公開日: 2018/12/13
男というのは死ぬほど勝手なアニマルである。ヤ〇マンなのに味噌汁は煮干しからダシを取る、といったギャップに引かれたかと思えば、自分がイマジンした通りのキャラクターであってほしいと願ったりする。そして今回、お話を伺う東海DMMぱちタウンエンジェルス、写写丸風に表記すれば神崎れりあクン(20) に対して、オデは汚れを知らない美少女の像を求めていた。
だって、この業界に入ると、どんな美人でもいつのまにか、古参の二等兵のように戦場（ホールの）匂いを身にまとってしまうのだが、ハタチになったばかりのれりあクンにはまだ、それがないんだもの。この子をパチスロ色に染めたくない！ もし、お母さんが病気で薬代が必要ならオデが出してあげようとまで考えていたのだが、れりあクンにはとんでもないギャップがあった。美少女なのに、パチスロガチ勢なのである。巨砲オジサンはそういうの求めてないんだけどなぁ。
まずはこの仕事についたきっかけから教えて。
「もともと名古屋の事務所に所属していて。パチスロが好きで、パチスロの仕事がやりたいってお願いして紹介してもらいました」
えーっ！？ 自分からやりたいって言ったの？ その裏には弟の学費を稼ぐためとか、ニューヨークで絵の勉強をするために金を貯めたかったみたいなストーリーはないの？
自分の妄想をむくむくとふくらます巨砲選手を少し困った顔で見つめるれりあクン。そして帰ってきた答えがこれ。
「打ちたかったんで！」
もう個別の回答すらしてくれない。その口調はまさに追い込み時期の予備校講師。「コレ試験でるから、丸暗記な」。とにかく、れりあクンは草原で詩集を読むよりも、パチスロの方が圧倒的に好きみたい。ああ、オデはまだ無垢な美少女であることをどこかで求めているぞ。
そもそも何でパチスロ打つようになったの。彼氏?
「先輩の代打ちみたいな感じで」
代打ちかぁ……美少女から聞きたくないＡランクのワードである。
代打ちなんて言葉使わないでよ…
「ハハハ、これ打ってて、って。それが高校卒業した頃ですね」
ほんの数年前までJKだったんだもんなぁ…
最初からおもしろかった?
「最初は全然、おもしろくなくて……」
だよね、どうやって打てばいいかもわかんないもんね。
「それ（打つことは）は最初から、タンタンタン（ストップボタンを押す仕草）と。家に実機が２台あったんで」
えっ？
「おとうさんが昔、パチスロ好きだったみたいで」
ちなみに機種は？
「猛獣王と花火百景かな。今はもうないですけど」
じゃあ、ご家族の反対は全然ないんだ。
「全然。今でも3人で打ちにいったりするんで」
つまりパチスロに抵抗がない環境だったのか。雑誌の世界でも飛び抜けて若い年齢でこの業界に入ってくるのは、このパターンが多い。パチガイだとなおきっくす★がこのタイプ。
れりあクンの裏切り攻撃はさらに続く。
じゃあ、休みの日はも打ちにいったりするの？
「マイホに行ってます」
マイホって言うんだ…パチンコ屋に毎日いそうな顔じゃないのに。
「それはよく言われます。でも、毎日、徘徊してます。仕事の後も打ちに行くし」
徘徊か。またファンが涙してるよ。
ちなみに取材当日はユニバカ×サミフェスの翌日だったのだが、たまたま３日ホールに足を運べず、ストレスが溜まっていたため、夕方にイベントが終了した後にわざわざ打ちにいったそうである。
割と中毒ぽいとこあ……
「そうですね。でも、その日は（パチンコの）シンフォギア打って勝ちましたよ！」
これは返事が早かった。そして勝ったからOKと言わんばかりに少し胸を張る。どうやられりあクンは肩までどっぷりパチスロ（最近はパチンコも）風呂に浸かってしまっている。そして無垢で可憐なハタチを求めていたオデも、だんだん、そのギャップが楽しくなってきた。
ここまでのインタビューを読んでお気づきの方も多いと思うが、れりあクンは質問に対してとにかく多くを語らない。在りし日の高倉健さんのように短いセリフを、ややぶっきらぼうに繰り出すのだ。
不器用ですから……か、どうかはさておき、例えば６号機はおもしろい？ という質問に対してはまずこんな答えが返ってきた。
「まあまあ」
……どの立ち位置だよ！ メーカーの開発の人が聞いたら、膝から崩れ落ちるよ。そして、高倉れりあは不器用な答えで追い討ちをかける。
「なんかミミズ（が這ったような）みたいなグラフじゃないですか」
どうやら出玉推移のグラフの角度が緩やかなのがお気にめさないらしい。各メーカーの開発者のみなさんの心中お察し申し上げます。でも、こういう若い層を取り込まないと未来は開けないからね。くじけず頑張ってもらいたい。
マイホでの立ち回りについて話題を変えると、れりあクンのギャップはさらに広がっていく。
主力機種とかあるの？
「う～ん、ホントになんでも打つんで。朝は弱いんで、夕方から履歴見ながら何を打つか決めて」
（C）1998「リング」「らせん」製作委員会 （C）FUJISHOJI
ゾーンや天井狙いは？
「やります！ 凱旋の800（ゲーム）があったら、よしって（携帯を下皿に投げるポーズ）」
そして聞いてもないのに「コンパニオンのときはやりませんよ」と胸を張る。当たり前だっつーの！ ただ、やったらそれはそれでハイエナエンジェルスとして人気は出そうだけどな。
そして「じゃあ、勝ってるよね。パチスロ楽しい？」と聞いた瞬間、天使の口からまたまた、まさかのセリフが吐き出された。夢見る少女だと思っているファンの人はちょっと心の準備をしといて！
「期待値はウソをつかないので」
中学までは男の子と鬼ごっこしたり、セミを捕まえたりという活発な少女だったというれりあクン。パチスロは少女を色んな意味で大人に変える。
……な、なるほどね。そうなるとコンパニオンをやってる時は多少、仮面を被ってるところはあるんだ。
「被りまくってます。ジャグラーを打ってるときでも、あっ、光った! とか驚いてみたり（笑）」
何ちょっと悪女の顔して言ってんだよ、もう！ それにしてもこの子は聞かれたことを何でも素直に答えすぎる。プロは仮面を被ってるって言わないものだよ。ベテラン女子ライターなんて、仮面がいつのまにか素顔になってるから。
「仮面は被ってますけど、ウソをつくのが嫌いなんで。ファンの方に聞かれちゃうと、つい正直に答えちゃうんですよ」
確かに聞けばホントに何でも答えてくれるんだよ。
本音を言えば仮面は被りたくない？
「はい！」
そんなれりあクンに朗報が！
担当Ａから聞いた話によれば、ぱちタウンエンジェルスにはコンパニオンからタレントに転身する道も用意されているらしい。どっちの方が稼げるかは所属事務所との契約もあるので、はっきりとは言えないのだが、れりあクンのギャップはタレントの方が向いてるように思う。
そんな話をインタビューの合間にれりあクンの百万石の正直さが心配で、インタビュー現場にやってきていた東海地区のコンパニオンを担当するＴさんにしたところ、
「天使のような子だと思ってくれているファンも多いんですけど、れりあの魅力は巨砲さんもおっしゃってたようにギャップとパチスロがホントに好きなところなので、方向転換は考えています。これからはコンパニオンにタレント業を加えて徐々にその割合を増やしていって、いずれはコンパニオン業ではなく、タレント一本でやらせたいって考えてます」
とのこと。
美少女なのに中身は俺らと一緒！ で人気が出るかもね
もちろんすべてはれりあクンの意思次第だが、「初耳です」と言いながらもキラキラした目が問わずとも答えを語っていた。
オデも賛成。なかなかいないキャラクターだもの。あと、この顔でガチ勢の上に、しゃべりが健さんライクだもの。これまでお話を聞いたDMMヤングでガチ勢ってオモダたくみくらいだから、確実に需要はある。さて、ここからは未来に向けての話をしよう。
タレントさんになったら何がやりたいの？
「Youtubeめっちゃ見てたんで。実戦動画みたいなのをやってみたいです」
そんなに見てたの？
「高２の時にスマホを持ってからは、テレビを見なくなって。家にいるときはほとんどYoutubeで動画を見てました」
こんなところで若者のテレビ離れの証拠を発見。
ちなみに演者は誰が好きなの？
「１番最初に見てたのが〇〇〇〇さんで次が〇〇さん、〇〇〇〇〇の〇〇〇〇さん。あと、あんまり有名じゃないけど、〇〇〇〇〇〇〇さん」
（小声で）お嬢さん、よくYoutubeを見てるのはわかったけど、そろそろDMMのタレント言わないと。こういうところでタレントの政治力が試されるよ。
「あと、ゆずっきーさんも見てます」
れりあクンの心の声によればもちろん順不動だし、他にもDMMに好きなタレントはたくさんいるそうである。巨砲選手のように28年もライターをやっていると、知らない間にそういう能が身についてくるのだ。
実戦動画はやりたいっていえばすぐやれんじゃない。
「でも、自信ないです。あいつ全然知らないじゃんとか言われて叩かれそうで」
ということはちゃんと機種の説明したいんだ。
「打つのはホントに好きだけど説明もしたいです。親と並び打ちしてるときもこれアツい、何％とか言っちゃうタイプなんで」
普段から数字は覚えてるの？
「好きな台はネットで調べますね」
ここで雑誌って言ってくれないのが若さだが、どうやられりあクンはいわゆる正統派のポジションを目指しているらしい。が、そうなると巨砲選手ができるアドバイスは限られてくる。なんかあってもわたしハタチだからで押し通せば大丈夫だよ。
「ハハッ」と小さく笑うれりあクン。その目は心底、相談するんじゃなかったとこちらに語りかけてくる。ごめん、ごめん、ちゃんと考えるよ。
まじめに答えると撮影の前にショールームで１回実機をさわって一通りの演出と流れをお勉強しておくとかね。パチンコの演出詳しいライターはそれやってるよ。
「なるほど」
スロだと変則打ちして、ここを押せばアツいとかフラグ察知が早くできるとか説明すれば、上手そうに思われるんじゃない。目押しはできるんでしょ。
「できますよ」
じゃあ、大丈夫だ。れりあ選手は知らないかもだけど、世の中には目押しもできない女子ライターが結構いるからね。目押しできるだけで評価は上がったりするよ。あと、自分よりヘタな人と組むのも上手く見せる手だよ。巨砲選手なんてどう？
「ヘタなんですか？」
普通に打てるけど、数字はまったく覚えないからね。「引っ込め、デブ」、「冬なのに水牛みたいに汗かくな」とか動画の悪評はオデが一手に引き受けるよ。あなたのスケープゴートになりましょう。
「本当ですか！？」
おっ、乗ってきた。じゃあ、れりあチャンネルとして早速企画を出しちゃおう。実戦時間はどうする？ ３、４時間くらいでいい。
「短くないですか。それじゃあ、見せ場が全然ない可能性もあるし。見せ場はなるべく作りたいんですよ」
マジメ。どうやられりあクン、動画に関してはかなりはっきりしたビジョンを持っているみたい。
たぶん、台に座ったらちゃんと選んだ根拠を説明するタイプだよね。
「しますね」
今日は目が覚めたらこの台の気分なんでとかいってマイナー台に座ったりは？
「絶対にしないです。朝から打つなら抽選を受けてちゃんと立ち回りたいです」
ガチ勢だからこそのこだわりと、それに伴う結果があるのでしょう
……残念ながら１秒もカメラを回さないうちにコンビ解消。オデはその日の気分でマイナー台とか打ちたいもの。それはさておき正統派の演者ってライバルが多いけど、れりあクンにはギャップという武器がある。それを上手く出していけば結構、売れると思うよ。
「ホントですか？」
今までYOU君以外は全員売れるよって言ってきたけど、売れそう度でいえばナンバー１。今までにない個性って相当な武器だと思うよ。見た目は天使。中身はスロプーって、いそうでいなかったから。あとはやる気さえ見せれば。やる気はあるんでしょ？
「めちゃめちゃあります」
全然、やる気のあるトーンじゃないけど…
「めちゃめちゃやります！！」
じゃあ、来年からは神埼れりあ来店のポスターに吹き出しで「期待値はウソをつかない」って入れてもらおうよ。
「それはイヤです」
なぜって理由を尋ねたら、れりあクンはこう答えた。
「負けてる人から恨まれそうじゃないですか」
何も知らないような顔して、自分がパチスロで勝つことに対するゆるぎのない自信。そのギャップがあればキミは大丈夫だ！
そして売れっ子になったあかつきには、質問に対してもう少し長めに答えて。今回のインタビュー、オデが９割じゃべってっから！
神崎れりあ編 完
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