泣いたリーチ目
記事一覧へ公開日: 2023/03/28
アナタはリーチ目で泣いたことがありますか?
僕はあります。1度だけ、たった1度だけあります。
あれは今から8年前。アクロスから5号機『ハナビ』がリリースされた直後でした。
僕は初めて打ったパチスロが4号機のハナビで、リーチ目という概念を知ったのもハナビでした。そのハナビがホールに帰ってくる、と。
それまでも『青ドン』シリーズとして何度かハナビっぽい台はリリースされていましたが、どれも何か物足りない、何かがちょっと違うという印象だったんです。でも、アクロス製の5号機ハナビはメーカーさんで試打した時から別格でハナビでした。完璧なハナビ。あのハナビ。むしろあのハナビ以上のハナビ。僕はテンションMAXで新装初日からアクロス製のハナビをお迎えに行きました。
初日は初当りに800G以上を要した挙句、ボーナスがREGばかりだったため完敗。
2日目もREGに偏りまくったおかげで完敗。
3日目はBIGもREGも思うように引けず、完敗。
おかしいぞ、と。こんなに愛しているのに、どうしてこんなに負けるんだ、と。REGばっかりなんだ、と。僕はちょっと新しいハナビが嫌いになりました。だって、あんなに愛し合った仲なのに、僕にだけ物凄く厳しいんだもの。打てばREG。ヤメたら即BIG。また打てばREG。隣はBIG。完全な見せつけプレイ。もちろんエロ方面(主に動画)においては、そういうジャンルも趣があって良いと思いますが、パチスロはダメです。見せつけるのは好きだけど、見せつけられるのも寝取られるのも大嫌いです。
(ハナビは、ドンちゃんは、変わってしまったのかもしれない…)
僕はハナビと少し距離を置くことにしました。でも、その前にもう一度だけ。ドンBIGを揃えて、それから距離を置きたい。僕は近所のホールにハナビを打ちに行きました。
その日も、初当りはREG。決まり手のリーチ目はどうでもいい出目だったと思います。
たぶん、これ↑とかね。新ハナビだったらBIG確定(下段ラインで特殊リプレイが入賞しているため)なんだけどね。5号機ハナビだと、めちゃくちゃREGだったんですよ。
(あーあ、こりゃあ今日もこんな感じかぁ。本格的にサヨナラだなぁ)
そんなことを思いながら、追加投資をしていた、その時。
投げやり気味にストップボタンを押したら、リール上にとんでもない出目が止まったんです。
それは僕が4号機のハナビで一番大好きなBIG確定のリーチ目↑でした。
中リールの上段が赤七でも同様のBIG確なんです。右リール上段がBARでもBIG確なんです。でも、それじゃあダメ。中リールの上段はドンちゃんじゃなきゃダメ。右リール上段は氷じゃなきゃダメ。しかも中リールは中段にチェ氷チェをビタとかしちゃダメ。氷の取りこぼしなんか気にせず、男らしく上段にドンちゃんをビシーッと狙わないとダメ。理由は、美しくないから。粋じゃないから。
僕はしばらくリールを眺めていました。
(ああ、ちゃんと受け継がれてるんだなぁ。やっぱり良いよなぁ、このBIG確目)
だんだんリールが滲んで見えてきました。僕は泣いていました。声も出さずに、ポロポロと涙がこぼれ落ちていきました。
(え? 何で泣いてんの、俺!? キモ!)
慌てて涙を拭いて、ボーナスを揃えるために1枚BETボタンを押しました。しかし、反応しません。そこで初めて、僕はこの出目が特殊リプレイ(中段ライン)であることに気が付いたんです。
もうねぇ…ビックリというか、感激というか、アクロスすげぇ、アクロスやべぇってなりましたよね。僕の大好きなBIG確定のリーチ目が、特殊なフラグじゃないと出現しなくなっている。それってもう、ヴェルタースオリジナルを受け取った時よりも自分が特別な存在に思える瞬間じゃないですか?
(ああ、コイツは俺のために生まれて来たんだな)
僕はマジで、心の底からそう思いました。
そこからはもうご察しの通り。距離を置くなんてことはせずに、ハナビをベッタベタに可愛がる日々が続いたのです。まあ、ハナビから可愛がられることは滅多にありませんでしたが…。
なんか、ふと思い出して↑こんなコラムを書いてしまったけども。やっぱり回想系のコラムはどうにも苦手だなぁ(笑)
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