公開日: 2018/11/29
今回のゲストはオモダたくみ。ご存じの方も多いと思うが、兄はパチスロ必勝ガイドに籍を置くオモダミンＣ。そのワールドクラスのバカっぷりが動画やマンガなどですっかりおなじみの若手人気ライターである。オデ、ある番組で本名の御手洗安彦を「ごてあらいやすお」って読まれたことあるもの。まあ、お返しとして「バカ油田」のニックネームをプレゼントしたけどな。
さて、遺伝子の力を信じるならば今回のインタビューがスムーズに運ばない可能性が圧倒的に高いのだが、それについてはちょっとだけ安心している。というのもたくみとは初めて新宿でバッタリ合ったときに「初めまして。オモダたくみです。兄がいつもお世話になっております」としっかりしたアイサツをされているのだ。少なくとも兄よりはちゃんと話ができると見込んでいたのだが……
兄が油田ならこの男はダム、バカワンハイダムだった。とにかく質問に対して、想像を絶する答えが返ってくるのだ。一例をあげよう。
で、いくら稼いでるの？
このインタビューではおなじみの質問だけど、皆さんならどう答えるでしょうか？ 99.999……％の人が月収もしくは年収を答えるよね？ ね？ ね？ ああ、オデの聞き方が悪くないアピールだ。しか～し目の前にいる若者は一味どころが百味も二百味も違った。
「基本カードなんでわかんないっす」
……ここで「こっちがわかんねーんだよ！」なんて腹を立ててはインタビュアー失格。世の中には色んなヒューマンがいるのだと己に言い聞かせて、ベテラン刑事のような粘っこさでその真意を問いただします。
お金の出し入れはキャッシュカードでやってるってこと？ でも、残高は表示されるから大体、わかるんじゃない？
「違うんすよ。銀行のあれ（残高）は見ないって決めてるんすよ。あれは30になった時にいくら貯まったかを見るのを楽しみにしてるんで（満面の笑み）」
こ、堪えるんだ、巨砲。スーパー・オモダ・ブラザーズと会話するとはこういうことだぞ。
そ、それは楽しみだねぇ。じゃあ、普段はクレジットカードでやりくりしてるからわかんないってこと？
「そうなんすよ。でも、最近気づいたんですけど、あれ（クレジットカード）って銀行（口座）から金を引き落としていくじゃないですか」
そりゃクレジットカードってそういうもんだからね。
「だから自分が思ってるより貯まってないと思うんすよ。毎月ちゃんと引き落とされてはいるんで赤（字）にはなってないっすけど。生活費の８割はパチスロの稼ぎでやってけてるんで」
オデの心、たくみ知らず。こっちは毎月、貯まっているであろう額を知りたいんだよっ！ しかも、こちらが質問をやめたことで、もう、ひと仕事終えた男の顔をして次の質問を待ってやがる。ムキーッ！
というわけでライター人生で初めて、インタビュー後、改めて電話で確認をとりました。巨砲刑事、執念の捜査である。
DMMってギャラをもらうのに請求書を書くよね。
「書きます、書きます。交通費込みで」
巨砲選手が改めて電話をかけてきたことに萎縮したのか、お得意の「〇〇っす」話法は封印していた。インタビュー前に差し入れとしてエナジードリンクを買ってきたように、この男、実はかなりの気ぃ使いでもある。本質的にはとてもいい子なんだよなぁ。バカだけど。
じゃあ大体、月にいくら稼いでるかはわかるんじゃない？
「大体、35～45万くらいじゃないっすかね」
今回は拍子抜けするほど、すんなり。なるほど、そう聞けば良かったのか。
さて、こっからはややこしいやりとりは、ばっさり切り捨ててインタビューサクサク進めるよ。なぜなら月収を聞くだけで４割ものスペースを割いたからね。
まずはライターになったきっかけから。
「そうっすね。もともとガイドが好きでライターにも憧れてたんですけど、ちょっと自分には向いてないかなと思ってあきらめてたんすよ。兄貴みたいに、そんなにおしゃべり得意じゃないんで」
ちなみに兄の活躍の最大の要因はしゃべりの上手さもさることながら、ういち先生という天才翻訳家がそのおもしろさを上手に伝えたからである。たくみが早く天才翻訳家と出会えるよう祈ってるよ。何、こっち見てんだ。オデはその係じゃないぞ！
「それでスロプロをやってたんすけど、ある日、パチスロを打ってる時、兄貴から『鶴見の牛角に今すぐ来い！』って呼びだされて。そしたらDMMの人がそこにいて、今度若手ライターのオーディションをやるから出てみないかって」
それでリアルスターズに応募したわけね。
「いや、その時は断ったんすよ。そしたら兄貴から『テメー、チャンスなのに何やってんだよ』って言われて。それで兄貴がそこまで言うなら受けようって。兄貴の言うことは絶対に聞くようにしてるんで。こっちのことを思って言ってくれてるのはわかっているし」
言い方はアレだけどなんだかんだ言って弟思いのお兄ちゃん
じゃあ、何で最初から言うこと聞かないのとは言わない約束。間違いなく話が長くなる。
それでオーディションを受けたら合格したと。
「そうっす」
それはさておき、この業界で仕事をしている兄弟は何組かいるけど、オデの知る限り兄弟で媒体が違うケースは初めて（もし、いたらゴメン）。なんでスロガイではなくDMMを紹介したのだろう。先輩風を吹かせてオモＣにも聞いてみた。
オモＣ「たくみがライターやりたいかどうかは知らなかったんすよ。でも、パチスロはちゃんと打てるじゃないですか。あいつが小学生の頃からゲーセンで俺が教えてたんで（笑）。で、そんなに好きだったらライターになるのもありなんじゃねとは思ったけど、ガイドを紹介するのは何か違うじゃないすか。そんでたまたまDMMの人とメシ食ってる時にそういう話になったんでたくみに受けてみろよって」
なるほど、兄弟のありようはそれぞれだけど、同じ環境で働くことを、こそばゆく感じる気持ちはわかる。
それでは、話をたくみに戻す。
たくみは18からスロプロだったんでしょ。他にやりたいことはなかったの？
「スロプロ１本じゃなくて、最初は居酒屋のバイトも週２か週３くらいでやってたんすよ。自分は店をイチから経営するような頭はないんすけど、接客は好きなんでそういう仕事はやりたいなとは思ってました。ただ、ライターになる以上は全力でやらないと見てくれる人に失礼なんで、辞めましたけど」
他にもコンビニバイトなど、意外と人並みの社会経験は積んでいたようだ
立派！ オデが21の頃はそこまで本気で仕事と向き合えてなかった。読者がどう思うかなんて考えは一切なくて、自分が楽しめればいいやって。
根はマジメだよね。
「マジメなんすかね。業界の未来が明るいとは言えないっすけど、とりあえず30まではこの仕事一本で頑張って、30になったらその時に考えようって感じっすよ」
たくみは現在21歳。少なくともあと９年は頑張るってことか。巨砲選手はもうこの稼業にしがみついてくしかないけど、９年も頑張れるかなぁ。当れ！ 各種ロト！ そして年末ジャンボよ！
さっき生活費の８割はパチスロの勝ちで賄ってるって言ってたけど、そんなに簡単に勝てるの？
「ちゃんと立ち回れば勝てるっすよ」
兄貴と一緒でパチスロにだけは絶対の自信を持ってるんだね。
「今の兄貴はダメっすよ。ちゃんとパチスロ打ってないから」
確かにツイッター見てもパチンコばっか打ってるもんな。なお、オモＣにこの発言を伝えたところ「確かに今だとパチスロはたくみの方が上手いと思いますよ。たまに会うと服とか靴とか良いの持ってるんすよ。かなり勝ってるんじゃないんすかね」とのこと。この兄弟、難しいところはあるがパチスロにだけは素直なのだ。
10万の靴とTシャツで全身60万のコーデ。良いもん着てんなオイ！
でもさ、パチスロに詳しいのもいいけど、もうちょっと世の中のことに詳しくなろうとは思わない？
「う～ん」
一応、先輩に聞かれた手前、考えたフリしてるのでしょう。数秒後、予想どおりの答えが返ってきた。
「思わないっすね」
それじゃあ、最後にライターとしての目標を教えて！
「う～ん」
今度は本気で考えてる。
誰みたいになりたいとかないの？
「好きなのはういちさんですけど、絶対になれないってわかってるんで」
確かにあれはあれで天才だからなぁ。基本好きなことしかやんないけど、それを楽しそうに見せる天才。
「あっ、目標ありました。どうせやるならDMMの男性ライターの中でトップになりたいっす。これまでのトップが月に200万らしいんで、それを抜きたいっすね。交通費抜きで」
おおっ、若者らしいデカい目標。ちなみに200万って数字は誰が記録したの？ あと女性のトップはもっともらってんの？
「それはわかんないっす」
どうなの、担当Ａ
担当Ａ「それはわかんないっす」
DMMのてっぺんはもしかするとパンドラの箱なのかもしれません。大丈夫、巨砲選手はそこまで上を目指してないぞ。
オモダたくみ編 完
ライター・タレントランキング
