新しきオオネ
記事一覧へ公開日: 2021/09/06
今年4月11日、ひとつのホールが長き歴史に幕を下ろした。
他のホールではあまり見かけないレトロ・レア台を多数設置しており、独特の雰囲気を醸し出していた“味のある”ホール、その名は『ニューオオネ』。
神奈川県西部のお世辞でも都会とは言えない、電車から見える景色がビル→民家→畑と変わっていく途中にある小さなホール。そして、私の生活圏内にあるホール。
初めてバーチャルYouTuberと一緒に実戦したホール。
『ニューオオネ』と初めて出会ったのは、パチスロ覚えたての4号機時代。当時も売れ筋ばかり並べている量産型のホールとは違い、独自路線の機種ラインナップだった。具体的にいうと、4号機後期の北斗・吉宗ブームの頃でも『クランキーコンドル』がバリバリ現役で、対面には『レッツ』が設置されていた。
現役稼働機種はひと通り触った…そう思っていた私だったが、このホールに並んでいた機種の多くは「初めまして」で新鮮そのもの。古い機種だが自分にとっては新台、好奇心の赴くまま夢中になって片っ端から打った。
そのせいで初代『ミリオンゴッド』が切っ掛けでパチスロにハマったのに、ミリゴ以前の機種を色々と打っていたという訳の判らないスロ経歴が生まれた。
目を瞑れば昨日のことのように思い出す当時の記憶。手当り次第打っていたから、とんでもなく負けたな。うん。
時代は移り変わり4号機から5号機、6号機。次第にホール内の活気が失われ、ついに4月にホールの灯が消えた。厳密にいうと、5月はじめに数日間だけ営業を再開したが細かいことは気にしてはいけない。
ここ数年、思い入れのあるホールが次々と閉店している。以前、昔通ったホール巡りをしたら半数以上シャッターが閉まっていた。
『ニューオオネ』もそのひとつとなるのか…と物悲しくもなった。だが、蘇った。不死鳥の如く蘇った。
先日9月4日、『ニューオオネ』のリニューアルオープン。正直、驚きはなかった。SNS上では5月後半ぐらいから“匂わせ”ていたので、「ついに来たか」という気持ちが強かった。
もちろん、私は初日から参戦。「行きたいけど遠い」そんな書き込みが多い中、地の利を生かして余裕を持ってホールに到着。
開店30分前だというのに、既にホール前には開店を待つファンで列ができていた。
当日は雨が降っていたので、並んでいたファンのことを気遣って開店時間よりも少し早めに店内に入ることができた。
元々あまり広くなかったホールだったが、さらにコンパクトになって遊技スペースは昔の半分ぐらいになっていた。そのせいも相まって、店内はほぼ満席。
お客全員が台の前に座ったのを確認すると、新店長の挨拶が始まった。ファンからの声援が再開の後押しになったこと、改装工事は業者を入れずに自分たちで行ったこと、今後の展開などを力強く熱く語った。
挨拶が終わると、自然と拍手が起きた。ホール開店時に拍手の音を聞いたのは、パチ・スロ人生で初めてだ。店とお客、普段はバチバチと火花を散らす関係だが、この日は一体感を覚えた。
正直、今のパチスロ業界は景気が良いとはいえない。順風満帆とはいかないだろう、苦戦を強いられるのは避けられないだろう。だが、いちパチスロファンとして、いち地元民として、『ニューオオネ』が今後も活躍してくれることを願っている。
なお、名所(?)であるトイレは
相変わらず、悪意(誉め言葉)に満ちていた。
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