サイン(ミスチルに非ず)
記事一覧へ公開日: 2023/04/13
会えた、嬉しい、ハグしたい。ハグした流れでキスしたい、あわよくば舌も入れておきたい。私も男なのでそう思う気持ちは分からなくもありません。多分、私はおちんぽ騎士団ではありませんが、憧れのあの娘に会えたらそう思うのは、ある意味、当然だと思います。ただ、それを実際にやればどうなるか。不起訴の可能性は少なからずありますが、不本意な形で地上波デビューを果たすことにはなるように思います。
※抱きつきたかったけど、裏投げ決めてほしかったけどツーショットで我慢しました。
だからツーショット写真で我慢するのです。差し入れにオリシャンにオフ会に遠征費に欲しいものリストと、これまでにあの娘に遣った金額を考えたらまるで割に合わないと思いつつも、ぎこちない笑顔のツーショット写真で我慢するのです。そして憧れのあの娘がまたホールに呼ばれるようにと何十枚目かのサインを書いてもらうのですが、ここでふとある疑問が湧いてきました。ペンの色が違ったり、日付が違ったり、記したメッセージが違ったりしてもサイン自体は同じもの。まさかクレジットカードのサインを書くバカはいくら世界広しといえど私くらいのものでしょう。であるなら何十枚、何百枚とあるあの娘のサインをあなたはどうしているのですかと聞きたいのです。
※先日、銀座の高級クラブで生前猪木が飲んでいた空のサイン入りボトルを頂きました。家宝です。
猪木に長州にライガーに棚橋に前田にミスターデンジャー、私の家にもプロレスラーのサイン色紙がたくさんあります。もらった当初はそれを眺めてうっとりしているのですが、おおむね一週間もすると引き出しに仕舞います。無論、額に入れて壁に飾るという選択肢もなくはありませんが、ちょっと私の家のインテリアにはマッチしないというか、個人的に壁にサイン色紙を飾るのは味に自信のないラーメン屋と焼肉屋だけだと思っています。
中には燃えるゴミの日に捨てている方もいるでしょう。メルカリで販売しているという方もいるでしょう。だからサインをする側は捨てられぬため、転売されぬため「この人には以前サインを書いたことがあるな」と思ったら少し工夫を凝らしたほうがいいというか、そのほうがサインをもらう側も嬉しいのではないかと思うのです。
先日、埼玉の収録現場にとある女性タレントの騎士団の方がいらっしゃいました。彼はいつもスケッチブックにサインを書いてもらっているとのことだったので、それを見せてもらったところ、これまでのサインの在り方に一石を投じる革新的なサイン、いや、芸術作品が目に飛び込んできました。
正直、なんのことやらサッパリです。主語が抜けているためどこに入っていたのか分かりませんし、63番が入場抽選の番号なのか否かも分かりませんし、そもそもこれをサインと言っていいのかどうか、そのあたりもよく分かりません。これは一体どういうことなのか……その答えは騎士団の彼の風貌にありました。
※見た感じは少々あれですが、話してみたらとてもいい方でした。
なるほど、坊主だからムショ、ムショだから番号呼びということですか。何故63番なのかは分かりませんが、このぶっ飛んだ発想に魂を大いに揺さぶられたのは私だけにあらず。当の本人も怒るどころか喜んでいるのですから、これはもうお見事としか言いようがありません。こうしたカブトムシゆかり先生の卓越したセンスは心底見習うべきだと思うのですが、相手を間違えると不本意な形で地上波デビューを果たすことになりますし、最悪、自らが留置所で63番と呼ばれる可能性も否定できません。そう考えると見習うべきではあるものの、決して真似すべきではないのかも知れません。
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