コピー打法事件
記事一覧へ公開日: 2020/08/30
「パチスロひとり旅Classic」です。
4号機時代の古い日記ノートを押し入れの奥から引っ張り出してきて、その内容をダラダラと紹介している当シリーズですけれども。
今回はパチスロ史に残る大事件についてお伝えすることになります。
当事者メーカーにとっては黒歴史とも言え、あまり掘り返されたくないミスだったかもしれません。
CM明け、ボクが座っていたイスにクマのぬいぐるみが置かれていないことを祈りたいと思います。
2001年10月1日(月曜)
午前9:01
1分遅刻で愛知県一宮市のZ店(7枚交換)に到着。
まずはハナハナ30のリセットモーニング狙いをする。
Z店のハナハナ30は「スイカver.」と呼ばれるものでした。
通常時、ほとんどBIGボーナスの抽選をしておらず、小役もほとんど出現しません。回せるのは千円20ゲーム前後です。
ボーナスの抽選をしてくれるゾーン(突入率に設定差アリ)に突入すると、急にスイカが出現し始めます。
「スイカ出現=連チャンゾーン突入(滞在)」のサインとなるため、第1停止で左リールにスイカが現れただけで血圧上昇。
つまり、通常時はハイビスカスが光るのを待つのではなく「スイカ待ち」みたいな感じになります。
おっと。
今回はハナハナ30の話がメインではありません。
これぐらいにしておきます。
モーニング狙い失敗。
(-)1万2000円
苦し紛れにコンチ4Xを打つも手応え微妙。
(-)1万8000円
そしてお昼過ぎ。
1回転目にブルった大花火を深追いしているときにケータイ電話が鳴る。
某氏「おつかれさまです。ところで名波さん、今日で終わりそうなネタなんですけど、サミー系のほとんどの機種で使える攻略法、知ってます?」
アマ「ぜんぜん知らんけど」
某氏「レバーをものすごくゆっくり操作すると、直前プレイと同一のフラグが立つんです」
アマ「はぁ???」
某氏「たとえば獣王で完全ハズレ目が出た直後にそれをやると、もう一回完全ハズレ目が出るから、AT抽選が2回受けられるんです」
アマ「それが本当なら大変なことだね」
その後も色んな人から電話がかかってきた。
東京の編者者やライターのほか、1回しか会ったことがない読者さんなどなど、色んな人から電話がかかってきたんですよ、このとき急に。
この攻略ネタ情報は、この日のお昼過ぎになって一気に全国に広まったことが分かります。
東京に住んでいる人たちは「地方の状況が今どうなっているのか?」をボクに聞きたかったというのもあったようです。
情報をまとめると
■今日で対策されて終わりそう
■レバーの接触の良し悪しによって成功率に差が出る
■地域によっては既にシマ閉鎖済み
う~ん。
過去にもいくつかあった「本物の攻略法」というものに全く縁がなかったワタシ。
「最終日」とはいえ、ついに経験するときが来たのか。
さきほど「一気に広まった」と書きましたが、そうは言っても、この時点で、ほとんどの一般プレイヤーはそんなこと知る由もなかったわけで。
パチスロライターという立場であったからこそ情報が寄せられ、すこし早く攻略法の存在を知ることができたのも事実。
現場で試してみることに罪悪感がありました。
かといって、知ってしまった以上、無視することもできず。
客の多いZ店ではなく、客の少ないホールに移動することにしました。
大花火はヤメ。
(+)1800円
岐阜県岐阜市のK店に移動。
客ゼロの獣王に座る。
15枚役が揃った次ゲームで、そろ~りとレバーを操作してみると
まったく同じ組み合わせの15枚役が揃った!
コイン持ちが大幅アップ。
ハズレ目が出た次ゲームで、そろ~りとレバーを操作してみると
またハズレ目が出た!
でもBIGボーナスがぜんぜん引けない。
1500ゲーム以上ノーBIG。
REGとサバチャン単発しか引けずギブ。
(-)3000円
獣王をあきらめて
ダブルチャレンジに着席。
通常時、ベルの押し順に正解して12枚役が揃った次ゲームで
そろ~りとレバーを操作してみると
また同じ押し順でベルが揃った!
コイン持ち大幅アップ。
しかしATもBIGも引けなかった。
ギブ。
(-)2000円
スロ専のM店に移動。
ハードボイルド2に座る。
ハードボイルド2はボーナスフラグをストックするので、ボーナスフラグが成立した次ゲームにコピー打法を実践すると、ボーナスフラグすらもコピーできてしまう(!)ということになります。
通常時、3択を当てて8枚役が揃った次ゲームにそろ~りとレバーを操作したら
まったく同じ組み合わせで8枚役が揃った!
コイン持ち大幅アップ。
BIG確定のリーチ目が出た次ゲームでそろ~りとレバーを操作してみたら…
またリーチ目が出た。けど、これは必ずしもボーナスをストックしたとは限らないよね??
普通に回してもリーチ目が出るもんね。
BIG消化後、AR抽選はハズレ。
そしてドッキドキの1ゲーム目…
人魚が飛び跳ねた!!
BIGボーナスをストックしていた!!
BIG消化中も15枚役が出現した次ゲームで
もう1回15枚役を出すことができるから獲得枚数がアップするし。
この「コピー打法」は、コピーできるのが1回だけという特徴がありました。無限にコピーできるわけではありません。
無限にできたとしたら、ハードボイルドのようなシステムの台では延々とボーナスが引けちゃうことになってしまいます。
しかしBIGボーナスのフラグが重すぎて
攻略法を使っても設定1より悪い出現率になってしまった。
AR抽選も8打数1安打でヒドイもんだし。
夜9:50
静かに撃沈…
(-)1万7000円
本日のトータル収支…
(-)5万_200円
どうせなら一刻も早くシマ閉鎖してほしい。
精神衛生上、ほかのプレイヤーと同じ条件で打ちたいし。
結果的に、攻略法そのものは本当で有効だったものの、その上乗せ効果を体感することができないまま終わってしまいました。
惨敗です。
(´・ω・`)
あと、獣王の場合は「プギャー!」みたいにハデな音の出るアツめの演出が2ゲーム続いてしまうなど、意外と目立ちます。
2001年10月2日(火曜)
午前9:01
今日も1分遅刻でZ店(7枚交換)。
ハナハナ30のリセットモーニング狙い失敗で5000円負けたあと、獣王のシマに行ってみたら
こっそりレバーが交換されていて、攻略法は使えなくしてあった。
ハードボイルド2とダブルチャレンジは電源が落とされていた。
なぜか獣王だけ速攻で「対策済みのレバー」に交換され、何事もなかったように普通に営業していました。
このことから、メーカーが内々に準備を整えていて、そのときがきたら(=攻略法の存在が一般のプレイヤーにバレたら)一気に作業を進める態勢を取っていたのではないかと推測する業界関係者もいました。
バレなければ、そのまま何もする必要ないですもんね。
が、真相は不明です。
そもそも、なぜこんな攻略法(コピー打法)が可能だったのか。
情報のウラは取れていませんが、当時のサミー系の筐体はレバーをゆ~っくり操作すると『「新たなフラグを取得するよりも前」にリールが始動してしまい、その際、「RAMに記録されている直前ゲームのフラグ」をそっくりそのまま参照してしまう不具合が発生』というのが定説になっています。
※正確な表現じゃないかもしれないけどドンマイ。
この攻略法が全国に広まる前に、いち早く情報を仕入れて動いた一部の軍団が爆勝ちした、なんて噂もありましたが、真偽についてボクは知りません。
レバーの交換やシマ閉鎖など素早い対策が取られたことにより、ホール側の損害はほとんどなかったか、軽微なもので済んだケースが多かったと思われます。
また、一部の人間によって意図的に仕込まれたものではなく、純粋に「機械の不具合」だったようです。
“クセの強い動作でレバーを叩いてボーナスを狙う”ってのは、まあまあ多くの人が冗談とかギャグで実践したり、頭の中で想像したりってことがあったかと思います。
しかし、短命に終わったとはいえ、それが本当に現場でデキた瞬間があったわけですからね。
すごいことですよね。
さて。
こちらは新潟県南魚沼市、国道17号沿いにあるパチスロゲームセンター。
2014年に訪問しました。
カラオケやダーツ、ビリヤードなども併設しています。
店内は4号機を中心に、3~5号機の名機がズラリ。
さまざまなバージョンの裏物も豊富です。
中には、レバーの部品を交換せず「コピー打法」が再現できるハードボイルド2もあったりなんかして。
本当にコピーできました。
果たして今(2020年8月)も営業しているのかどうか。
電話をかけてみたけど、誰も出ない…。
併設しているカラオケ店のほうに電話をしてみたら
「スロットですか? 今は、やってないですねー」
って。
_| ̄|○
残念でごわす。
もしも「ウチにあるよー」っていうゲーセンがありましたら、ご一報ください。ここで紹介させていただきます。
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