P真・牙狼
サンセイR&D
パチンコ・パチスロ特集
更新日: 2022/08/01
確変とはいわゆる略語で、正式には「確率変動」。つまり確率が変わるという意味で、大当り確率がアップして次回の大当りが容易に得られる状態のことです。
上の写真はDMMぱちタウンの機種情報ページです。大当り確率の項目の(高確率時)という箇所が、確変状態の大当り確率です。
一般的には大当り確率そのもののアップを示しますが、小当り確率(電チューや役物開放確率)のアップにより次回大当りを通常時よりも簡単に得られる場合を指すこともあります。
多くの機種では大当り確率が上がると同時に小当り確率も上がり、より効率よく次回大当りを得ることができます。
また、ほとんどの機種では、液晶やドラムなどのメインデジタルの色やサウンドが変化したり、「確変中」という表示が出たりして、確変状態であることをお知らせしてくれます。
その歴史は、パチンコの出玉関係をつかさどる内規という決まりの中で、1990年に確変というシステムが認められたことから始まります。
当初は小当りのみ対象だったものが大当りにも適用されるなど、これまで様々なルール変更はありましたが、P機主体の現在でも多くの機種に採用されるシステムとなっています。
確変中の大当り確率は規則によって、通常時の最大10倍アップまでと認められています。しかし、MAXまで引き上げる必要性はないため、高くするか低くするかは作り手の自由です。
また、大当り確率がアップした状態がいつまで続くかによってもゲーム性が変わります。
さらに電チューサポート(小当り確率アップによって電チューが開きやすくなり玉が減りにくくなる状態)、いわゆる電サポの有無と確変との組み合わせが機種の個性がバラエティに富む要因となっています。
続いては確変突入時の具体的なケースを挙げて解説していきます。
わかりやすく言うと、次回大当り獲得まで大当り確率がアップするタイプの確変です。代表的な機種は、海物語シリーズのミドルスペックでしょう。
『P大海物語4スペシャル』/三洋
一般的には、次回大当り獲得まで電サポが働くことがほとんどです。また、確変中はデジタル変動時間も短縮され、通常時に比べてより短い間隔で大当りを得ることができます。
確変状態の大当りが確変大当りだった場合、大当りの消化後に再度確変に突入します。確変が何度も続くことが出玉増のキーポイントになるわけです。
現行機種では次回大当りまでの確変しか認められていませんが、1990年代には、確変突入以降2回の大当りまで高確率状態となる、いわゆる2回ループ機と呼ばれる機種が多数登場しました。代表的な機種は、『CR花満開』『CR大工の源さん』です。
余談ですが、確変2回ループが認められていない現状でも、1種2種混合機によりそのスペックを再現した『Pツインループ花満開』『PA元祖大工の源さん』が登場しています。
STとは「スペシャルタイム」の略称で、こちらも確変の一種です。
ST機は、決められた回転数まで確変状態が継続する機種。例えば、ST100なら大当り後100回転まで高確率となり、この間に大当りすれば連チャンとなるわけです。『Pとある魔術の禁書目録JUA』などが該当します。
『Pとある魔術の禁書目録JUA』/JFJ
電サポ回数=確変状態となっている機種が多いのですが、中には最終4回転は電サポなし(電チュー残保留で消化する)や、さらにはSTの一部~大半が電サポなしとなるケースも。これによりゲーム性は多岐に及びます。
加えて、機種によってはST終了後に時短に突入する機種もありますが、その場合はより連チャン性が高まる一方、波が荒いマシンと言えるでしょう。
突然確変とは、大当りしたものの出玉がほぼ得られずに電サポ付きの高確率状態に突入するタイプです。
通常時から専用ムービーを介して突入する機種もあり、打ち手の支持を集め、トレンドとなりました。その大きな担い手が、エヴァシリーズの初代『CR新世紀エヴァンゲリオン』です。
また、電サポ中のバトル敗北で突然確変or突然時短に突入するといった『 CRぱちんこウルトラセブンL77』や『ぱちんこCR北斗の拳』などの、いわゆるバトルタイプの機種でも多く採用されました。
なお、2015年の内規改訂で初回大当り時の出玉の下限値が定められたため、以降は採用がグッと減りました。突確当選→出玉なしで抜け、がなくなったということは打ち手にとっても嬉しい事実なのですが……。
大当りしても出玉がほぼ得られずに高確率に移行するのは突然確変と同様なのですが、こちらは移行の際に電サポが付きません。そのため、確変状態であるにもかかわらず、次の大当りまで追加投資が続くことも多々あります。
機種によっては、アタッカーが高速で開閉し、潜確大当りと似た挙動を見せる小当りと絡めた「◯◯ゾーン」や「◯◯モード」などの演出を採用しているものもあります。
小当りは内部的に低確率状態のままですが、画面上の見た目では潜確と違いがないので、当初は「この台の内部状態は低確率なのか高確率なのか?」と打ち手を大いに悩ませたのです。
その後、セグ・ランプや特図表示から、当選直後のパターンに注目することで内部確率状態を見抜けるようになってからは、知識さえあれば潜確かどうか判別できるようになりました。
加えて2015年の内規改訂以降、「高確率状態」になった際の確変終了時は出玉獲得が必須となったため、事実上「出玉なし当たり→電サポなし確変状態&出玉なし当たりで確変終了」は禁じられ、潜伏確変搭載機の流行は終焉を迎えます。
とは言え、現行内規では「初当り+確変で出玉獲得→以降電サポなし」のケースは認められています。過去に登場or今後登場する機種問わず、出玉獲得の有無、両者共にその後の内部状態には注意しておきましょう。
大当り後、通常大当りに当選しない限り、規定の連チャン回数まで確変状態が続く機種です。大当り内訳に通常大当りが存在しない(=全てが確変大当り)場合は規定の上限まで必ず到達する、という仕組みとなります。
こうした状態を「大当り◯回ワンセット」と呼ぶこともあります。確変中に確変大当りに当選してもワンセット回数が加算されることはありません。
1996年に改訂された内規では、それまでの高いギャンブル性の機種が問題視され、確変規制(1回の確変突入時は計80ラウンドを超えないこと=大当りリミッターにより連チャン終了)が設けられていました。
当時の規定では、確変連チャンが最大5回で終了というものでした。加えて、確変終了後の時短搭載もNGだったため、どんなに夢を描いても5連チャンが天井だったのです。
そのため、大当りリミッターという存在にマイナスイメージを抱くファンも少なくありませんでした。
しかし、2002年の内規改訂以降、確変終了後も時短引き戻しが望めるようになりました。初当り獲得時の一撃性に加え、リミッター到達後もさらなる連チャンが期待できるため、今でも根強いファンが多いスペックとなっています。
2019年にはさらに内規が改訂され、初当りの種類に応じて「5回ワンセット」や「9回ワンセット」の様に2つのリミッターを搭載することもOKになりました。今後、2種類のリミッターを搭載した機種が実際に登場するかもしれません。
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ループ式確変とST、両者を採用している機種の違いとは何でしょうか?
ループ式確変機は、確変終了の条件が通常大当り当選となるので、初回大当り(確変)+終了大当り(通常)と、最低2連チャンが保証されます。一方で、出玉率の関係上ミドルスペックではST機に比べて連チャン率=確変割合が低くされがちです。
稀に確変割合の高いループ式確変機もありますが、初回大当りや連チャン終了時大当りの出玉が少なく設定されているケースが多くなっています。
ST機は、確変終了の条件が規定回転数消化となり、この場合出玉は得られません。ST突入率100%のマシンで初当り~STスルーとなった場合は初回大当り分のみの出玉となります。
また、ST突入率および大当り時のST継続率が100%以下のマシンでは、通常大当り当選でも確変が終了しますが、この場合は通常大当りの出玉(突然時短除く)が得られます。と言ってもSTをスルーする可能性もあり、出玉が安定しない点はST突入率100%の機種と同様です。
突然確変や潜伏確変とSTが結び付いたスペックでは、さらに連チャン時の出玉が安定しない仕様と言えるでしょう。
ただし、終了時の出玉が安定しないことが影響してか、ループ式確変機に比べてST連チャン率は高く設定されていることが多いのも特徴です。
また、ヘソ当選時の確変割合が低めに設定され、通常大当り消化後の時短引き戻し(=電チュー当選)でST突入となる、いわゆる「時短突破型」はさらにST連チャン率が高い傾向にあります。『P真・牙狼』はその典型例と言えるでしょう。
『P真・牙狼』/サンセイR&D
ここまで確変を説明してきました。では、時短とはどういう状態を示すのでしょうか?
時短も略語であり、「時間短縮」が正式名称です。
時短中は、デジタル変動時間が通常時よりも短縮されて高速化します。また、小当り確率のアップと変動時間の短縮に加えて、電チューの開放時間が延長する電サポが発動することで、玉を減らさず大当りを狙える区間となります。
以前は大当り消化後の時短回転数の上限が100回転でしたが、2019年12月の内規改訂以降、2020年に登場した機種からは100回転を超えた時短を搭載することができるようになりました。
確変機、いわゆるデジパチの場合、確変とは違って時短中は大当り確率が変動せず、通常時と同じ確率で大当り抽選が行われます。
ただ、最近人気がある1種2種混合機の場合、時短中の大当り確率が通常時と異なります。これは、時短中がいわゆる羽根物タイプでの遊技となり、V入賞すれば大当りとなるため。
通常時と時短中で大当り確率が変動するわけではなく、そもそも大当りの抽選方法が通常時と時短中では違うのです。
ちょっとややこしいですが、『Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア』を例に、具体的に解説しますね。
『シンフォギア』の大当り確率の「電サポ中図柄揃い確率」というのが、1種2種混合機の時短中大当り確率です。
通常時はスタートチャッカーに玉が入賞した時点で1/99で大当り抽選が行われ、当選すれば液晶で図柄が揃って大当りとなります。
対して時短中は、1/7.6の確率で液晶に図柄が揃い(小当りに当選)、その後V入賞が可能となるアタッカー解放でV入賞=大当りとなる仕組み。
見た目上はどちらも液晶で図柄が揃って大当りなのでややこしいですが、大当りまでのプロセスが異なるというわけです。
今、ご紹介した『シンフォギア』などの1種2種混合タイプの機種が流行る前は確変ループタイプとSTタイプの機種が主流でした。この手の機種は初当りまたは確変連チャンが終了する際に通常図柄が揃って時短に突入するという流れになっている機種が多いです(もちろん時短に突入しない機種もあり)。
時短中はさきほども言ったように通常時の確率で大当りを抽選していますが、大当り時の振り分けが優遇されていることが多く、そこからまた確変に突入して連チャンすることがあることからよく「引き戻し」という表現が使われています。
実際、スペック表やゲームフローなどに「引き戻し率○%!!」という記載がされているのを見たことがあると思います。では、この引き戻し率というのはどういう計算方法で算出しているのでしょうか。
先に結論から言うと「1-{(通常時の大当り確率-1)÷通常時の大当り確率^時短回数}=時短引き戻し率」という計算方法なります。「^時短回数」は時短回数乗という意味です。
この計算方法を紐解いていくと、「引けない可能性」を全て消していきます。「(通常時の大当り確率-1)÷通常時の大当り確率」は1回転あたりのハズレ確率になります。
その出た値から時短回数分ハズす確率乗をし、その算出された数値が「時短中に全てハズす確率」になっていることから、最後に1からその全てハズす確率を引けばOK。あとは分かりやすくパーセンテージにするには「×100」をすれば引き戻し率になります!
正直、今の説明だとわかりにくいと思いますので、具体的に『Pスーパー海物語 IN 沖縄5』で解説していきましょう。
本機は王道の確変ループのミドルタイプ。大当り確率は1/319.6で確変突入率は60%。初当りで確変非突入となった場合は時短100回となり、一旦確変に入って連チャン終了時に突入する時短は120回という機種です。
では、それぞれの時短回数別の引き戻し率を算出していきましょう。数式に当てはめるとこんな感じになります。
「1-{(319.6-1)÷319.6^100}=100回転の際の時短引き戻し率」
まず、「(319.6-1)÷319.6」の部分が1回転あたりのハズレ確率になり、「0.996871」と出ます。そこからその「0.996871」を100乗した値が100回転全てをハズす確率となります。「0.730971」といった数値になるはずです。それを1で引くとOK。
そして、「0.269029」といった数値が算出されたのでこれに100を掛けてパーセンテージを付け加えましょう。「26.9%」が引き戻し率ということになります。だいたい3.7回に1回程度、時短中に大当りを引ける計算です。
同様に120回転の引き戻し率は「1-{(319.6-1)÷319.6^120}=0.313437」となり、「31.34%」が引き戻し率ということになります。
この計算方式は実はST機の継続率にも当てはめることができます。「1-{(ST中の大当り確率-1)÷ST中の大当り確率^ST回数}で算出できます。要はST中に引けない確率を1で引けばいいってことですね。試しに計算してみるといいでしょう!
時短は多くの機種でそれと分かるように液晶などで表示されています。機種によって異なりますが、突入時は「○○タイム」や「○○ゾーン」などと表示され、残り回転数も液晶の隅にあるので通常時と違うことが見て取れるはずです。
機種によって時短の回数というのは変わってくるのでスペックを確認しながら打つようにしましょう。また、玉を減らすことなく次の大当りを狙えるので時短をみすみす捨てないように!
時短は玉を減らすことなく次の大当りを狙えるチャンスゾーン的な存在であると説明しました。しかし、ただ漫然と打ちっぱなしにしていると玉が減った記憶はないでしょうか。それは貯留できる保留と関係してきます。
パチンコは機種によって保留の貯留数が決まっていて、最大4個となる機種が多いです。なかには最大8個保留の機種もありますが、時短中は常にその保留がMAXになりやすいのです。
それは盤面の構造上、基本的に右打ち消化の時短中は玉が通りやすい位置に電チューを配置し、保留を常に保ちながら玉が減りにくい状況を作り出しているということになるからです。
しかし、保留の最大数が決まっているので、液晶などでリーチがかかったら、そのリーチ中は保留を消化しないことから、打ち出している玉が無駄になってしまうのです。しかも、昨今のパチンコは電チューに玉が入っても払い出される賞球数が「1個」になっている機種がザラなのでなおさらです。
ですから、そのリーチがかかっている間は玉の打ち出しをストップさせるという「止め打ち」をして無駄を極力なくすという打ち方があるのです。止め打ちに関しては以下のリンクで詳しく解説しているのでチェックしてみましょう。
⇒『パチンコの止め打ちとは? 勝ちに繋がるテクニックを解説!』
さらに、それまで時短は大当り消化後のみの機能だったのが、同じく2019年の内規改訂により、大当りせず一定回転数を消化することで発動する時短機能、いわゆる遊タイムが認められました。
遊タイムの電サポ回転数は「大当り確率分母の2.5倍~3倍の回数に限る」と決められています。例えば、大当り確率1/319.7の機種なら遊タイムの電サポ回転数は最大「800~959」の間なら搭載可能となるわけです。
また、これ以下の回転数に設定も可能で、「超高確率で大当りが望める」タイプから「パチスロの様な当たりのチャンスゾーン」タイプまでゲーム性の幅が広がったと言えます。
遊タイムについての詳細は、「遊タイム学習帳」をチェックするのがオススメです。
今回は、パチンコを打っていると当たり前のように出てくる確変と時短という用語について、掘り下げて説明してきました。
どちらも機種のゲーム性や爆発力を左右する、重要な機能です。
最近では2019年12月の内規改定をはじめ、度重なる規則の改定でかつての常識が様々な形に変化しています。改めてここで理解しておくと、機種の基本性能がより理解しやすくなるはずです。
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