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余暇進が依存問題をテーマに部会開催、ワンデーポート中村努氏が講演

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2025/03/04

余暇進は2月28日、東京都千代田区の貸会議室「朝日ビル」およびオンラインにて理事会・部会を開催した。約70名が参加した部会では、のめり込み・依存問題をテーマに、我が国初のギャンブル依存に問題がある人の回復支援施設として知られる「認定NPO法人ワンデーポート」の中村努施設長が「遊びの効用 ~依存問題に25年間向きあって~」と題した講演を行った。

講演では、中村氏が25年間にわたって続けてきた支援活動の経験談が示された。ギャンブルをきっかけに依存問題が表面化する場合でも、当事者の身体的健康、精神的健康、社会的健康が深く関与しているという。

さらに中村氏は、自身が委員として参画している政府のギャンブル等依存症対策関係者会議についても言及した。政府は当初からギャンブル依存症を病気と定義し、治療を要するものとして限定した政策を推進しているが、これに関して医学的根拠が十分ではなく、現状と合致していないと批判した。そのうえで、政府方針に追従するような「ギャンブルそのものが悪」という報道や社会の偏見が生まれやすい構図にも懸念を示した。

ワンデーポートでは2012年から「暮らし、仕事、余暇」の充実を支援の指針として掲げ、その人に合った社会参加や就労、暮らしのサポートを行ってきた。現在は畑作業やマラソンなどに取り組み、運動による心身の健康回復を重視している。中村氏は「運動する気持ち良さや達成感が人生の充実につながり、問題行動の予防となる」と強調し、「一方的に指示される形ではストレスや逆効果につながる。当事者自身が『余暇を楽しむ』という感覚を得ることが重要だ」と語った。

ギャンブル依存に問題がある人の特徴としては、ストレスにより問題行動を起こすケースがあるほか、身体的・精神的な課題を抱えているにもかかわらず見過ごされている場合が多いという。特に社会で働いていた人の中には「遊ぶことが苦手」である点が共通しているとの指摘があった。

講演のまとめとしては、歴史学者ヨハン・ホイジンガ氏やロジェ・カイヨワ氏の著書を引き合いに出し、暮らし・仕事・余暇をバランス良く回してこそ人生は充実すると説いた。健康的な生活を送るためには余暇の充実が欠かせず、依存からの回復や予防において「適切な遊び」の果たす役割は非常に大きいという。今後は当事者が主体的に余暇を楽しむサポートが、より一層重要になると考えられる。

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