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2026-10-16
パチンコ・パチスロ業界ニュース
2026/03/19
今年1月、インフォマートの代表取締役社長に就任した木村氏。米卸を営む家業を原点に、食とITを結ぶ道を歩んできた。その歩みはデジタルで未来を支える挑戦へと進化している。

きむら しん
1976年7月生まれ、東京都出身。慶應義塾大学商学部卒。㈱菱食(現:三菱食品)、ディーコープ㈱を経て、2007年インフォマート入社。事業推進第1部部長、事業推進・経営戦略部門執行役員、代表取締役副社長などを経て、2026年1月より代表取締役社長に就任。最近の趣味はピックルボール。好きな言葉は「逃げるか、戦うか」(どちらを選択するか考えることが大事)。
木村氏が今、インフォマートのトップという職責にあるのは、家業との深い結びつきがある。
「家業は代々続く米の卸です。米は相場があるため株取引を行ったり、余った米を飼料にしたり、幅広く展開できます。父は飼料の関連でブロイラー事業を営んでいました」。
親族が集まると、自然と商売の話が飛び交う。米の相場、流通、鶏の肥育や加工、卸先の話題。子どもながらに「食」が産業として動いている現場を肌で感じて育った経験は、後の進路選択に確かな影響を与えた。
学生時代は、ゼロから組織を動かす経験を積んだ。高校は新設校で、テニス部を立ち上げた。コート探しからコーチの招聘、他校への挨拶、役割分担。すべてを自分たちで設計し、動かしていく。大学ではテニスサークルの本部運営に携わり、大会運営資金を確保するため企業スポンサーを開拓。名刺を持ち、スーツ姿で企業を訪ねるなど、法人営業を経験した。学生の立場でありながら、企業と向き合い、信頼を積み重ねる経験が、その後の営業やパートナー構築の礎となっている。

親族が集うと自然と商売の話になったという木村家。
大学卒業後に進んだのは大手食品総合商社だった。「食の流れを知りたい」という思いからである。だが数年後、IT業界の躍動に強く惹かれ、ソフトバンクグループに移った。そこで、再生案件や間接材のコンサルティングに携わる際、飲食店や旅館の支出データが同じ形式で出力されていることに気づく。
「旅館の支出データを見ていると、飲食関係のデータが、全部同じ配列で並んでいたんです。あれ、なんでこんなに同じなんだろうと。調べてみると、インフォマートの仕組みだったんです。そこで初めて、食の業界はこうやって裏側でつながっているんだと分かったんです」。
かねてから抱いていた「食とITを結びつけたい」という想いが、具体的な形を持った瞬間だった。それが、インフォマートとの出会いである。
インフォマートは、企業間の受発注や請求書をデジタルでつなぐプラットフォームを展開している。なかでも祖業に近いのが、フード業界向けの受発注システムだ。
同社に入社後、木村氏はそのフード事業の拡大に携わった。全国の飲食店や卸業者を訪ね、受発注システムの導入支援を行い、既存の基幹システムとの連携を進めた。単にシステムを売るのではなく、現場が使い続けられる仕組みとして定着させることに力を注いだ。2015年には電子請求書サービスの立ち上げにも関与し、銀行や代理店とのパートナー網を構築。フード業界以外にもデジタル化を推し進めた。
強く印象に残っていることが2つあるという。1つがコカ・コーライーストジャパン(現:コカ・コーラボトラーズジャパン)との取引開始だ。大手企業との連携は、自社の仕組みが業界の基幹企業にも通用することを示した。
そして、もう1つがパチンコ業界とのつながりだった。
きっかけは、フィールズが請求書の圧着ハガキの郵送代行業者を探していたことだった。銀行を通じて紹介されたのがインフォマートだった。
フィールズの電子請求書サービスの導入をきっかけに、全国のパチンコホールとの直接的な接点も増えていった。全国のホールを回り、説明を重ねる地道な活動。その積み重ねが、パチンコ業界におけるインフォマートの基盤を築いた。
そして今年1月、代表取締役社長に就任。掲げるテーマは「無理のないデジタル化」だ。紙やメールを否定するのではなく、最終的に明細レベルのデータが自然と残る仕組みを整えることを重視する。
「いつ、どこで、何を、いくつ取引したのか。データは細かいほど将来の判断材料になります。明細までデジタル化されてこそ、本来の価値が生まれるのです」。
デジタル化は単なる効率化ではない。データを活かせる状態をつくってこそ、その先にAIによる分析や未来予測があると考えている。
「パチンコ業界の皆さまにも、まずはデジタル化の一歩を踏み出してほしいですね。難しく考える必要はありません。自然と明細データが残る環境を整えることが、将来の大きな差になります」。
デジタルは目的ではなく、選択の質を高めるための基盤である。食の現場から始まった木村氏の挑戦は、あらゆる産業の未来を支える仕組みづくりへと続いている。

幼少期からテニスを嗜んできた木村社長が最近健康のために始めたのが「ピックルボール」。社内にチームを作り、他社との対抗戦に向けて特訓中!

株式会社インフォマート
本社/東京都港区湾岸1-2-3
汐留芝離宮ビルディング13階
【上場市場】東京証券取引所プライム市場
【設立】1998年2月
【事業内容】
BtoB(企業間電子商取引)プラットフォームの運営
【従業員数】
856名(連結)、828名(単体)
(2025年12月末現在)
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