木村魚拓のガチ日記

クローゼットに山と眠っていたCDや雑誌を売りに出したのもあって、サンドにぶち込むお金はまだある。いくつかの雑事と仕事を諦めて、昨夜早い内にベッドに潜り込んだお陰で体力も気力もまだまだあるのだが、何かが足りない。ドル箱をアホほど積んで、泣きながら投資した分を慰謝料付けてそっくり返してもらうのに大切なものを、何かひとつだけ忘れているような気がしているところで絶好のチャンスが訪れた。

今時のパチスロやパチンコで告知されるチャンスとは「期待薄」を意味する。ハーデスでもボタン演出で「CHANCE」と出たらチャンス目か中段リプレイが関の山。当たりどころか、その足掛かりにすらなりそうにないものがペロッと出てくることがほとんどであり、勢いよくボタンを押した我々はチャンスと表示されたその瞬間に、そばを頼んだのにうどんが出てきたかのような、しかも誰が調理してもそうはマズくならぬはずのうどんが驚くほどマズかった時のような倦怠感に襲われるわけだが、今回のチャンスはそれとは違う。

6枚目の1万円札をサンドに投入した直後にスタート音が大きく遅れ、左リールを止めると液晶に「7」。これをチャンスと言わずとして何と言おう!!

いや、わかっている。「遅れ、液晶に7、左リール中段ゴッド」の組み合わせは、天国や天国準備といった高モード滞在中、それを示唆する演出として結構な割合で発生することは、先日喫茶店で頼んだポークカレーに、何を勘違いしたのか砂糖を小さじですくって入れようとしたバカな私も重々承知している。

しかし、モード昇格に期待できるチャンス役はしばらく引いていない上、それに何よりここ数十ゲームの液晶の動きは低確そのもの。何でもない数字や演出が淡々と上から下へ右から左へ流れていたとなると、液晶に停止している7が高モード示唆である可能性はほぼ0に近い。つまり、この7は本物である香りを存分に漂わせているわけだ。

系譜、即ちおよそ3年前に登場したミリオンゴッドにおいては、通常時にゴッドを引いた際の演出は遅れが最も選ばれやすかったが、さてハーデスではどうなのか。遅れの振り分けはそこまで高くないような気もするが、だからどうしたこの野郎。低確らしきところで発生した遅れ、この大チャンスを逃すようだと逆転劇など夢のまた夢である。

決めてやろうじゃねーか。中リール中段にゴッドをテンパイさせてやろうじゃねーか。コンチクショー、中段に黄7が止まった図が一瞬浮かんだじゃねーか。しかも振りかぶった指が若干震えてるじゃねーか。もういいや、あれこれ考えても仕方ない。えい、ままよと中リールを押すと、中段に停止したのは…。

ゴッドだった。それとわかった瞬間に全身の血が逆流し、人目はばからず力強いガッツポーズをしたその時、大切なことを思い出した。遅刻が許されぬ大事な打ち合わせまであと40分。ドル箱を積むために最も必要なもの、そうだ今の私には時間がなかったんだっけ…あうっ。