公開日: 2026/02/27
あれは二十歳の頃でしたか、バイト先の店長にボッコボコに殴られたことがあります。恐らく最初から素直に殴られていればポコ美女史よろしくポッコポコ程度で済んだはずですが、条件反射的に一発目を避けてしまったのがいけなかった。店長の怒りの炎に油を注いだ結果、試合後のロッキー、いや、試合前のチェホンマンみたいな顔になってしまいました。
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ただ、よくよく考えてみれば人を殴る行為は暴行罪ないし傷害罪が成立する可能性があります。店長は天海祐希の従兄弟でしたので警察に被害届を出して緊急取調室送りにしてやれば良かったと思わなくもないですが、如何せん、時代は昭和。合理的にあり得ない話でも当時はそれが普通のことだと私だけでなく誰もが思っていましたので誰かに…たとえばBOSSとか離婚弁護士とかに相談するという頭はまったくありませんでした。ちなみにぶん殴られた理由は度重なる遅刻。このときは目を覚ましたら23時でしたので、どう考えても落ち度は私にあるのです。

激動の昭和に生まれた私世代には「言うことを聞かなければ叩く」「叩けば直る」という文化が確かにありました。中学のときは女子の体操着の匂いを嗅いで体育の山田先生によく叩かれましたし、高校のときは掃除をサボって松平先生にモップで頭を叩かれました。もっと言えば中武先輩の回想列車には「金返さない、顔を叩いた」みたいな記述が頻繁に出てくるという話を平成生まれ二十三歳の息子にしたら、それは俺が浅草でエアロスミスのスティーブン・タイラーに道を聞かれて「Walk this way」と答えるくらいあり得な話だと言われました。

ただ、その一方で「なるほど、そういうことか」とも言われました。ただ、それがどういうことなのか理解できなかったので理由を聞いてみたところ、かような答えが返ってきました。
「テレビの調子悪かったとき、バンバン叩いてたじゃん」
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