京一、1,000台超のパチンコ店2店舗を閉店 クレーンゲーム専門店へ
松原興産が大阪府内で運営する《キョーイチミナミ店》(大阪市中央区)と《京一高槻店》(高槻市)が、9月23日の営業をもって閉店する。両店はいずれも設置台数1,000台を超える大型パチンコ店で、閉店後はクレーンゲーム専門店へ業態転換する予定だ。 《キョーイチミナミ店》は、大阪・難波千日前に立地。なんばグ
2026-09-14
パチンコ・パチスロ業界ニュース
2026/09/20
かつてはごみ処理や居住地の確保を目的としていた埋立地は、いまや国家成長を牽引する都市の最前線へと進化している。日本とアジア諸国の成否を分けた要因は何だったのか。今回から、IRで飛躍を遂げたシンガポールの戦略を現地実務者などへの調査から徹底分析。日本の埋立地を観光資源へと変容させるヒントを、その歴史的背景から紐解く。
アジア諸国に見る
埋立地の経済戦略
埋立地は、古くから都市の拡張を支える重要な役割を担ってきました。日本においても、東京、横浜、大阪といった主要都市の発展は、埋め立ての歴史と切り離すことができません。特に東京湾では、江戸幕府により400年以上前から、人口増加に伴う居住地の確保と家庭ごみの処理場確保を目的とした大規模な埋め立てが行われてきました。近代以降は「東京・台場」「横浜・みなとみらい」「大阪・舞州、夢州、咲州」といったエリアで大規模な都市開発が進められています。
しかし、国内の埋立地開発には課題も少なくありません。多くのエリアが物流・生産拠点としての機能を優先した結果、交通が不便で「暗い場所」という印象を拭えず、世界的な観光目的地(ディスティネーション)には至っていません。
一方、近隣のアジア諸国では、埋立地を経済発展の起爆剤として活用する戦略が主流です。韓国・仁川では、1990年代からごみ問題を解決するために既存の干拓地を埋め立て、現在は国際空港やレクリエーション施設として活用されています。マカオでも人口密度の緩和と観光産業拡大を目指し、タイパ島とコロアネ島間を埋め立て、多くの観光客の誘致に成功しました。
その中でも特筆すべきはシンガポールの事例です。1970年代から着手された《マリーナ・ベイ》の開発は、2000年頃から戦略的な施策が実行され、人工的な観光資源を創造することでアジア屈指のGDP成長を支える国際観光地へと変貌を遂げました。これらアジア諸国の成功事例に共通するのは、埋立地開発においてIR(統合型リゾート)施策を巧みに併用している点にあります。

マリーナ・ベイが示す
都市の進化論
ここから、世界的な成功事例として名高いシンガポールの歴史的背景と政策の変遷を考察していきます。調査にあたっては、私が2022年にシンガポール都市再開発庁(URA)主催の「URA ACADENY IN TEGRATED LAND USE PLANNING COURSE」に参画し、現役の行政実務者から得た講義内容や配布資料を分析しました。さらに、2000年当時のIR開発に携わった実務者へのインタビューを通じ、シンガポール政府観光局(STB)との連携についてもヒアリングを行っています。
さて、《マリーナ・ベイ》の歴史を遡ると、19世紀前半の初期埋立地は大型船が接岸できない水域でした。その後、港湾機能の整備に伴って周辺の埋め立てが進み、独立後の1970年代からは、将来の人口増加を見据えた住宅開発だけでなく、商業、レジャー、レクリエーションを含む都市開発を想定した埋め立てへと転換していきます(埋立工事の順序や年代、事業者、主な目的などは図1を参照)。
背景には、1971年に策定された最初のコンセプトプランがあります。ニュータウン、工業団地、公園、高速道路、チャンギ空港、ビジネス中心地などを一体的に計画し、国土全体を長期的な視点からデザインしたのです。
独立後のシンガポールは輸入代替型工業化戦略を採用し、第二次産業の製造業を振興。ジュロンの沼地を埋め立てて工業地区を整備します。一方、国際観光の拡大を見据え、空港や港湾、都心部の整備も並行して進めます。埋め立ては住宅開発だけの手段から、経済・観光を含む国家的な都市戦略へと位置付けを変えていきました。
こうした大規模な埋め立てを可能にしたのが、長期的な土地利用計画に基づく継続的な開発です。当初は国内の丘を削り、海砂を浚渫(しゅんせつ)して埋立資源を確保していましたが、1980年代半ばまでに資源が不足してしまいます。その後はマレーシアやインドネシアから砂や岩を輸入し、埋め立てを継続しました。
この長期的な土地利用計画の下で、住宅開発局(HDB)、シンガポール港湾局(PSA)、ジュロン開発公社(JTC)、そして1974年にHDBから独立したURAなどが役割を分担。1980年のマスタープランや、1991年の改定コンセプトプランにも、その考え方が受け継がれていきます。
次回は、こうした長期計画がいかに《マリーナ・ベイ》の観光開発、そしてIRを核とした都市形成へつながったのかを掘り下げていきたいと思います。
鶴 田 一(Hajime Tsuruta)
株式会社NRC一級建築士事務所
代表取締役
博士(工学)、一級建築士
オレゴン大学建築学部卒業後、2008年にNRC一級建築士事務所開設。2021年シンガポール都市再開発局主催アカデミー修了。2024年国立東京工業大学博士後期課程卒業後。都市開発及び観光政策分野にて講義を行う。国内外建築賞、芸術賞多数受賞。
◆執筆書
『シンガポールにおけるカジノ合法化検討過程に関する研究』(公益財団法人日本都市計画学会)
『わが国におけるカジノ及びIRをめぐる言説・事象の変遷』(一般社団法人日本観光研究学会)
『IR整備をめぐる候補自治体における議論に関する研究』(一般社団法人日本観光研究学会)
『IR(統合型リゾート)を用いた埋立地における新規都市開発と観光政策に関する研究』(国立東京工業大学博士論文)
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