というわけですね。
●「中段」ではなく「最強」!
5号機中期までのパチスロ界を支えた『押忍!番長2』(大都技研)。実は本機は、中段チェリーの固有名詞化を普及させた1台とも言えます。
本機の中段チェリーは“最強チェリー”という固有名詞で、通常時ならBIGが、ART中なら上乗せが濃厚となります。その機種独特の名称を用いることで、プレミアム感がさらにアップしているのです。
出現率は低いながらも、見た目のインパクトと出現後の恩恵によって、多くのプレイヤーを魅了する中段チェリー。
6.1号機時代に突入するなど、パチスロ界全体が変動し続けていても、引き続きプレミアム役としての役割を担っていくことでしょう。
今日も明日も明後日も、ただひたすらに中段チェリーを求めてレバーを叩く。これもまたパチスロの楽しみ方の1つですよね。本記事を読んだ後は、ホールでズバッと中段チェリーを停止させ、その興奮を味わってください!
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