「7」について考える(2)
記事一覧へ公開日: 2015/05/24
↑エスビー食品(株)の公式ウェブサイトから引用した画像(赤い矢印は名波アマが加筆)。NANAMI(ななみ)の文字が見られます。
これは表記ミスではありません。エスビー食品が海外向けに製造している『七味唐からし(シチミトウカラシ)』については、『一味唐からし(イチミトウカラシ)』と発音が似ていて紛らわしいからという理由で、あえて『ナナミトウガラシ』と読ませるように変えて輸出してるんだそうです。
へぇへぇへぇへぇ
4へぇ。
さて、半月ほど前から当コーナーで考え続けている疑問。
「7」という数(字)がラッキーだ、縁起が良い、と考えられがちなのはナゼか?
その根源的な理由は?
英語圏を中心とする西洋発祥の考え方だ、ってのはホントなの?
いろいろ調べれば調べるほど、出てきちゃうんですよね~
諸説
ってやつが。
すぐには答えが出ないかもしれませんが、「七」「7」という数(字)にまつわる色んなことを調べていくうちに、ボンヤリとでもいいから、なにかが浮き彫りになってくれればいいなあと思いながら話を進めます。
◎七味唐辛子は、六味とか八味じゃダメなの??「七」にこだわっているのはナゼ?
一味唐辛子の原材料は赤い唐辛子の一種類だけ。これは誰でも知ってると思うんですけど、七味唐辛子の中身は?六味とか八味じゃダメなの?ってことになると、調べてみないと分かりませんよね。
まず、七味唐辛子の原材料についてですが、「絶対にこの7種類じゃなければダメ」というものは決まってないんだそうです。
さきほど紹介したエスビー食品の「七味唐からし」の場合だと
・赤唐辛子
・山椒(さんしょう)
・陳皮(ちんぴ=ミカンの皮)
・青のり
・黒ごま
・麻の実
・けしの実(あんパンにかかってる細か~い白いツブでおなじみ)
この7種類で構成されているとのこと。※ただし海外向けの「ナナミ唐がらし」については「麻の実」と「けしの実」の代わりに「白ごま」「しょうが」を入れてるんだそうです。
さらに、五味とか六味とか八味じゃダメなのかという疑問について。これは残念ながらWikipediaで調べても、さっぱり分かりませんでした。書いてないんです。
これはどうしたものかと、七味唐辛子の元祖(江戸時代初期)といわれている東京の老舗「やげん堀・中島商店」の公式ウェブサイトを見てみたんですが、こちらにも理由はハッキリと書いてありません。…が、一部のページで「七色(なないろ)」というキーワードを発見しましたので、そこらへんに何か秘密がありそうです。
先ほど例に挙げたように七味唐辛子の7種類の原材料のチョイスは、基本的に自由です。漢方薬としての効能を考えて、特定の原材料だけを多く配合する場合もあるようです。
つまりは
種類と分量を自由自在に配合できる
ってのが七味唐辛子の特徴と言えるのではないでしょうか。一味唐辛子との大きな違いですね。
そこで次に、なないろ【七色】という言葉について調べてみると…その意味は――いろいろな種類、多くの種類。(用例)七色の声を使いわける。
なるほど。種類が多くてフレキシブルなイメージを表す言葉としては五色でも六色でも八色でもなく、やはり七色(なないろ)でなければダメだということになりそうです。
ということは、仮に少し多めの8種類の原材料が入っていたとしても、それは八味唐辛子ではなく七味唐辛子だと考えてオッケーということにもなりそうですね。
「七色の香辛料」=「七味唐辛子」ということです。
※Wikipediaには「江戸・東京では七色唐辛子である」と書かれていますが、七味唐辛子の元祖、東京の「やげん堀・中島商店」で売られている商品の名前は普通に七味唐辛子なので、これはWikipediaの書き方が良くないですね。
というわけで、どこにもハッキリとは書いてないので勝手な推測になってしまいますが、七味唐辛子の「七」は…
縁起の良い数(字)だからとかラッキーな数(字)だからということではなく、
自由自在なイメージや、複数の原材料を配合している漢方薬のような効能を有しているイメージを表現するために使われている
と考えるのが自然なのかな、と思います。
それにしても、六味とか八味じゃなく七味なのはナゼ?っていうのは、けっこう大事な部分だと思うんですけどね。
東京・長野・京都の日本三大七味唐辛子に数えられる老舗のHPを見ても、まったく書かれてないんですよ。とても立派で丁寧に作られているHPなのに。不思議です。
長くなってしまいましたので、つづきは、またの機会に。
ライター・タレントランキング