パチンコホール企業が過去10年で半減 長期的な淘汰の流れ続く【音声解説あり】
帝国データバンクはこのほど、「パチンコホール経営法人の実態調査(2024年)」を公表した。これによると、2024年時点でのパチンコホール企業(同社のデータベースに登録のあるホール企業数)は1,201社となり、前年比10.1%減の135社減少。2015年比では実に54.1%減となるなど、長期的な淘汰の
2025-06-13
パチンコ・パチスロ業界ニュース
2025/06/23
業界に人材を輩出する教育機関として、20年目の節目を迎えたG&Eビジネススクール。三木田弘道社長(エグゼクティブインストラクター兼任)に同スクールの歩みと現在、注力するホール幹部向けの研修事業に懸ける想いを聞いた。
PROFILE●1976年生まれ。奈良県出身。1999年、大阪産業大学を卒業し、同年、フィールズ㈱へ入社。営業職などを経て、2024年6月にジー・アンド・イー㈱の代表取締役社長に就任。座右の銘は「明るく、楽しく、元気よく」。趣味はゴルフ、パチンコ。
それは、業界の“常識”に挑んだ教育機関だった。
長らくパチンコ業界には、体系的な学びの場が存在しなかった。遊技機の開発もホール営業も、現場での“見よう見まね”が暗黙のルール。だが、それで人は本当に育つのか。
2005年、その問いに真正面から向き合ったのがG&Eビジネススクール(運営:ジー・アンド・イー㈱)だ。遊技機メーカーなどが出資して誕生した同校は、“業界初の専門スクール”という未踏の地を切り拓いた。
開校から20年、卒業生は3,000人を超えた。遊技機メーカーや開発会社、ホールへと羽ばたいた彼らは、いまや業界の第一線を担うプロフェッショナルだ。だが、そうした実績の裏側にもう一つの大きな使命がある。それが、ホール関係者の人材育成。この使命を胸に、同社を率いるのが三木田弘道社長である。
パチスロとの出会いは、大学入学式の日にさかのぼる。初めてできた友人がパチプロで、興味半分にホールへ同行した。ホールの熱気とリールを目で追う高揚感に、「何かイケナイことをしているのでは」という背徳感さえ混じり、強烈な刺激を受けた。
それ以来、学生生活は一変する。ほぼ毎日ホールに通い、アルバイトもパチンコホールというパチンコ漬けの学生生活を送った。
就職活動では不動産会社などから内定を得ていたが、運命の転機が訪れる。友人の付き添いで出向いた就職フェアで某パチスロ機を見つけ、思わず試打。そのブースを出展していたのがフィールズ(当時・東洋商事)だった。担当者から「多数のメーカーの遊技機を販売し、ホールプロデュースにも注力している」と聞き、フィールズへの入社を決意した。
1999年4月、営業職として大阪支店へ配属。しかし当時の関西圏で同社の知名度は低く、飛び込み営業では名刺を破られることもあった。
それでも、4号機ブームの追い風もあり、社名をフィールズへ改めた同社の存在感は高まり、自身もホール経営者との信頼を深めていく。
兵庫県の小規模ホール再生案件は、その象徴的な成功例だ。稼働低迷に苦しむホール(併設店)に、三木田社長はパチスロ専門店への移行と2階部分を全台北斗にリニューアルという大胆な提案を行った。当時『北斗』は全国的に争奪戦が繰り広げられる超人気機種。だが、人格者として知られていたそのホール社長は若手時代から面倒を見ていたメーカー営業マンへ直接掛け合い、希望台数を確保。リニューアル後、稼働は県内トップクラスへ急伸した。「人柄と信義が商売を動かす」、この経験は、三木田社長の経営観に深く刻まれた。
営業として約10年を過ごした後、G&Eビジネススクールを運営するジー・アンド・イー㈱へ出向する。三木田社長が「最も尊敬する人物」という、当時校長だった吉田永氏(現フィールズ代表取締役社長)から学びの重要性と事前準備の徹底を叩き込まれ、「常にアンテナを張る」姿勢が研修講師としての礎となった。
また、三木田社長には一貫した信条がある。「明るく、楽しく、元気よく」。周囲から「悩みはないの?」と問われることが最大の褒め言葉だ。常に前向きな姿勢は、組織全体に浸透させたい空気づくりの核でもある。
その信条のもと、2024年6月、同社の社長に就任。現在は、ホール企業の幹部向け研修事業を主に担当し、年間70~80回、およそ500人もの店長・幹部と向き合う。
現場叩き上げの店長が多いこの業界では、体系的な学習機会が乏しく、それが企業全体の離職率の高さにも直結する。
ホールは「究極のサービス業」だ。他業界にはない市場変化のスピードへの対応と顧客満足度100%にならないことが前提で、答えのない運営を任される店長の役割は大きい。
店長の使命は「数字をつくる」「組織を育てる」の2つ。そのうち育成面を、徹底した基礎教育で支援する。基礎あっての応用であり、変化の激しい中でも柔軟に対応できるからだ。
「1日で数千万円を動かす究極のサービス業で結果を出す、こんなダイナミックで面白く難しい仕事は他にありません。しかし、この重責を担い、部下を育成して組織を引っ張り憧れられる店長はまだまだ少ないと感じています。だからこそ、店長自身が学ぶことを率先し、基礎を鍛え、価値を高め、堂々と胸を張り憧れられる存在になるサポートを継続していきたいです」。
業界の未来を担う“現場の司令塔”の可能性を信じ、育て、輝かせる――。業界に“基礎力”という種を蒔く人がいる限り、その地層は、ゆっくりとだが、確実に耕されていくだろう。
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パチンコホール企業が過去10年で半減 長期的な淘汰の流れ続く【音声解説あり】
帝国データバンクはこのほど、「パチンコホール経営法人の実態調査(2024年)」を公表した。これによると、2024年時点でのパチンコホール企業(同社のデータベースに登録のあるホール企業数)は1,201社となり、前年比10.1%減の135社減少。2015年比では実に54.1%減となるなど、長期的な淘汰の
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