【実戦企画】勝利の境界線　第8回

この回転率を守れば負けることはない…それがボーダーラインである。
ボーダーを1回転以上越える台を実戦し、理論値で勝てるのかを証明していく。
基本ルールだけでなく、止め打ちは保留4個止めなど最低限のみといったルールも加え、誰でも実行可能なルールでの実戦を敢行。
理論に基づいた立ち回りをすれば結果は必ずついてくる…。

誰もが興奮する瞬間というものは必ずあると思う。
今のメガネでいえば、数年ぶりに元カノから連絡がきた瞬間がそれにあたる。
嬉しさのあまり、返事の文章を考えるのに相当の時間がかかった…という話はともかく、パチンコ業界も今まさに、大きな盛り上がりの時期を迎えているのだ。
それは、新台のなかでもトップクラスの話題性を持つ『CR牙狼 魔戒ノ花』の導入が開始されたからである。
すべてのホールにいえることではないのだが、まだまだ優秀な稼働率を誇っている『CR牙狼 金色になれ』など、確かな実績を持つシリーズ機の最新作ともなれば、この注目度の高さも当然といえるだろう。
そして、期待されているということは、大事に扱われる…つまり、今回の実戦において必要な条件を満たす台が設置されている可能性も高まるというわけだ。

実戦の機種は『CR牙狼 魔戒ノ花』に決めたのだが、設置されているホールがあまりにも多い。
選びたい放題といった状況なので、思うがままに実戦をすることもできるが、ここは慎重な行動をとるのが得策。彼女にフラれるのも、だいたい勢いに任せて動いているときである…。

1店舗あたりに導入されている台数も多いため、事前のホール調査には時間がかかったものの、大型店でボーダー+1回転を越えそうな台をいくつかみつけられたので下準備も万全。
ここで、軍資金を調達して元カノと豪華なディナーにいく…今後の人生のプランも完璧だ。

実戦をおこなったホールは並び順で入場整理券を配布しており、この日は開店の1時間半前に着いたにも関わらず…整理券の番号は26番。
狙っていた台を確保できるかは微妙な番号ではあるが、これだけ早くからプレイヤーが集まっているのは大きな期待の現れに違いない。いや、そう思いたい。勝ちたい。

開店後は半数以上のプレイヤーが同じシマに向かっていたが、無事にお目当てとする台の確保に成功。
さっそく回転率を調べていくと、250玉で20回転。500玉で38回転。750玉で57回転…というか当たった。
まだ、トータルの回転数は少ないが、ボーダー+1回転以上をキープしつつ持ち玉も確保。元カノとも復縁できるのでは…と錯覚してしまうほどに展開は理想的だ。
あとは期待値ってやつを追い求めて、とにかく回すだけ！

持ち玉はすべて使い切ってしまったが、回転率はボーダー+1回転以上を維持。
250玉あたりの回転数にはムラがあるものの、勝利の境界線を越えているため同じ台で実戦を続行した。

しかし、通常時のトータル回転数が500回転を超えても、電チューのロング開放が1回もない。
回転率を計るため、データカウンターにばかり目を向けていて気付かなかったが、左側のスルーに玉がほとんど通っていなかったのだ。
商品のセールスポイントだけみせられて、買ったあとに悪い部分をみつけたような気分である。トータルではボーダー+1回転以上の回転率だから問題はないのだけれど…なんだか腑に落ちない。
今後は機種の基本仕様もしっかり覚えておきます…。

わかっている…MAXタイプがそう簡単に当たるものじゃないということはわかっている。回転率がボーダー+1回転以上となっているのだから、理論上は勝てるということもわかっている。
だが、確率の通りに初当りが獲得できない場合はどうしたらいいのだ…。
トータルの投資が10000玉を超えるころには回転数も1000を突破。
この状況であれば、とにかく回したほうがイイということを頭では理解できているのだが、気持ち的には正直、もうヤメたい…。

回転数だけみていると、どんどん辛くなっていくので演出に注目してみると、保留がないときや1個のときのアツい演出が発生する頻度が高い気がした（あくまで個人的な感想です）。
そのため、1回転あたりの変動秒数が長くなり、体感的にはすごく回っているように感じるので、回転率を気にする場合はしっかりとデータカウンターなどを確認しよう。
…余計なことを考えていれば、朝イチみたいに当たると思ったが、そんなことなかった。

この日の初当り2回目は、トータルの投資が15250玉で獲得。
前回、前々回と実戦では2回続けて同じような展開から出玉が伸びたので、今回も期待していたのだが、単発で時短もスルー…。
確変突入率だけみれば理論値通りとなったけれど、こんな確率の収束はいらないよ…。

そのあとも何も起こらず、獲得した出玉もすべてノマレところで実戦を終了。
ボーダーが甘いということに加えて、回転率も抜群と勝利に期待していただけに、この敗北は悔しい。
期待といえば、元カノからの返事もこないな…。

250玉あたりの回転数でも最低値と最高値に大きな差がでたが、125玉の単位でみるとさらにブレが激しかった。
今回の実戦では125玉で1回転ということがあったにも関わらず、平均でみるとボーダー+1回転以上の結果となっただけに、見切るタイミングは非常に難しいといえる。
まぁ、どれだけ回っていても、当たらないと気持ちは下がる一方なわけだが…。