P大工の源さん 超韋駄天
三洋
パチンコ・パチスロ特集
更新日: 2022/02/26
パチンコにおけるボーダー理論とは、「数学的な根拠に基づいたパチンコで勝つための攻略法」です。
この理論を理解するためには、まず大当り抽選の仕組みや期待出玉について知っておく必要性があります。
パチンコ機の大半は、完全確率方式によって大当りが抽選されています。
ここで重要となるのは“大当り確率”の捉え方。
例えば、大当り確率1/100の機種なら、100回転消化すれば必ず大当りが発生するわけではありません。
100回転よりも長いスパンで回転数を消化し、その抽選の積み重ねの平均値=大当り出現率が1/100となる、ということです。
この長いスパン、というのが大事であり曲者。大当り確率と大当り出現率がいつ一致するかは、正直わかりません。
一般的には「大当り100回が期待できる通常時回転数=大当り確率の分母×100を消化すれば、大当り確率と出現率の誤差は上下20%以内にほぼ収まる」と考えられています。
通常時に大当りするいわゆる“初当り”ですが、この初当り1回につき、大当りラウンド数やその後の連チャン期待値も含め、全て平均化した場合に獲得できるであろう玉数を“期待出玉”と呼びます。
ぱちタウンでは、機種ごとに大当り確率・賞球・平均大当りラウンド・平均連チャン継続率などの各種条件を用いて通常時10万回転のシミュレーションを実施。初当り1回あたりの期待出玉を算出して掲載しています。
▲『P大工の源さん 超韋駄天』の期待出玉
初当り確率と初当り1回分の期待出玉が判明すれば、ボーダーラインが算出できます。
具体的に、「初当り確率1/100で初当り1回分の期待出玉が1000個」を例に考えてみましょう。
等価(4.0円・25玉)交換での遊技で、初当り1回で期待できる金額は1000個×4.0円=4000円。
4000円分の玉で、初当り1回に期待できる回転数=初当り確率1/100の分母である100回転を消化できれば、打ち込み玉数と得られる玉数との増減がないチャラとなります。
つまり1000円あたりで必要なのは100(回転)÷4(千円)=25(回転)となり、この機種では1000円あたり25回転回れば、計算上の収支がプラスマイナスゼロになります。これがボーダーラインの回転数です。
そして初当り確率や期待出玉は機種ごとに異なるので、それぞれにボーダーラインがあるということを覚えておきましょう。
なお、ぱちタウンでは時間や交換率別のボーダーも掲載していますので、チェックし忘れないようにしましょう。
ぱちタウン含め、多くのパチンコメディアには機種ごとにボーダーラインが掲載されています。
そこには交換率ごとに「●●回」といった数字が並んでいます。
下写真は、ぱちタウンの『P真・花の慶次3』機種ページに掲載されているボーダーライン。
これを、4円パチンコと1円パチンコでどういうふうにチェックすれば良いかを解説しましょう。
ぱちタウンの4円パチンコにおけるボーダーラインは「250個あたりの回転率」となっています。
250個、つまり1000円あたりでどれだけ回るか、実際の台と回転率を比べることが必要。
上写真で挙げた例では4.0円(等価)交換なら、ボーダーラインは「17.4回」。
つまり、1000円=250個を打ち込んで消化できたデジタル回転が17.4を上回っていれば、ボーダーラインより高いプラスが見込める台ということ。
プレイしている交換率が等価交換以外なら、その数値に応じた欄をチェックしましょう。
しかし、1000円だけでボーダーラインよりも上か下かを見切るのは早計。ある程度打ち込んでからの回転率で判断したいところ。当企画ページの後述部分でも注意点を解説しているので併せてご覧ください。
ぱちタウンの1円パチンコにおけるボーダーラインは「200個あたりの回転率」となっています。
多くの1パチコーナーでは、現金を投資する玉貸し時にボタンを1回PUSHすると200個ぶんの玉が得られることから、この目安になっています。上写真の例なら「13.9回」。
もちろん、1000円で借りることのできる玉数は4パチよりも多くなりますから、1000円あたりの回転数も増えることには注意しておきましょう。上写真の例なら13.9×5で1000円あたりの貸し玉分となるため、1000円あたりのボーダーラインは「69.5回」となります。
4パチ・1パチ共にプラスが期待できる目安となるボーダーラインが記載されていますが、これは想定している期待出玉が獲得できるとした前提があってこそ。
もし1度の大当りで得られる出玉が少ない機種ならボーダーラインはより厳しくなり、逆に多ければ甘くなります。つまり、出玉が少ない台で勝つためにはより高い回転率が求められます。
また、ひねり打ちなどによるオーバー入賞が見込めれば出玉量がアップし、その際はボーダーラインが良化。
メディアによっては出玉別ボーダーラインを算出しているものもあり、その場合は有効活用したいところです。
前項でボーダーラインの基本を説明しましたが、“ボーダーラインピッタリの台”を打ってもトータルでは勝てません。
勝つためには、ボーダーラインよりも上の回転率の台を打つことが大事です。
先程と同様、初当り確率1/100で初当り1回分の期待出玉が1000個という機種を例にしましょう。
まず、1000円あたりの回転数がA台では20回、B台では30回として、それぞれ1000円で大当りを引ける確率を計算します。
初当り確率が1/100ということは、逆に言うと99/100の確率でハズれるということ。
つまりA台の場合、20回連続でハズれる可能性は「99/100の20乗」となります。これを全体の100%から引けば、1000円=20回転で大当りする確率になるのです。
ですので、計算式は「1-((99/100)の20乗)」。
桁が多くて計算方法もちょっと難しいですが、考え方としては“20回続けてハズれ続ける可能性を除けば、20回転のうちどこかで大当りする確率が求められる”というわけです。
そして上記の式に当てはめると、1000円を投資して初当りが期待できる確率は、A台では約18.2%、B台では約26.0%。
B台の1000円での初当り期待度はA台の約1.43倍になるので、1000円あたりの回転数が高い台ほど少ない投資数で初当りが獲得しやすいことがわかります。
また、100回転を消化すれば初当り1回&1000個=4000円分の出玉が期待できるとした上で、2台の利益を比べてみましょう。
A台=5000円で100回転消化可能→初当り1回でマイナス1000円
B台=約3333円で100回転消化可能→初当り1回でプラス約667円
1000円あたりの回転数が高いB台を打った方が、初当り1回ごとの利益は高くなります。初当りが積み重なり、1日・1週間・1ヵ月と時間が経過するごとに、両者の収支差はさらに開いていくでしょう。
実際の大当り出現率が、大当り確率通りになることを“収束”と呼びます。
そしてボーダー理論は、初当り確率や期待出玉などがその数値通りに出現する場合、つまり収束を大原則に成立しているのです。
再度、初当り確率1/100で初当り1回分の期待出玉が1000個という機種を例に見てみましょう。
勝てる計算であるB台は1000円あたり30回転。
しかし、等価交換で通常時1000回転消化時の初当りが7回と、スペック値の10回よりも低かったとします。
すると、期待出玉がスペック通りなら7000個=28000円分を獲得。通常時1000回転消化に要した打ち込み玉数は約33333円分で、この時点ではマイナス約5333円。
つまり、スペック値よりも低い実戦値となった場合は、勝てる回転率の台を打っていても負けてしまうことがあるのです。
これが次の通常時1000回転消化では初当り13回となって収束するかもしれませんし、もしかしたら再度7回となり、収束がさらに遠くなるかもしれません。
また、上の例では期待出玉通りに獲得できましたが、これがスペック値通りに獲得できなかった場合、さらにマイナス額が増大していたでしょう。
逆に、実戦値で初当り確率・期待出玉がスペック値を上回れば、ボーダー回転数の台やそれを下回る台でも勝てることがあり得ます。
こうした点もパチンコの醍醐味と言えますが、結局は短いスパンでの一瞬のこと。長期間で見るとスペック値に近づいていくため、ボーダー台やマイナス台での勝ちが続くのは非常に希な出来事です。
完全確率方式の下では、短期間ならば収束とは逆方向に向かうこともあり、また収束にどれだけの回転数や時間がかかるかは正確に予想できません。
前述の通り、短期間では実戦結果がスペック通りにはならずに負けることもあります。
そのため、「ボーダーより上の台を打ったけど負けた」「ボーダー理論に基づいて立ち回ったけど勝てなかった」といった声の裏側には、長期間実戦が欠けていると推測できるのです。
ボーダーを上回る台で実戦を続けた際、期待できる収支と実際の収支の増減は下の様なグラフを描く、または似たような形になると言えます。
期待収支の累積は最初から最後まで一貫してプラス収支域にありますが、実際はマイナス収支域への転落も考えられますし、期待収支累積を下回る可能性もあります。
ただし、最後には期待収支と実際の収支の累積額が一致=収束へ向かっていくでしょう。とは言え、何度も言いますが収束には長い期間を要するもの。
実際には同じ期待収支の台が打てるわけではなく、プラス・マイナス共にグラフの上下幅に大小もあるでしょう。上記グラフはあくまでもモデルケースなのです。
「回っているのに勝てない…」といったことが続くかもしれませんし、実際そうなると精神的には辛いこと。
しかし、この辛さを乗り越え、回る台を追い続けるメンタルを養うことも、ボーダー理論で勝つために必要な要素と言えるでしょう。
完全な収束は困難かつ時間がかかることを説明してきましたが、実際に収束を体感しやすい方法としては、“初当り確率の高い機種を打つこと”が挙げられます。
それについても、すでに紹介した「完全確率」ページで解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
ここからはボーダー理論で勝つため、すなわちボーダー回転数以上の台を打つために取るべき行動を紹介していきます。
同じ機種でも、台ごとにデジタル回転率が異なるのがパチンコの大きな特徴。
それには“釘”が大きく影響しているほか、ヘソチャッカーの上に位置する“ステージ性能”もかかわっています。
パチンコの達人レベルなら、打たずに諸々を見抜くことは簡単かもしれませんが、初心者の方には恐れずに試し打ちすることオススメします。
ボーダーラインをあまりにも下回るなら台移動、ちょい下回る程度なら少し様子見、ボーダーライン以上の回転率が続くなら続行、ぐらいの取り組みでまずは試してみましょう。
また、回る台を置く店かどうかもポイント。プラス収支台の多さや競争率など、ケースバイケースではありますが、高回転率台に着席できる店選びを行いましょう。
台に着席した後は、実際にデジタル回転率をチェックしましょう。
基本的にどの媒体でも、ボーダーラインは1000円あたりの回転数で表記されることが多いため、1000円投資するごとにどれだけ回ったかを把握しておくのが簡単かつ重要。
仮に1000円あたり20回転する台であっても、1000円ごとに毎回「20・20・20…」と同じ回転率になるわけではありません。
実際には「21・17・22…」など、1000円ごとに回りをチェックすると、かなりのバラツキが生じます。いわゆる“ムラ”と呼ばれる現象です。
10000円単位で見ても回転率にムラがあることは多く、おおよその平均値を見極めるには、ある程度打ち込む必要があると言えます。
また、ある程度打って回らないとわかった場合、その台に固執するよりも迷わず移動するのがオススメです。もちろん、台移動後の回転率チェックも忘れずに。
可能なら、自分の台が回らない場合も考え、自席以外の周辺の台がどれくらいの回転率かをチェックしておいて、いつでも台移動できるよう準備をしておくと、なお良いでしょう。
どんな場合でも、打つ・打たないを問わず、台の回転率を把握しておくことが重要です。
同じ台であっても、玉を飛ばすコース=ストロークによって回転率が異なる場合があります。
玉1~2個分と、ほんの少しストロークがズレただけでも回転率が大きく上下するなど、皆さんも経験があるのではないでしょうか?
『海物語』シリーズなど左右対称ゲージの機種では、盤面右方向から玉を流すことで回転率がアップすることもあります。
▲『P大海物語4スペシャル』のゲージ構成
また、一部機種では“ブッコミ(天釘とその左側にあるV字の谷間の間)”などのメジャーな狙い所ではなく、弱く打ち出してブッコミより左側から流す打ち方が有効なことも。
実戦中は、少しでも回転率が高くなるストロークを見極めて維持することが大事なのです。
ここからはホールを賑わしているファン人気の高い5機種のボーダーラインをチェック。
出玉システムがそれぞれ異なり、ボーダーラインも千差万別。勝つために求められる回転率は機種ごとでかなり違う点をよく理解しておきましょう。
■ボーダー
250個あたりの回転率(1.0円は200個)
・貸玉料金4円
4.0円(25個)…17.9回転
3.5円(28個)…18.9回転
3.3円(30個)…19.5回転
3.0円(33個)…20.4回転
2.5円(40個)…22.2回転
・貸玉料金1円
1.0円(100個)…14.3回転
※電サポ中の出玉増減なし、通常時2000回転(10時間)から算出
2021年にデビューを果たした遊タイム搭載の1種2種混合機。遊タイム発動残り回転数に応じてボーダーラインや期待値が変動する点には留意したい。
■ボーダー
250個あたりの回転率(1.0円は200個)
・貸玉料金4円
4.0円(25個)…18.2回転
3.5円(28個)…19.2回転
3.3円(30個)…19.8回転
3.0円(33個)…20.7回転
2.5円(40個)…22.6回転
・貸玉料金1円
1.0円(100個)…14.6回転
※電サポ中の出玉増減なし、通常時2000回転(10時間)から算出
初当りから3000発の可能性あり&さらには右打ち中ALL1500発となる(共に払い出し)爆発力が魅力的だが、ボーダーライン自体は等価交換で18回台と特段甘いわけではない点に要注意。
■ボーダー
250個あたりの回転率(1.0円は200個)
・貸玉料金4円
4.0円(25個)…20.5回転
3.5円(28個)…21.7回転
3.3円(30個)…22.4回転
3.0円(33個)…23.4回転
2.5円(40個)…25.5回転
・貸玉料金1円
1.0円(100個)…16.4回転
※電サポ中の出玉増減なし、通常時2000回転(10時間)から算出
2020年に設置開始、1種2種混合機ブームの礎を築いた名機。連チャン超速消化とその継続率約93%ばかり際立つが、ボーダーライン自体は等価交換でも20回台と辛め。
■ボーダー
250個あたりの回転率(1.0円は200個)
・貸玉料金4円
4.0円(25個)…17.5回転
3.5円(28個)…18.5回転
3.3円(30個)…19.1回転
3.0円(33個)…19.9回転
2.5円(40個)…21.7回転
・貸玉料金1円
1.0円(100個)…14.0回転
※電サポ中の出玉増減-10%、通常時2000回転(10時間)から算出
2段階の右打ちRUSHが特徴のマシン。左打ち・右打ち時を問わず出玉は全て10R1500発払い出しと安定度が高く、その恩恵もあってかボーダーラインは等価交換で17回台と甘め。
■ボーダー
・貸玉料金4円
4.0円(25個)…17.7回転
3.5円(28個)…18.6回転
3.3円(30個)…19.2回転
3.0円(33個)…20.1回転
2.5円(40個)…21.9回転
・貸玉料金1円
1.0円(100個)…14.2回転
※電サポ中の出玉増減-10%、通常時2000回転(10時間)から算出
ぱちんこ北斗の拳シリーズ初となる1種2種混合機。右打ちRUSHへのトータル突入率が約66%と高めのためか、ボーダーラインは等価交換で17回台と当欄で挙げた5機種の中では甘い部類。
数学的な根拠に基づいた攻略法として、今や広く浸透している「ボーダー理論」。
パチンコで勝つために有効な方法ではありますが、
「より回る台を見つける」
「回る台を長期間追う」
「回る台を追っても負けることもある」
などなど、長期間実践し、さらに結果を出し続けるのは中々に困難です。
それでも、勝ちを積み重ねているパチプロの多くが、この理論に基づいて日々実戦しているのは間違いありません。
短時間勝負しかできないうえに結果が伴わなかったり、そもそもボーダーを信じていないという方もいると思いますが、長期的な目でボーダー理論を実践してみましょう。
店や台選び、回転率チェックやストローク調整なども含め、勝つための努力を惜しまずに続けていれば、きっと結果はついてくるハズです!
この記事の関連情報
関連する機種