恥ずかしながら帰って参りました。巨砲インタビューも遂に最終回! お相手は「鬼Dイッチー」
記事一覧へ公開日: 2019/07/18
今を去ること5ヵ月前。虹村なな子嬢の回を最後にスフレのようにフワッとぱちタウンから姿を消した巨砲選手のヤングDMMインタビューが、きちんとさよならを告げるためにみなさまの元にのこのこ帰ってまいりました。
うん、今回で最終回。気になる引退相撲のお相手は、ぱちタウンに関わるフリーの映像ディレクターの中でも屈指の知名度を誇る「鬼Dイッチー関」なんだけど……ICレコーダーを寝かせに寝かせた。
実は今回のインタビューを行ったのは3月12日。雑誌でもネットでもインタビューというのは99%の場合、撮って出しなんだけど新しく始まるイッチーの新番組に合わせて掲載するということで相当な猶予が与えられたのだ。
もちろん油断の達人の巨砲選手はテキパキICレコーダーを回して早めに原稿をアップするような無粋なマネはしない。そろそろ担当Aからの怒りの催促が炸裂するであろう5月の最終週にようやく仕事に取り掛かったのだった。スイッチオン! Sansei(再生)!
「いっちゃん最初はテレビだったんですよ」
イッチーはNHK技研(技術研究所)のバイトからその映像キャリアをスタートする。テレビを選んだ理由はスーツを着るような仕事はしたくない(できない)。年をとって体力がなくなってもやれそうで、毎日、会社に行かなくていい、楽しそうな仕事だからとのこと。
現在のモーレツイチ太郎な仕事ぶりからは想像もつかないし、多分に照れ隠しの意味も入っていると思うけど、ディレクターにもっとも多いタイプは怠け者なんだとか。
「でも、テレビ業界って昔も今もクソ野郎ばっかりなんですよ!」
そのまま書いちゃうよ。ファイナルアンサー?
「ホント、クソ野郎ばっかりなんですよ!!!」
ですって、奥さん。もちろんオデはテレビの国にもステキな人がいるって信じているぞ。うなる、巨砲政治力! ともあれヤング・イッチーはテレビの世界からはあっさりフェードアウトしてしまったそうだ。
「それで専門学校の就職課の先生に相談にいったら『スカパーのアダルトチャンネル(現在のパラダイスTV)ができたてほやほや(開局から1年くらい)だからどうだ』と勧められて。しかも給料がよかったんですよ。そこに遊び半分で面接に行ったら受かって……」
パチンコ雑誌もそうだったけど黎明期は何でも挑戦できるから楽しいよね。
「めちゃくちゃ楽しかったですよ。1番最初にヤラされたのは小道具部屋の整理で……」
そこでいきなり単体女優に唇から血が出るような熱いキッスを見舞われたりは……しない。
「100本くらいあるバ〇ブをキレイに拭かされるんですよ(笑)」
デリケートなアイテムだから掃除は大事だよね。それにしてもどんな業界も最初は地味な仕事をやらされるんだなぁ。
巨砲選手も編集のバイトをした時はニューパルサーの「7」と「カエル」と「BAR」の絵柄をコピーして1000個ずつ切り抜いていたもの。もっともTOKIOに内職しに来たわけじゃねぇ! って心の中の長渕が叫んで10日でヤメたけどね。セイヤッ!
「でも、こっちはスイッチがどこにあるかも分からないから、掃除してるうちに勝手にスイッチが入って、あちこちでドンドン動いちゃって……」
20歳頃のイッチー。うーん、若い!!
ヴィーーーーンと音を立てて震える100本のバ〇ブに囲まれながらも、イッチーはやがてディレクターに昇進。若干21歳でパラダイスTVの番組を制作するようになる。
まだ、パチンコのパの字も出てこないけど当時はパチンコ、パチスロをやってなかったの?
「パチンコは(上京する前の)群馬時代にやってたけど、パチスロは東京に来てから。当時は4号機時代でしたけど、上手い勢じゃないんでめちゃくちゃ負けてて……」
雑誌を作っていた側から言わせてもらうと、4号機時代はちょっとお勉強すれば結構勝てたと思うんだけど……。
「活字が苦手で、パニック7みたいなマンガしか読んだことがなかったんで。それこそ(サマンサ三吉先生考案のオリジナルオカルト攻略法)キャシーを全力でやったり……」
……現在、動画で見せる冷静なツッコミからは想像もつかないが、パチンコ・パチスロに関してはかなり頭の中がふんわりしていた模様。ちなみにパニック7の名誉のために言っておくと『パチスロダイオヘッド(モリ淳史)』なんかは相当、お役立ち情報が載っていたぞ。
そっち(攻略)系のマンガは読まなかったの?
「完全に娯楽として楽しんでたんで好きな作品だけ読んでました。それで、沖さん、ういちさんはめちゃくちゃおもしろかったけど、あくまでマンガのキャラクターで実在しないと思ってましたからね」
そ、そうなんだ。そりゃ負けるよね。
「それですげー借金したんですよ。22歳の時で500万。当時は消費者金融のカードを全社持ってましたね。たしか12枚。月給22~3万だったのにパチンコ、パチスロで負けてた上にキャバクラにも通ってたんで」
弱冠22歳で大台の借金500万とは恐れ入るばかり。
コルセットを巻いたかのように首が回らなくなったイッチーは、25の時に知り合いの男優が新たに興したAVのプロダクションに制作部門の担当として移籍。そのダクションがすくすく成長してアッという間に単体女優も抱えるようになると、イッチーも売れっ子ディレクターとして最盛期は月に8本ものAVを撮影していたという。
「そことその後にまた移籍したダクションで27、8くらいで借金を全部返しちゃうんですよ。その頃はかなり儲かってましたね。最高で日当70万なんて仕事もありましたから。それこそたっかいマンション住んで。たっかい車を買ってと、王道の贅沢をしてましたね」
ちなみにその時代に、当時は「デジタル・メディア・マート」と名乗っていたDMMとの関わりができたとのこと。
インタビューも半ばにきてようやく現在のイッチーに近づいてきたが、巨砲選手のペース配分のミスでは断じてない。単純にイッチー劇場が盛りだくさんなのである。これでも相当、割愛してんだからね。ああ、居直ったぞ。
25歳で仕事ぶりも見た目も現在のイッチーに大分近づいてくる。
「そんで29の時に会社をやめて、30で会社を作るんです。ちょうど、その頃にAVが下火になってきて、これはイカンなって。で、パチンコの仕事をやりだすんだけど、そのきっかけもAVなんですよ」
30歳でついに起業し社長に。
超ウルトラざっくり説明すると、かつて一緒に仕事をしたカメラマンからの紹介でユニバTVに関わるようになる。
「そのころはサイトセブンもパチテレも契約しているヘビー視聴者で、どうやったらこの世界に入り込めるのかなと思ってたんですよ。で、営業はしないけど、ずーっとパチンコ番組をやりたいってことは知り合いに言ってて……。そしたらたまたまカメラマンの人がパチテレの人に誰かいないのかって聞かれた時に俺の名前を出してくれて」
うん。〇〇をやりたいって言っておくのは相当、大事。オデも若い頃にパチンコ以外の原稿を書くよって知らない編集に会うたびに言ってたおかげで、多少は仕事の幅が広がったもの。
そしてリスキー長谷川からイッチーに直電がかかってくる。社長にもかかわらず相変わらずメキシコの軽量級ボクサーのようなフットワークの軽さである。
でも、食えそうな感じありました? パチンコ、パチスロ番組のディレクターで?
「それがまったくないんですよ。最初は全然儲からなかった。まだ平行してAVもやっていて、(仕事の幅を)広げられないかなって感じでしたね」
その後、双葉社にいたパラダイスチャンネル時代に一緒に仕事していた人から、パチマガ、スロマガに今度DVDをつけるから「イッチー、ユニバTVやってるならウチの仕事もやらない?」と声がかかる。
そして双葉社の仕事を引き受ける時に会ったのが(松本)バッチなのだとか。さあ、いよいよみんなの知ってるイッチーの話になるよ。
「そのちょっと後くらいにDMMぱちタウンができるんだけど、その時も偶然、ユニバTVのプロデューサーをしてた人が、次に入ったのがDMMだったんですよ。それでぱちタウンにコンテンツないから何か作りませんかって話になって」
ザッツ・トントン拍子。でも、そうやってコトがうまく運ぶのは、それまでにきちんと仕事をしてたから。
フリーって結局、ちゃんとした仕事をしないと次につながらないんだよ。特に業界内の移動が多い出版、映像の世界はそれが顕著。
あとはやっぱり人付き合い。この世界、生かされて生きるだからね。巨砲選手も若い頃は力さえあればどうにでもなるとダメなタイガーマスクのようなことを思っていたけど、それでやっていける人はほんのひと握りだからな。DMMのヤングガンたちも覚えておいて。
成すまま第1話のバッチ氏。ここから本当にスーパースターの道を歩みだす。
「自分で営業しないんで、縁とか運でしかつながってないんですよ。それで最初に撮ったのがバッチとやってる『成すがままに』。あれがぱちタウンの動画の第1号」
1発目から大ヒットかぁ。
「でも、最初からってわけじゃなかったです。それこそバッチも全然知名度がなかった。1回目の罰ゲームがホールにいるお客さんに自腹でジュースを買っておごるだったんですけど、断られまくってましたから。それを遠目から撮って笑ってたくらい」
じゃあ、この番組でバッチ選手にも徐々に火がついたわけね。
「1年後くらいですかね。6本目までは俺も(マイクをつけて)しゃべってなかったんですよ。オープニングや実戦中にあれこれ言う声は入ってたけど、マイクつけてないのであくまで偶然。で、そのうちそんなにパチスロ好きでしゃべるんだったらマイクつけりゃいいじゃんってなって……そっから人気が出始めたんですね」
ちなみにイッチーという呼び名も『成すまま』発。最初に収録する時に店舗に出す企画書に書かれていた『鬼ディレクターI氏によるミッションに松本バッチが応えていく』という文面を見た当時の編集(元パラダイステレビの後輩)が『鬼ディレクターI氏』と入れるのがメンドくさくて『鬼Dイッチー』と勝手に省略したとのこと。後輩、センスあるなぁ。
ウワサで聞いたんだけど基本的には年下としか組まないの?
「なんすかそれ(笑)。木村(魚拓)さんにもめちゃくちゃ言われるんですけど……例えばういちさんや木村さんのように売れてる人には俺、必要ないじゃないですか。制作なんで自分が(ディレクションを)やっておもしろくなったって思ってもらいたいんですよ」
木村くんなんてキャスティングした時点で勝ちみたいになっちゃうもんね。
「でも、そうなるとあの台設定6だから打ってくださいって言われたみたいで。人気が出るのはうれしいけど、どこかおもしろくないじゃないですか。年上が嫌だということじゃなくて、僕が必要ない人とはあんまり組まないってだけです」
確かにバリクズ見てても、(演者を)導こうとするもんなぁ。
「(そういう役割の人が)必要じゃないですか(笑)」
ただ、今あなたの目の前にも導かれたがってる人がいますよ!
「……巨砲さんですか」
ここからもし巨砲選手を使うなら、どんな動画にするかというオッサンふたりのプリティサミットが開催されたのだが……今日イチ、話が弾まなかった。
イッチーもいろいろ気を使って質問したり、アイデアを出してくれるのだが、発する言葉のすべてが鉛のように床にめり込んでいく。ゴメン、気をつかわせて。オデもイッチーのかけあいのテンポについていけない自信あるもの。ご縁があれば来世で!
さて、時間も頃合い。そろそろ最後の質問をしようと思っていたところ、担当Aが突然 口を開いた。
イッチーさんの目には、DMMの若手ってどんな風に映ってますか?
「ゲロ甘だと思いますよ。ゲロ甘。チャレンジする気がないんですよ。チャレンジする前にダメだった時のことを先に考えちゃう。カッコつけてるというか、最初から上手くやりたがるっていうかね。自分を良く見せよう、良く見せようとした結果、のっぺりしちゃった(印象に残らない)子が多いですよね」
フリーでやってる人間からみるとまあ、そうなる。担当Aもそれはわかっていたのでしょう。「ごもっとも」と言わんばかりに大きく頷く。
そんなめちゃくちゃ気の利いたワンちゃん、猫ちゃんなら、答えが予想できるであろう質問を、あえてブチ込んできたのは完全なる親心。
巨砲選手もこれまでのヤングDMM戦士のインタビューの中で、何度か同じようなことを書いてきたけど、雑誌育ちの巨砲選手が言うのとディレクターのイッチーが言うのでは響きが違うのではないか。
要はこれを読んだDMMの若手に奮起してもらいたいワケです。まあ、若手が読むかどうかはわかんないけど。
「だから売れねぇんだよと思ったのが、ぱちタウンの若手を愛知県のボートレース場に俺が運転して連れていったことがあるんですよ。〇〇と△△と××と、あともうひとり、それと俺の動画のファンと一緒に。往復で8時間くらいかかったんですけど、その間DMMの若手、まーーったくしゃべんないんですよ! 俺とファンだけずっとげらげらしゃべってんすよ!」
企画とか出せよ! せっかくイッチーとずっと一緒ににいるんだから、今夜は眠らせナイトだよ。企画通ったら勝ちじゃん。
「普通そうなるじゃないですか。それがスマホ見てるか、寝るか、俺の話にあいづち打つかの3つ。で、最後に我慢切れて俺も言ったんですよ。『おまえらホントに人間としてつまんねーんだな! 普通に一般のファンの子の方がしゃべってるわ! それじゃ、売れねーわ!』って。最初は可愛がってたんだけど結局、俺の手に負えないっていうか」
当時のシーンはそれでも若手にお仕事があったけど、現状は徒歩でパリ・ダカールラリーに参加してるくらい厳しい。
DMMヤングたちもそれはヒシヒシと感じていると思うけど、ここはひとつ心にパンチパーマをかけてガンバってもいいんじゃない? せっかくご縁があってぱちタウンに入ったんだからさぁ。と強引にまとめたところで最後の質問。
イッチー自身がこれからやりたい番組ってあるの?
「偶然ですけど、これからぱちタウンで市川がやる特番が7本配信される『イチカワセブン』という割とおおげさなプロジェクトが始まるんですよ」
※編注 特別番組の配信本数は現在未定となっております。
うわっ、すごい! ゴイスー!
「自分がやりたいって言ったわけじゃないんですよ。話を聞いた時にはもうイチカワセブンというのは決まってて。そこで、かねてからずっとやりたかったけど色んな理由……まあ、大体は予算の問題なんですけど……それでできなかった企画をDMMが予算を出してくれるんでやっちゃおうと。そのシーズン1を4月に撮るんですよ」
さあ、宣伝だ。イチカワセブンシーズン1となる「THE LOST」が撮影を完了し、現在、編集を進めている段階で鋭意制作中!
ぱちタウンにアップされるまでの間もう少しだけ、乳首を長くして待ってもらいたい。
あっ、最後に短い間でしたがご愛読ありがとうございました。またのりピーのようにシレッと戻ってくるんでその時はヨロピクね。
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