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スロカイザー

1番になりたくて

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公開日: 2021/08/09

 

男として生まれたからには、誰だって一度は“地上最強”を志す――。

 

もちろん、私も例外ではなく、幼少の頃から炭酸抜きのコーラを愛飲して、幻想カマキリと脳内死闘を繰り広げ、二重の極めの練習を何度もしたものだ。

 

おかげでパチスロ必勝本一、いや、パチスロ業界一の強靭な体を手に入れたと自称できるようになった。だが、そんな私でも歳には勝てず、年々、己の劣化を感じざるを得ない。

 

たとえば、餃子の王将。

 

 

昔なら私なら餃子定食(餃子2人前+ライス+スープ+漬物など)をペロリと平らげることができたが、今ではキツい。餃子を1.5人前ぐらい食べたところで、胃が情けない悲鳴を上げる。

 

たとえば、仮面。

 

 

昔なら何も臆さずにかぶっていたが、今では仮面の下に冷えピタシートを張らないとやってられない。とくに夏は無理だ。

 

そんな老いに老いた私はもう最強を目指すことはできないのだろうか。答えは否、諦めたらそこで試合終了…逆にいえば諦めなければチャンスはいつまでもあるのだ。私のパチ・スロ生涯収支はプリウスの新車が買えるほどマイナスだが、諦めなければ大逆転を起こしてプラスになる可能性は十分にある、それと同じだ。

 

もう一度、あの頃の気持ちを取り戻したい。もう一度、男の夢を追いかけたい。そんな強い意志を胸に抱いて、私は生きることにした。さようなら、何も目標を持たずにダラダラ生活する日々。

 

その決意から間もなく、ふらりとホールに入ると私の視界にとある機種が目に入った。今の私にうってつけの機種が目に入った。

 

 

世界でいちばん強くなりたいッッ!!!!

 

なんてストレートなタイトルだ。こんなに男臭くて硬派な機種はいまだかつてあっただろうか。筐体を見た瞬間、脳内からエンドルフィンが分泌されたのを感じた。これぞ、男の中の男が挑むべき機種だと遺伝子レベルで判ることができた。私は迷わず着席してハンドルを力強く握った。ちなみに初打ちだ。

 

そして、打ち始めるや否や、

 

 

鍛え上げられた大胸筋が乱舞。

 

 

筋肉と筋肉がぶつかり合う。

 

見ているだけで、奮い立つ雄としての本能。たぎる闘争心。そそり立つ男魂。打感の良さは最高潮。もしかすると私はこの機種を打つために生まれてきたのかもしれない、そう思うほどの相性の良さを感じ取れた。

 

 

その感じ取れた相性の良さは錯覚だった。

 

 

ストレートに遊タイムまでハマって泣くしかなかったが、遊タイムまで大ハマリできたのは不幸中の幸いだ。遊タイム(天井)手前で悪魔が微笑まなくて本当に良かった。

 

このRUSHは

 

 

34連で終了。

 

連チャン期待度95%は伊達じゃない。途中、20連ぐらいの時に終わりかけたが、最後の最後で復活して耐えた。

 

この機種の初打ち感想を一言でいうと

 

 

「痛ぁ~い(目が)」

 

光量を調整できてミニマムにしても

 

 

痛ぁ~い(目が)

 

かなりの眩しさだった。

 

あと、「何が来れば当たるの⁉」とも思った。たまたまだったかもしれないが、遊タイムに突入するまで「激アツ」文字が出てハズレたのは何度起きたか。5大せかつよ予告

 

 

 

というのもあるらしいが、こちらも余裕でハズれた。

 

RUSH中は某大工が如くスピード感と爽快感があって面白いのだが、通常時がなかなかの強敵だった。

 

そんな強敵と長時間(約500回転)戦って、

 

 

見事に勝ちを収めた私は、地上最強に一歩近づいたかもしれない。

 

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