経験者は語る〔2〕ブラウン管製造工場のバイト
記事一覧へ公開日: 2023/09/24
(´・ω・`)
ドンマイ
というわけで緊急企画「経験者は語る」シリーズの第2回目です。
前回は引っ越し補助のアルバイトについて語らせていただきましたけれども、あのバイトをどこで見つけて、どうやって申し込んだのか等、説明が足りませんでした。
当時、全国10都市ぐらいに「学生相談所」(がくせいそうだんじょ)ってのが存在しておりまして、みんな「ガクソー」って呼んでました。
ざっくり表現すると「大学生に日雇いバイトを斡旋するところ」です。
決してあやしいものではなく、文部科学省(※当時は文部省)が所管している財団法人が運営していたはずです。
求人情報がペタペタと掲示板に貼り付けられていて、その中からなるべく待遇の良いところを探したり、スケジュールNGのやつを避けたりしながら、やりたいバイトを決めるのです。
ただし先着順ではありません。
人気の高いバイトは抽選となるため(タイミングによっては倍率10倍超えもザラにアリ)、あえて最初っから穴場のところに応募してバイト×1件を早めに確定させるなど、ちょっとした立ち回りが必要になることもありました。モタモタしていると結局は1件も取れずに終了~となってしまう場合があったんです。
(´・ω・`)
パチンコ屋の朝イチと共通するものがあるな
ちなみに前回書いた引っ越し補助は不人気バイトの代表格でしたが、春の引っ越しシーズンになると人手不足もあってか時給が上がるため、それなりに応募する人もいましたね。
で、今回は大手電機メーカーの「ブラウン管製造工場」です。
日雇いといっても、このときは「連続3日間」のド短期バイトで、日当はバイトの最終日に、まとめて支給されるというものでした。
もちろんこれもガクソーで紹介してもらったバイトになります。
とくに待遇が良かったわけでもないんですが、夏休みのド頭ぐらいのタイミングで「夏休みを有意義にすごすための資金を稼ぎたい大学生がここぞとばかりに集まっていた」こともあってガクソーは大混雑。
プロ野球のドラフト会議で言うところの5巡目ぐらいでようやく決まったバイトだったと記憶しています。
そんなこんなでバイト当日、大学の生協で買った「中古のメットインDio」(ホンダの原付バイク)にまたがり、アパートを早朝に出発。
遅刻することなく、無事に大手メーカーのブラウン管製造工場に到着しました。
ほかにも7人の大学生が集まっていたので、今回のアルバイターは合計で8人ということになります。
指定された事務所に案内され、入構証みたいなものを手渡されたり、名前や住所を書かされたり。
どうやら大学生のアルバイトを雇うのが初めてだったらしく、微妙にグダグダしていたのが気になりましたが、まあいいでしょう。これまでにもそんな現場は何度か経験しています。
さらに安全靴(つま先などに鉄板が入っている頑丈なクツ)や軍手、ヘルメットなどを貸与されて、いよいよお仕事のスタート…
ん?
安全靴?
軍手?
ヘルメット?
ちょっと思ってたやつと違ってました。
ブラウン管の部品をネジとかで組み付けたり…ってのを勝手に想像していましたが、どうやら「完成したブラウン管を梱包&運搬する仕事」だったようです。
単なる力仕事です。
しかも雇用主は大手電機メーカーではなく、その工場内で製品の梱包と運搬を担当している運送会社だったんですね(大手メーカーの子会社なのか、あんまり関係ないのかなどは不明)。
なるほどなるほど、いや、ぜんぜんそれでいいんですけどね。
むしろ、そのほうが気楽な感じでいいんですけどね。
実際、作業は簡単なものでした。
一定のペースでゆっくり流れてくる14~24型(だったっけな?)のブラウン管を手で持ち上げ、箱に詰め込むだけの軽作業です。しかも、もともといるベテラン社員さんの補助的な動きをするだけでオッケーでしたし。
「こんなに簡単な作業なのに、どうして8人も集めたんだろう、せいぜい2~3人程度で大丈夫っぽい仕事量だけどなあ」
みたいな感じ。
で、無事に3日間のバイトが終わり、お金をもらって帰るゾ!
…と思ったら。
採用担当の若い社員さん「明日からも来れますよね?」
名波アマ「いえ、その予定はないですけど」
若い社員さん「えっ」
若い社員さん「明日からも来れますよね?8月末までの一ヶ月間ですけど」
大学生A「明日は無理ですし、一ヶ月間も無理ですね、用事がありますから」
若い社員さん「……」
ものの見事に8人全員が「もう来れません」という返答でした。
いくら大学生がヒマをもてあましているといったって、実家に帰省する予定をすでに立てていたり、サークルや部活動の夏合宿なんかもありますからね。
っていうかそもそも一ヶ月間とかいう話、1ミリも聞いてませんでしたけど??
急に事務所内がザワつき始めました。
部長か専務か社長かわかりませんが、エラそうな人が現れ、今回のアルバイトの採用を任されていた若い社員が猛烈に怒られ始めちゃったんですよ。
なんてことをしてくれたんだと。
どうやら会社としては8月末ぐらいまでの一ヶ月間ほど連続で働くことができる人材を求めていたらしいのですが、若い社員が「とりあえず3日間」でガクソーに求人をかけてしまったんですね。
おそらくガクソーの担当職員が若い社員に対して「長期(一ヶ月間以上)の求人だと応募者ゼロになりますよ。1日だけとか、長くても3日間とかじゃないと誰も応募してきませんよ」みたいなアドバイスをしたんじゃないかと思うんですよね。
それで若い社員がアドバイスを受け入れて、仕方なく3日間限定みたいな条件で求人を出し、集まった中から一ヶ月間やれる人に引き続き働いてもらおうとしていたんだろうと思います。
エラい人の怒りの矛先は、こちらにも向かってきました。
お前らもお前らだ
3日間だけの仕事なんてあるわけないだろう!
いやいやいやいやいやいやいやいや
そこいらじゅうにありまんがな。
なんだったら1日だけとか3時間だけとかも普通にありまんがな。
(´・ω・`)
ウソのようなホントの話
結局バイト代は、その日の内に受け取ることができませんでした。
もともと一ヶ月間の満了時に支払うつもりだったみたいです。
なんじゃそりゃ。
(もちろん後日、きっちり3日分を受け取りましたけどね)
そんなこんなで次回に続きます。
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