チョベリグなJC

大手飲食チェーン店で食事をしていたら店内放送で「平成レトロ復活」と新メニューの紹介をしていた。なんでも、期間限定で昔あったメニューを復活させたそうだ。なるほどと思いつつも

「平成レトロ」

という言葉に動揺を隠せなかった。

もう平成はレトロなのか、それだと昭和は何になるんだ。今のJCやJKにとって昭和はどういう扱いになるのだろか…と昭和のおじさんは独り切なくなりながら白飯を噛み締めた。

さて、レトロというと忘れちゃいけないのがスロゲーセン。昔懐かしの機種に触れることができ、しかも多くのスロゲーセンは設定6ないし、打てる設定を選べたりするので現役時代に味わいにくかった高設定でも堪能できる。

で、先日。そんなスロゲーセンで出玉バトルの大会があったので参加してきた。

自分の選択した機種は『ジェットセットラジオ』。4号機でも5号機でもどれでも選ぶことができたので、迷いに迷ったが「4号機でどの機種が好き？」と訊かれたら、間違いなくその名を挙げるだろうジェットセットラジオにした。

どうして、この機種が自分に刺さったのかはよく覚えていないが、とにかく現役で稼働していたときはよく打っていた。そんな思い入れのある機種を打って優勝したら、めっちゃ楽しいだろうな…そんなウキウキ気分で大会に臨んだのだが、当日にある不安が過った。

「ストック大丈夫かな」

ストック機のストック量に不安を感じるのがスロゲーセンあるあるだ。

既述の通り、スロゲーセンでは高設定を打つことができる。よほど奇特な人でない限り、スロゲーセンで低設定を打つことはないだろう。

となると、当然のことながらハマリにくくなるのでストックも貯まりにくい…どころか、連チャンが絡めばストックは減っていくだろう。それが1日ではなく何日も続けば、当然起きるのは「ストック切れ」。また、長い間、倉庫に眠っていた機種だったら、それはそれでストックがリセットされている可能性だってある。

…あれ、ヤバくね？ もしかして、この手のイベントにストック機は不向きなんじゃないか？ そんな嫌な予感を感じながらバトル開始。

ペカリ

開始早々、ジェットチャンス（JC）に当選。

JCは要するにATなのだが、このATは小役を揃えて出玉を増やすためにあるのではなく連続で小役入賞させるために存在している。

ジェットセットラジオは毎ゲーム行われるボーナス抽選だけでなく、小役を7連続入賞させる（厳密にいうと、7G間押し順ベルを取りこぼさない）とボーナス確定となるゲーム性なので「JC突入＝ボーナス当選」となる。そして、このJCには連続性があるので上手くいけばボーナスの大連チャンが生まれる。勝つも負けるもJC次第ということだ。

おそらく、ストックがない状態ではJCが発動しない（多分）と思うので、恐れていたストック切れという最悪の事態は回避できた。

さあ、おじさん頑張っちゃうよ。周りを見渡せば、機械割119％の機種がある、120％超えの機種もある。そんな中、もし設定6の機械割が112.3％のジェットセットラジオが優勝したら…カッコ良くね？

そんなの無理と思う人がいるかもしれないが、もちろん、終日勝負なら勝機はゼロに近い。ただ、出玉バトルは6時間の短期決戦。そうなれば、ヒキがものをいう。

当時のBIGは400枚ぐらい獲得できる、いわゆるA400が主流だ。なので、BIGが連チャンしたときの破壊力は十分、優勝する可能性は十分にある。

で、6時間後。

惜しくもなんともなく惨敗、－800枚ぐらいで終了。

序盤は＋1000枚弱獲得していた瞬間もあったけれど、次第にハマリ出してマイナスの領域へ。兎にも角にも、JCに嫌われ過ぎた。結局、3回しかJCと戯れることができず、しかも全て単発だった。

そりゃ勝てるわけない。

機種の良さを最大限に活かせなかったので消化不良感は否めない。それでも昔好きだった機種と再び相まみえることができるのは喜びである。やはり、JCは最高だった。