中武先輩の異常とも思える記憶力

　もうかれこれ二十年以上の付き合いになるでしょうか。目押しに攻略に鉄道に車の運転技術、下腹にぼんやりに間引いた薄毛にシンナーと、中武先輩の凄いところは枚挙に暇がありませんが、私が最も凄いと思うところは海馬、異常とも思える記憶力です。

※中武先輩の異常とも思える腹回りはアイコス置き場になっているようです。

　中武先輩の犯罪スレスレ歴を綴った「回想列車」を読んだことのある方ならご存じでしょう。何年の何月にどこそこのホールでなにを打ち、どのような攻略法を駆使してブッコ抜いたという話だけでなく、それにまつわるエピソード、たとえばヤバい人に車で追っかけられたとか、事務所に連れて行かれたとかいった話が事細かに綴られているのですが、なにが凄いってそれをメモも日記もなしに記憶力だけを頼りに書いている点が凄いのです。無論、書くときは練乳一本一気飲みで血糖値をガツンと（みかん）上げているとは思いますが。

※昨日、先輩は麻婆豆腐麺を注文して豆腐を全部残しました。よく分かりません。

　多感な時期の記憶は色あせないと言います。実際、私も渋谷や新宿に行きますとまるで昭和の時代にタイムスリップしたかのように当時のことを鮮明に思い出します。渋谷スクランブル交差点を渡ったところにあった東宝系の映画館で田原俊彦の映画を観たとか、地方の方は道玄坂と、東京の方は円山町と呼ぶラブホ街のカサディドゥエによく行ったとか、色々思い出すのですが、残念ながら私はここまで。映画のタイトルが「ジェミニ・YとS」だったか、「グッドラックLOVE」だったかは思い出せませんし、カサディドゥエに行ったのがヨーコちゃんだったかマコちゃんだったかエミちゃんだったか、それとも名前も知らぬどっかのアバズレだったか、そのあたりもまったく覚えていません。そう考えると中武先輩の記憶力はやはり凄いと思うのです。いや、半年くらい前にクレ落ちした壇蜜を設定6だと言い張っていたのでもしかすると阿久津丈二よろしくタイムスリッパーの可能性もワンチャンありますが。

※先輩がラインを送信した時間に注目。

　昨日の朝9時前、中武先輩からかようなラインが送られてきました。収録開始は12時である旨伝えたのですが、本人、記憶力には絶対の自信があったのでしょう。「え、」というある意味、予想通りの反応が返ってきました。

　そして先輩は収録開始までの二時間、吉野家で牛丼を頬張った後、パチンコのバベルを打ち二万負けて激ギレ。集合時間のちょい前に私がホールに行ったとき、先輩は憤懣遣る方ないといった表情を浮かべていましたが、下にあるラインのやりとりをご覧になればお分かりのように12時開始、その言い出しっぺは中武先輩なのでこれは激ギレではなく完全に逆ギレ。昔のことは覚えているのに、少し前のことはなにも覚えていないようです。

※勝手に早く来て、勝手に負けて、自分勝手にキレていると。つまりそういうことです。