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2026-06-16
パチンコ・パチスロ業界ニュース
2026/06/22
『DMMぱちタウン』を軸に、業界内で確かな存在感を築いたDMM.com。新規事業を担うイノベーションカンパニーCEOを務める緒方悠氏に、これまでの歩みとパチンコ業界への想いを聞いた。

緒方悠(おがた・ゆう)
2011年にDMM.comグループ入社。動画配信事業部を経た後、2013年にアミューズメント事業部で『ぱちタウン』の立ち上げを行う。2017年にはベルギーサッカー1部リーグのクラブ運営会社、STVVの経営権取得に携わり、同クラブの取締役に就任。Football事業部を立ち上げた。2018年、執行役員セールスソリューション本部長に就任。2025年、イノベーションカンパニーCEOに就任。
サッカー熱に沸く1990年代前半のJリーグ開幕期、小学4年生でボールを追い始めた緒方氏は、地元の東京都武蔵野市で頭角を現し、中学時代にはFC東京の下部組織へ進んだ。過酷な練習にすべてを捧げる日々だった。
「将来の選択肢はプロのピッチに立つこと以外はなかったです」。
大学進学後も思いは消えず、1年の夏に中退。単身アルゼンチンへ渡った。言葉も通じない地球の裏側で、約2年間、現地のリーグに身を置いた。周囲には無謀に映る挑戦だったが、本人に迷いはなかった。
「苦労した思い出はありません。サッカーがあれば、勝負の場に入っていけましたので」。
帰国後はJリーグチームの練習生となったが、夢の舞台へ届かないと悟った瞬間にスパイクを脱いだ。命懸けで追い続けたからこそ、引き際も自分で決めた。その経験で培った勝負勘と物おじしない姿勢は、後のビジネス人生における武器となっていく。
広告代理店の営業職として社会人キャリアをスタートした緒方氏だが、転機となったのが、2011年のDMM. comグループへの入社だ。
入社後はクーポン事業や動画配信事業部で営業を担当しながらも、自ら新規事業を立ち上げたいという思いを募らせていった。
そこで目をつけたのがパチンコ業界だった。当時、ファン向けの情報は、店舗情報、機種情報、動画コンテンツが、各情報サイトに分散していた。ここで緒方氏は「アプリ上で情報を一元化するサービス」に可能性を見出す。これが後の『ぱちタウン』の原点となった。
しかし、現実は甘くなかった。アプリの完成を待たずにホール営業へ走り、「3ヵ月無料」を掲げ初動で約6,000店舗の契約を獲得。DMMの知名度もあり、勝利を確信していた。
ところが有料化へ舵を切った瞬間、契約店舗数は約500店舗へ激減する。ユーザーのDL数は伸び、利便性にも自信があった。だが、営業現場でPVやUUを示しても、当時のホール関係者の反応は冷ややかだった。
「数値を見せられても、それがうちの儲けにどう繋がるんだ?」
さらに立ちはだかったのが、「どうせすぐ撤退するんでしょ」という警戒感だった。当時、他業界の大手企業が参入しては、数年で撤退するケースが相次いでいた。同社もまた、業界関係者からどこかよそ者に見られていた傾向があった。
「同じ釜の飯を食う『仲間』として認めてもらえるか。それだけを考えて、丸2年、地べたを這うような対話を重ねました」。
一度信頼を勝ち得ると、潮目は変わった。懇意になったホール関係者が別の店舗を紹介してくれるようになり、契約数は再び伸び始めた。それは単なる数字の回復ではなく、業界の深い場所に根を張ったという確信でもあった。約3年で事業は軌道に乗り、『ぱちタウン』は業界内で確固たる存在感を築いていった。
現在、緒方氏は『ぱちタウン』の枠を超え、DMMグループ全体の新規事業を統括する「イノベーションカンパニー」のCEOとして、AI、医療、海外サッカー、農業など幅広いBtoB領域を率いる(※上部参照)。
その中でも、パチンコ業界向け事業はカンパニーのコアであり続けている。近年では、来店ポイントサービスの提供や、中古機流通プラットフォーム「P–SENSOR」の運営など、その領域を全方位へ拡大中だ。
スマホを開けばタイパに優れた無料の娯楽が手元に無数にあふれる現代。若い世代をホールへ呼び込むハードルは、かつてないほど高い。
緒方氏は、これからの業界の未来を真っ直ぐに見つめ、こう語る。
「僕らが若い頃は、パチンコを覚えることが『少し大人になる、ちょっとカッコいいこと』という空気感がありました。今はそれが完全にシャットアウトされている。だからこそ、 IP(キャラクター)やインフルエンサーなどの影響力を総動員して、実際に触れてもらう『体験のきっかけ』をどれだけ作れるかが勝負です」。
パチンコ(パチスロ)を若者のトレンドや憧れのカルチャーに――。挑戦は、まだ始まったばかりだ。
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2026-06-16
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