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十なのか四なのか

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公開日: 2020/07/13

 

6の日、7の日、ゾロ目の日。


いつもより力を入れる、いわゆる特定日はどんなホールにだって存在しているものだ。その日に夢を膨らませてホールに挑むのが、スロッターの習性と言っても過言ではない。


ただ、特定日ではない何でもないごく普通の日にだって、パチスロは打ちたくなる。そんなとき、あなたならどうするか。


きっと多くの人は、ネット検索などで今日アツいホールを探すだろう。それが賢明だ。それが限りなく正解に近いだろう。


だが、私は違う。いつも通り、いつものホールに向かって、いつものように打つ。もちろん、特定日と比べると高設定にはあまり期待できない。それなのに何故、私はホールを変えることをしないのか。


その答えは簡単だ。


設定に期待できない日には「高設定を掴む」のと同じぐらいの魅力があるからだ。その魅力というのは「どんなに高設定挙動していても、未練なくヤメることができる」だ。


勝ち逃げできたタイミングがあったのに、高設定を信じて夢見たら大ヤケドというのは本当に切ない。だが、「高設定にはあまり期待できない」と判っていれば、「たまたま引いただけ」と躊躇なくヤメることができるのでこんな悲劇に遭遇することはなくなるだろう。


これは先日の出来事。パチスロが打ちたくて打ちたくてしょがない、そんな衝動に駆られたので私はホールへ向かった。そして、私がチョイスした機種は再導入されたばかりの『十字架IV』


この機種が現役で稼働していた頃、私は好んで打っていた。この機種の魅力は何と言っても雰囲気の良さだ。

 

 


 

 


中二心をくすぐる優美な筐体の装飾。

 

 


 

 


業界初…かもしれない開閉式のボタン。ART中の上乗せなど、ボタンを押すタイミングが来たら

 

 


 

 


自動的に蓋が開いてボタン登場。


ハッキリ言って蓋を閉じている意味はない。だが、蓋が開いた瞬間がカッコいいのだ。きっと、ただ単にカッコいいから、この開閉式が採用されたのだと思う。


そして何より、登場キャラクターが魅力的なのだ。

 

 


 

 


何というか耽美的。

 

 


 

 

 

あと、おっぱいおっぱい。

 

 


 

 


そして、そして、女の子たちが百合百合しくお互い噛んだり噛まれたりするのだから、私の趣味直球ど真ん中だ。


こんな魅力あふれる機種なのだが、大きな欠点が存在している。それは出玉性能が控えめということだ。ARTの純増枚数は+1.8枚/G(ボーナス込み)とまったり気味で、5.9号機ゆえに有利区間も存在している。正直、お世辞でも甘いとは言いにくい。


さて、


ドがつくほど通常営業

あまり人気のない機種


間違いなくこれは、設定に期待できない数え役満状態だ。だが、それがいい。だが、それでいい。


で、打ち始めてからまもなく、白十字架揃いが出現して

 

 


 

 


そのまま難なくARTをゲット。絵に描いたような華麗な流れだ。ただ、ART中は上乗せに恵まれず、

 

 


 

 


計100G継続して155枚ゲット。やはり、出玉性能は控えめだ。

 

 


 

 


その後、中段チェリーを引いて2回目のARTも射止めた。

 

 


 

 


今度はそこそこ頑張ったけれど、報われない獲得枚数。それでもART突入に苦戦しなかったので余裕のプラスだ。


さて、ここからどうするべきか。当初は勝ち逃げ万歳の予定だったのだが、BIG確率が1/350ぐらいと明らかに軽い…いや、軽すぎる。


*)BIG確率は1/601~1/360(設定1~6)と大きめ。


これはもしかすると、もしかするんじゃ!?


……いや、冷静になって考えてみろ。今日は何でもない日、そんな日に『十字架IV』に設定を入れるハズがない。そもそも、どうしてこのホールで打とうと思ったのだ。


「高設定にはあまり期待できない」からだろ。「どんなに高設定挙動していても、未練なくヤメることができる」からだろ。


と言い聞かせようとしても、設定6以上の確率でBIGが引けてしまう現実。


待てよ、再導入直後だから“もしかすると”があってもおかしくないんじゃ。……いやいや、今まで新台でも容赦なくぶっこ抜いていたではないか。冷静になれ、クールになれ。


そんな感じで脳内会議で議論を戦わせていると本日3回目のARTに突入。

 

 

 


引ける、引ける。

 


 


BIGが引ける。

 


 


一撃1500枚オーバー。このまま完走しちゃうんじゃないかと思ったが、

 


 


世の中そんなに甘くなく1600枚で終了。気になるBIG確率は、余裕で設定6以上。ここで私は決断した。ここで私は判断した。


ここまでBIGが軽い台が低設定であるハズがない。設定5・6の可能性だってある。だったら、このまま打ち続けよう!


そして、数時間後に激しく後悔したのであった。流石に負けることはなかったが、出玉を半分以上減らしてしまった。


どうして、このホールで打とうと思ったのだ。「高設定にはあまり期待できない」からだろ。「どんなに高設定挙動していても、未練なくヤメることができる」からだろ。


そう何度も度も何度も呟きながら帰路についた。泣きながら帰路についた。

 

 

 

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