へのへのへのじ

記憶っていうのは、どうしても曖昧なモノで。例えばおとといの夜ごはんとかさ。ほら、もう何を食べたかスッとは出てこない。えーっとねぇ…朝はパンだったな。昼は食べてないな。夜は、夜は…キーマカレーだ！ ピーマンいっぱいのやつ！

結構、時間がかかる。一昨日の夜の出来事ですら、そんな感じなんだから。これが20年前の出来事になったら、もう大変よ。初めて行ったキャバクラで、ピチッとした服を着ていたキャバ嬢のピンクのTバックが透けていて、いたく興奮したこととか。付き合っていた彼女に別れ話を切り出した後、なぜか人生ゲーム（プレステの）をやることになって、最終的にゲーム内でその彼女と僕が結婚することになったのを鼻で笑ったら、ハサミを持ち出されてオシッコちびりそうになったこととか。20歳前後の記憶なんて、それぐらいしかないもんね。それも断片的にしか覚えていない。Tバックのピンクっぷりは鮮明に覚えているけどね。

ただ、パチスロのことに関しては20年以上の時が経過しても鮮明に覚えている！ …という自信があったワケですが。いやはや、全然そんなことありませんでした。

あのー、新しく6.5号機で登場したパチスロ ハードボイルドあるじゃないですか？ 僕はもう、そりゃあ4号機のアイツが大好きだったんで。「あのリーチ目がもう一度ホールで楽しめるぞ！」つってさ。鼻息荒めに新装初日から打ちにいったんですわ。そしたら、もうリーチ目とかすっかり忘れてやんの。「あのリーチ目」の「あの」がわからない。一体、何の出目を楽しみにしていたのか…。

例えば、この出目。

停止した瞬間に、体がビクっと反応しました。じゃあ、リーチ目なのかと思ったら、全然違った。「あれー？」っつって。たしか、左リール上・中段２連BAR停止はリプレイの停止型がキモになっていて、こういうリプレイの小山と、

リプレイの「へ」の字型が鉄板リーチ目っていうのは覚えていたんですよ。

ただ、下段リプレイテンパイ＋右リール中段リプレイがリーチ目だったかは定かじゃない。体が反応したということは、少なくとも条件付き（中リール中段BARとか）でリーチ目になる形があるとは思うんだけどね。確信が全然持てなくて、それがすごく悲しかった。

「これが老いか！」

と。まあ、6.5号機になって配列が色々と変わっているから、ある程度は仕方がないんですけど。リーチ目大好きおじさんを自負している身としては、ちょっと痛かったな、と。だってさぁ、ハードボイルドのリーチ目なんて（特に2連BARからの）、ぜーんぶ自分で探したんだぜ？　当時、あんまり金もないのに。激重スペックのハードボイルドを、ヒィヒィ言いながら、あーでもないこーでもないっつってさぁ。それをたかだか20年で忘れちゃうなんて、あの頃の自分に申し訳ないじゃん。

↑にある「へ」の字型のリーチ目なんか、法則を見つけた時、友達みんなに教えて回ったもんなぁ。彼女にハサミで刺されそうになった時も、すぐに友達に言いふらしたけど。あ、だからか。友達に言いふらしたネタは覚えてるのか。どういう基準だよ、まったく。

ああ、そうか。わかった、思い出した。下段リプレイテンパイ＋右リール中段リプレイに体が反応したのは、当時もこれがリーチ目になったりならなかったりで悩んだからか。悩んだ部分だけ強烈に覚えていて、正解を忘れていた、と。なるほど。そうそう、その後に色んなゴタゴタがあってハードボイルドが打てなくなって…ヤメよ。この話を深堀りするのはヤメよ。別れ話の後に人生ゲームやるぐらい、無粋だよ。鬼かよ。そりゃあハサミで退治されそうにもなるよ。

ちなみにリーチ目大好きおじさん、リーチ目を模索する能力だけはそこそこ長けています。初日も打ち始めてすぐに、

これで手が止まったからね。左リールこの形から右リール上段にボトルが止まったら全て2確。なぜなら、ハズレで一切止まらなかった&上段ラインでAT役は揃わない＆強ボトルは右下がりで揃うから。正確に言うとリーチ目を模索する能力に長けているのではなく、ハズレで停止する出目を体に染み込ませるのが早い、かな。それまでハズレでは停止しなかった出目が止まったら、体が勝手にストップしてくれるんですよね。この機能、めっちゃ便利！ たまにバグるけどね。

「リーチ目を覚えたいなら、ハズレ目を知るべし」

今回、そこだけは覚えて帰ってください。あと、

「別れ話をした相手と人生ゲームをするな」

これも覚えて帰ってください。以上、リーチ目大好きおじさん（鬼）からのお願いでした。

By HYO.