経験者は語る〔5〕運送会社・深夜の仕分けバイト
記事一覧へ公開日: 2023/10/01
前回に引き続き、今回も深夜バイトのお話になります。
今と違って大学生のときは健康そのもの、元気いっぱいでしたからね。
深夜だろうが昼間だろうが時給のいいバイトだったら何でもやりまっせ~!ってなもんですよ。
(´・ω・`)
勉強は?
今から30年ちょい前の写真。
大学のサークル活動で、山梨県の北岳に登ろうとしているときのやつです。
(´・ω・`)
今よりも体重が35kg少なかったころ
二段飛ばしで階段を登れたころ
大学1年生のとき、サークルの先輩たちが持っていた一眼レフのカメラが魅力的でして。
オレも欲しい! オレも夏合宿にカメラを持っていきたい! ってなったんですよ。
しかし、夏合宿の出発の日までは残り一ヵ月ちょい。
モタモタしていられません。
カメラを買うお金を短期間で貯めるためには、時給のいいバイトをやるしかないのです。
そこで意を決し、突撃したのが運送会社の深夜のバイトでした。
トラックに乗ったりとかは一切ありません。
荷物の仕分けです。
22:00―7:00の9時間拘束、実働8時間ぐらいだったと記憶しています。
そんなこんなで迎えたバイトの初日。
まず驚いたのが、深夜のシフトに入っている人員の約半分が某国出身の留学生(いろんな国ではなく、ひとつの国)だったことです。
残り40%が日本人のアルバイト(30~50歳ぐらいがメインで、大学生は名波アマひとりだけ)、そして10%が制服を着た社員でした。
で、えーと、今だから話せますけど、リーダー格の男性社員の態度が横柄(おうへい)でしてねー。
実際にエラいんだから仕方ないとはいえ、ですよ。
とくに外国人留学生たちに対する態度はヒドイもんでした。
ただ、留学生チームのほうも黙ってなくてですね、留学生vs社員で何度かバチバチと口喧嘩している場面を目撃しました。
早口&全力の「◯◯語」って、すごい迫力なんですよ。
まあ、それはそれとして。
バイトの2日目だったでしょうか。
リーダー格の男性社員が名波アマに対し「そこの段ボール箱、ほかしといて」と言ってきたんです。
名波アマ「(ほか…しといて?)」
意味がまったくわかりませんでした。
(どかしといてって言ったのかな?)
(段ボール箱が今の位置にあると邪魔になるから少し動かせって意味なのかな??)
ズズズ…
(段ボール箱を少し動かす名波アマ)
ドアホ!
ほかせゆうたやろ!
状況を察した他の社員が「ほかせは捨てろってことやで」と教えてくれました。
ほかす=捨てる
ほかっといて=捨てといて
ほかせ=捨てろ
これね、関西地方では広く当たり前に使われてる言葉なんですよ。
その直後からリーダー格の男性社員の名波アマに対する扱いが「日本人なのに日本語が通じない大学生」になってしまいまして。
休憩時間とかに、現代の言葉でいうところの「ウザがらみ」をされるようになったんすよ。
「あ、そういえばお前は日本語わからへんのやったっけ? ワッハッハ~、スマンスマーン」みたいな。
(´・ω・`)
いまだにアナタのことは忘れていませんよ
んで、雑用期間がおわり、バイトの3日目ぐらいからはラインに配属。
いよいよ本格的に「仕分け」の作業が始まりました。
リーダー格の男性社員と顔を合わせることがほとんどなくなり、ホッと一安心です(にがわらい)。
ここから先は、各ラインのバイトリーダーさんの指示にしたがって作業をしていきます。
40歳か45歳ぐらいだったか、このときのバイトリーダーさんが、とてもやさしい人でしてね~。
少しずつ、ていねいに教えてくれました。
「とりあえず今日は伝票に◯◯って書いてある荷物だけやってくれればいいよ」
「これから先、覚えることが結構たくさんあるけどね、あわてなくていいからね」
(´・ω・`)
バイトリーダーさんは関西弁じゃない人でした
京都市の住所表記って、ちょっと特殊なんですよ。
まず長い。
ボクが大学1年のときに住んでいたアパートは
「京都府京都市上京区笹屋町通浄福寺西入ル笹屋町二丁目123番地◯◯アパート101号室」
でした。
なにも足したり引いたりしてないですよ。これが正式な住所です。
※西入ルは「西入る」「西入」表記でも可。
あ、いちおうフリガナも書いておきましょうか。
「キョウトフキョウトシカミギョウクササヤマチドオリジョウフクジニシイルササヤチョウニチョウメ123バンチ◯◯アパート101ゴウシツ」
です。
※笹屋町通=ささやまちどおり、笹屋町=ささやちょう、書き間違いではありません。
西入ルは「ニシイル」って読むんですけどね、「笹屋町通浄福寺西入ル」は「笹屋町通り」という道と「浄福寺通り」という道が交差する十字路を西の方向に入っていったところ、という意味になります。
住んでいるアパートがあるのは「笹屋町通り」に面していて「浄福寺通り」には面していないので、住所表記の「浄福寺」のほうには「通」の文字をくっつけません。
(´・ω・`)
わかります?
余談ですが「笹屋町通り」は東行きの一方通行です。
住所表記を鵜呑みにして、クルマやバイクが「笹屋町通り浄福寺」の交差点を西に入ってしまうと交通違反になります。
(´・ω・`)
にがわらえません
さらに「◯◯町◯丁目」といえば、
みたいに、道路が境界線になっているのが一般的かと思いますが。
京都市の場合は↓
このように、必ずしも道路が境界線になっていないのです(もちろん例外もアリ)。
そんなこんなで、ベルトコンベアーに乗ってゆっくり流れてくる荷物(主に段ボール箱)の伝票をひとつひとつ確認しながら、「これは自分が担当してるエリアだっ!」と判断したやつだけをピックアップし、所定の場所に積み上げていきます。
おそらく今だったらバーコードとかQRコードのシールが貼られていて、機械的に仕分けることができたりするんでしょうけどね。
当時は、まあまあアナログ的に、人海戦術で必死に作業したものです。
現場のリーダーさんがやさしかったおかげもあり、少しずつ仕分けの作業に慣れていき、無事に約一ヶ月間にわたる深夜バイトを終えることができました。
じゃじゃーん。
このとき貯めたバイト代で買った一眼レフのカメラがこちらでござい。
捨てたりメルカリで売ったりせず、今でも大事に保管しています。
カメラ本体のほかにも、望遠レンズやらストロボやら専用のケースやら三脚やら。
総額で15~20万円ぐらいだったんじゃないですかねえ。
(´・ω・`)
買ったのは三條サクラヤ
かっぱーん。
フィルムを出し入れするときに開ける裏蓋です。
当たり前だけど「デジカメ」なんかじゃありませんよ。
普通のフィルム式のカメラです(いや、すでに“普通”ではなくなっているのか)。
カメラ本体も望遠レンズのオートフォーカスも、電池を入れれば今でも問題なく動きます(動作確認済み)。
(後日談)
この1年後だったか2年後だったかぐらいに、一緒に働いていた“外国人留学生”たちが実は労働の資格を持っておらず、違法な状態だったことが判明。
法人もろとも当局に摘発されてしまいました。
新聞やテレビ等で、まあまあ大きめに報じられまして。
そもそも大学や専門学校の「留学生」ではなく、働くだけの目的で違法滞在していた者もいたとかなんとか。
(´・ω・`)
うっかり長くなってしまいました、これにて第5弾を終わります
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