令和の米騒動

　チビデブハゲと走攻守揃ったバカ亭主とチンポコばかりいじっていて言うことをまるで聞かないバカ息子のために朝昼晩と食事を作っている奥様ならご理解頂けるのではないでしょうか。本当は食事なんか作りたくない、できることなら朝昼晩すべて外食で済ませたい、大好きなロースカツを致死量食べたいという私の気持ちを。

※御徒町ぽん多のロースカツなら致死量食べて死んでもいいと思っています。

　そう、自炊は仕方なくしているのです。明日はうかい亭、明後日はカンテサンス、明々後日はキッチンダイブといった具合に毎日外食したいのに、それをやると破産するから仕方なく、本当に仕方なく自炊しているのです。それ故、自炊に関しては美味いとか不味いとか惜しいとか脱法ハーブが足りないとか、そういうのは一切なし。単なる栄養補給であり咀嚼行為であり、端的に言うなら生きるため、死なないためにするものです。そもそも素人がどれだけ美味いものを作れると言っても一流の料理人が作るそれには到底敵わないわけですから。

※一流の料理人が作るチキン弁当にかなうものなし。中武先輩も大好きです。

　私塾長の一人暮らしはかれこれもう8年になろうとしています。とりわけ、コロナ以降は頻繁に自炊していることもあり、凝ったものでなければ大概は作れるようになりましたし、味のほうも悪くないというか、多分ハーデスの設定2くらいはあるように思うのですが、セブ島に滞在していたひと月、まったく料理をしなかったからでしょう。色々と忘れてしまったようで、先週、少年に豚のしょうが焼きを振舞ったところ「クッソ不味い」と。クソ不味いでなくクッソ不味いと言われてしまいました。私がウィル・スミスだったら大ビンタです。

「特にコメがクッソ不味い」

　それは私でなくコメの品質に問題があるのではないか。そう言おうと思ったのですが、コメは買ったばかりの新しいものだし、なんなら少しお高いブランド米だし、品質に問題があるというのは少し違う気がしたので、なにがいけなかったのか。暫く考えていたのですが、コメ袋に書かれていた文字を見てその答えが分かりました。

　コメは炊く前に洗う。なにもかもすっかり忘れていた私にとって、この基本中の基本はまさに青天の霹靂でした。