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2026-10-16
パチンコ・パチスロ業界ニュース
2026/04/20
外食産業の人手不足に、調理ロボットという新たな解決策で注目を集める企業がある。ロボット技術で「食」の現場を変えようと挑戦するTechMagic㈱・白木裕士社長の歩みを追う。

しらき ゆうじ
1987年、愛知県名古屋市生まれ。高校から大学までカナダに留学し、起業を経験。ボストンコンサルティンググループ日本支社に入社。新規事業や経営戦略のプロジェクトに携わる。そして2018年、TechMagic株式会社を創業。調理ロボット開発に取組み、「食」の現場を変えるべく日々奔走中。座右の銘は祖父から毎日言い聞かされていた「世のため、人のためになる道が最高の道」。
高校から大学までカナダに留学し、海外で学生生活を送った。異文化の中での経験は、その後のキャリア形成にも大きな影響を与えた。親類に実業家が多かったこともあり、学生時代からビジネスに関心を持つ。留学2年目には友人と家庭教師派遣サービスを立ち上げ、移民や留学生の生活を教育面から支援した。
その後、事業売却をして外資系大手のボストンコンサルティンググループ(BCG)日本支社に入社。通信や製造など幅広い業界の企業を対象に、経営戦略や新規事業の立案に携わった。企業が抱える課題を分析し成長戦略を描く中で、事業構造の捉え方やビジネスの組み立て方を体系的に学んだ。
転機となったのは、大手自動車メーカーの自動運転プロジェクトに関わった時だった。 AIやロボット技術の可能性に触れ、テクノロジーが産業構造を大きく変える時代の到来を実感した。同じ頃、料理好きだった祖母が高齢で足腰が弱り、調理できなくなった姿を目の当たりにする。この時、白木氏の頭の中で新たな着想につながった。
「あれだけ料理好きだった祖母が調理を断念する姿を見て、何かしてあげられることはないかと考えた時、もしロボットによって調理を支えることができれば、社会に大きな価値を生み出せるのではないかと考えました」。
こうして『食×ロボット』という発想が生まれた。しかし、ロボットの技術はおろか、外食産業の知識はゼロ。そこで白木氏は起業前にファミリーレストランでアルバイト。厨房の作業を観察し、調理工程や人の動き、作業時間などを徹底的に分析した。そして工程がここまで整理されているなら、ロボットで自動化できると確信し、2018年2月、満を持してTechMagicを起業する。
しかし最大の課題は開発資金だった。前例のない調理ロボットへの投資は集まりにくく、起業当初は自己資金を投じながら案件獲得に奔走する。そんな折、会社が入居するシェアオフィスで運命的な出会いを果たす。出会ったのは外食チェーン・プロントコーポレーションの綾野喜之専務取締役だった。綾野氏は調理ロボットに可能性を感じ支援を申し出た。
「志ばかり先行していたロボット開発に未来投資してくださり感謝しかない。あの出会いがなければ、今のTechMagicはないと思います」。
この支援によりパスタ調理ロボットの開発プロジェクトが始動。試行錯誤を重ね、3年半の開発期間を経て、2022年6月にパスタ調理ロボット『P-Robo』を完成させた。これを契機に事業は大きく前進する。

厨房の未来を変えるTechMagic社の調理ロボット群。現在、同社の主力である『I-Robo 2』(画像右上)は、一風堂や大阪王将といった全国チェーンに導入され、プロの味を完全再現した調理プログラムで、味の品質そのままに厨房効率化に寄与している。
白木氏が率いるTechMagicが掲げるパーパスは「サイエンスとテクノロジーの力で人類が創造的に生きる世界を実現する」ことだ。現在では、味の素、キユーピー、日本食研など大手食品企業との協業も進み、炒め調理ロボット『I-Robo 2』をはじめ盛り付けロボット『M-Robo』や積み付けロボット『T-Robo』など、厨房や食品工場の自動化を見据えたシステム開発を進めている。
「人手不足が進む社会では、すべてを人に依存する仕組みは長続きしません。単調で負担の大きい作業はロボットに任せ、人は接客や商品開発など創造的な仕事に集中する。そうした役割分担が外食産業の未来には必要だと考えています」。
ロボットが料理をつくる時代は始まったばかりだ。だが、テクノロジーによって「食」の在り方を変えようとする白木社長の挑戦は、新たな産業の姿を示す取組みでもある。
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