イメージ！　イメージ！

　これまでのバジ絆との戦いを振り返ってもちょっとあり得ないというか、俺のバジの歴史上最強のゴミっぷりを発揮したといっても決して過言ではないキングオブゴミリスクに見切りを付け、泣き顔でスマイル、すり切れて正社員な感じで向かった先は一発逆転のある北斗転生……ではなく、その隣に申し訳なさそうに設置してあったプチマーメイド。北斗転生をチラ見ときどきガン見して、気分だけでも出入りの激しい勝負をしている気になりたかったのです。

　北斗転生を打っていた男性は私が出演するテレビを観たことがあるらしく、私がプチマーメイドに座った瞬間、声を掛けてきてくれました。いつもサイトセブンでサラもり観ていますと。勘のいい方ならもうお分かりでしょう。そう、彼は嘘をついています。正しくは以前何度か観たことがあります。何故ならサラもりはとっくに終わっていますから。

　彼の擦る転生はゴミでした。強チェを引いても特殊リプを引いても天破に入らぬ、紛う方なきゴミ台でした。液晶表示は977あべしでゲーム数カウンターは860。台が設定1であることを強く主張していたので、俺、言いました。忌憚のない意見を言いました。その台、マジでヤバいねと。すると彼はこう返してきました。ヤメませんよと。

当たり前です、そのあべし数で捨てるのは筋金入りのバカであり、バイバイファニーボーイであり、そもそも転生を打つ資格がありません。がんばれよと心の中でエールを送ったその刹那、あにはからんや、彼はこんなことを言ってきやがったのです。

「俺がヤメたら、塾長、エナるでしょ…」

　おいおい、ちょっと待てと。プライベートならいざ知らず、仕事で訪れているのにエナ行為など言語道断。夢を見てる打ち手に送るべきはドリーミンであり、絶望ではありません。だから大丈夫だと、絶対にそんなことはしないと真顔で伝えたところ、あろうことかあるまいことか、彼はこう言いました。

「サラもりでよくガル憎の台をエナってたじゃないですか。なんかそんなイメージなんですよね。っていうか、隣に座ったのも俺の神拳勝舞がやりたかったからでしょ」

　俺は一体どんなイメージなのでしょう。もはやイメージ、イメージ、イメージダウンどころの話ではありません。これ以上、ダウンのしようがないところまで俺のイメージは悪くなっているようです。はい、おしまい。