あると思ったのにないもの

　あると思ったのにないものと聞いて思い浮かべるのは何でしょう。下皿のコインか、銀行の預金残高か、はたまた昨夜彼女に言われて気づいた己がチンポの大きさか。まさか思い遣りなどという心優しい方がこの下品なクソブログを読んでいるとは到底思えませんが、セブ島暮らしを始めて三週間、あると思ったのにないものが多すぎてちょっと困っています。

　電子マネーがありません。いや、厳密に言うとそれらしきものはこちらにもあるのですが、なにしろ私は日本人の78％が知っている（総理府調べ）テザリングなるものを婚約指輪かなにかの類だとかなり本気で思っていた情弱なので、使い道が判然としないものに関してはないも同然。ラインペイもペイペイもない世界というのはまずもってあり得ない、私の中では梅屋敷の次の駅がゴミ屋敷くらいあり得ない話です。

※VAPE屋でも電子マネーは使えるそうですが、念のため言っておくと違法なものは売っておりません。

　最も切実なのは英語力。シドニーに住んでいた頃は特に不自由なく話せたのでそう困ることはないだろうと思っていましたが、先日、現地人の男性が英語で「自分の彼女はサイコだ、サイコ」と、気狂い女と付き合っているかのような発言をしたので、てっきりフェアリンと付き合っているのかと思ったら、後日、その現地人がサエ子という名前の日本人女性と付き合っていることが判明。昔、オーストラリアのコンビニでベンソンと言ったらペンシルが出てきたことがあるのでスピーキングには元々自信がないのですが、ヒアリングに関しては少しだけ自信があったので、これはかなりショックでした。三十年前の私と今の私の英語力には青函トンネルと性感トンネルくらいの違いがあるということでしょう。もっとも、字面だけ見たらどちらもスケベな感じはしますけど。

※現地人とは英語でなく目、主にアイコンタクトでコミュニケーションを取っています。目と目で通じ合うと工藤静香も言っておりましたし。

　それ以外にもあると思った電子タバコがなかったり、絶対にあると信じて疑わなかったアバンチュールがなかったり、色々と不便を感じているという風な話を少年にしたところ、よほどつまらなかったのか、終始無反応。しばらく経って、全然関係ないことを私に聞いてきました。

少年「で、給料はどれくらいなの？」

　会社が軌道に乗るまでは無給。家賃も生活費もすべて自腹であることを告げると、かなり食い気味に「それだろ！　あると思ったのにないものは！」というド正論の剛速球が電話越しにすっ飛んできました。

※7island-express,com

セブ島でのお車、現地アクティビティの手配は弊社でお願いします。私がセブ島に滞在しているときなら会えます。多分。