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魔の10日間-前編-

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公開日: 2022/07/25

 

約10日間、体調を崩していましたがようやく平熱に戻りました。流石に10日間寝込んでいたので、肉体面などまだまだポンコツですがようやく日常は戻ってきた感じです。では、この10日間、何があったのか。今回はそれを語りたいと思います。

 

【7月9日…発熱1日目】

朝起きると、軽い頭痛がして身体も熱っぽさを感じた。念のために体温を測ると36.8℃と微熱気味。まぁ、これぐらいなら珍しくないのでほっといても治るだろうと、とくに気にせずいつも通り外出。

 

 

 

 

昼にはラーメンを食べて、クソどうでもいいツイートなんかもした。

 

だが、頭痛はおさまるどころかどんどん激しくなり、夕方ぐらいになると身体もふらついてきた。数多の美女との恋愛フラグをへし折ってきた鈍感な私でも、「これはおかしい」と思い、急いで帰宅して再び体温を測ってみると37.8℃と立派な(?)病人ができあがっていた。

 

体調が悪いときは早く寝るのに限る。そう思い、少し早めに夕食を取って布団に入ろうと思ったのだが、食べ物がのどを通らない。自分でもビックリするほど食欲がなくなっていた。

 

正直、嫌な予感しかしなかった。それでも自分にできることは、全身を冷やして寝ることだけしかなかったので、その日は早めに電気を落として就寝した。

 

【7月10日…発熱2日目】

目が覚めると、身体に起きている異変はすぐに感じ取れた。頭痛はさらに激しくなっているし、身体は熱いし、なにより起き上がるのが辛かった。これは37℃どころではないなというのはすぐに判った。体温を測ってみると、予感は的中していて38℃を余裕で超えていた。

 

こうなると、脳裏に浮かぶのは「コロナ」の3文字。ここ最近、感染が爆発的に広まっているというニュースを耳にしていたので、ついに自分もなってしまったのかと絶望感。ただちに医療機関で検査してもらいたかったのだが、当日は日曜日。どこも診察していなかったので、明日診てもらうことにした。

 

相変わらず、食欲はなく固形物はのどを通らなかった。いや、厳密に言うとお腹は空いていたが、それなのに食べ物らしい食べ物を口に入れられないという苦痛を味わった。

 

【7月11日…発熱3日目】

まずかかりつけ医に連絡するも、ここではコロナ検査をしていないということだったので、感染症専用ダイヤルというのを教えてもらいそこに連絡をした。このダイヤルで症状を話すとコロナ検査が行える医療機関をいくつか教えてもらえたので、そこに連絡すると

 

「予約でいっぱいです」

 

そう返ってきた。「体調が悪いのに診てもらえない」、ここで自分の置かれている状況がかなりヤバいということを理解した。

 

相変わらず体調は最悪だ。一刻も早く診てもらいたいのだが、どうしようもない現実が壁のようにそそり立つ。

 

「予約でいっぱいです」

「予約でいっぱいです」

 

感染症専用ダイヤルで教えてもらった医療機関も残りわずか。もし、全滅だったらどうしようか、いや、どうしようもないなと半ば諦めかけていたが

 

「午前中は予約でいっぱいですが、午後は13時から受け付けています」

 

救われた、ようやく救われた。ただ、13時から受付開始というだけで、診察してもらえるのが確定したわけではない。訊いてみると、すぐに予約は埋まってしまうとのこと。

 

これはもう気合いだ、気合い。気合いで予約を勝ち獲るしかない。

 

午前中はずっと天井を見上げてぼーっと過ごしていたが、13時になるや否や鬼の形相で電話を掛けた。

 

1回、2回、3回…繋がらない。4回、5回、6回…全然繋がらない。7回、8回、9回…全く繋がらない。

 

そして、病体に鞭打って気合いで30回ほど電話したとき、RRRRRとようやくスマホから呼び出し音が鳴った。もうすでに13時から結構時間が経っている。

 

まだ予約は埋まっていないか、大丈夫か。ドキドキしながら待っていると、「大変お待たせしました、○○医院です」の声。コロナ診察の旨を伝えると、15時からなら空いているとのこと。とりあえず、これで最悪中の最悪という事態からは逃れられた。

 

熱のせいでふらふら、歩くスピードは遅い。普通なら5分ぐらいで着く距離なのだが、10分以上掛かってようやく目的地に到着。

 

コロナの可能性があるので院内には入らず、屋外に張られたテントで診察。高熱が続いているということ、頭痛が辛いということ、食欲がないことなどなどを伝えると、今度は医師からの質問。

 

咳はあるか? 否
鼻水は出るか? 否
のどの痛みはあるか? 否
下痢はあるか? 否
味覚障害はあるか? 否

 

医師は少し首を傾げて、次はコロナの検査。

 

細い綿棒を鼻の奥に突っ込まれて激痛が走ったのだが、私は過去にインフルエンザの検査で既に経験済み。もう覚悟はできていたので、痛かったけれど問題なく終了。初めてだったら、間違いなく想像以上の痛みで悶え苦しんだことだろう。

 

結果が出るまで数十分ほど掛かるらしいので、その間じっと待つ。ただ待っているだけなのだが、熱のせいで心が弱っていたので超がつくほどのネガティブ思考、不安で押し潰されそうになったりもした。数十分であるはずなのだが、自分の中では数時間ぐらい経ったような感覚だった。

 

そして、時間が経ち検査の結果が医師から伝えられた。嫌な緊張感、心地よくないドキドキ、熱のせいだけでなく身体中に汗をかいた。

 

「陰性ですね」

 

陰性、それすなわちコロナを否定したということ。発熱から3日経っているので、偽陰性の可能性は低く精度も高いとのこと。また、医師曰く、「(夏)風邪」とのこと。

 

案ずるより何とやら、風邪なら心配ない。何気に私の誕生日は3日後に控えている。とりあえず、その前には治るだろう。高熱の中でハッピーバースデイ、そんな人生最悪の誕生日を迎えることはないだろう。よかった、よかった。

 

そう安堵していたのだが、ここからが本当の地獄だということはこのときの私はまだ知る由もなかった。

 

……つづく

 

※次回の更新は水曜日あたりを予定しています。

 

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