夏だ、海だ、黒ギャルだ

　地元の店で千円10回のダメな海物語を打っているときにふと思いました。「あれ、もしかして俺、千葉とか神奈川とか茨城とか、近場の海水浴場に行ったのって二十代の白里が最後だから30年くらい前じゃね？」と。

※もしかするとご存じないかも知れないので念のため言っておくと、これは白里でなく御宿です。

　白里に向かう友人の車の中で聴いたのはミスチルのイノセントワールド。それだけは何故だか今もハッキリと覚えているので厳密に言うと28年前なのですが、一年を通じてカブトムシくらい肌が黒く、二代目カブトムシゆかり襲名を本気で狙っている私が、実はあまり海が好きではないと聞いたら赤道小町ドキッとはしないまでも「意外だな」と思うのではないでしょうか。

※サザンは好きだけどここで泳ぐ気にはなれないよ。

　まずなにが嫌いかと言うと近場の海はとにかく汚い。透明度で言ったら昭和の綾瀬川と大差ない印象ですし、砂浜も真っ黒でなんか近所の公園みたいだし、そもそも近場の海水浴場はファミリーが多いので誤って海水を飲んでしまうと、ガキのションベンを飲むことにもなりかねません。要するにテンションが上へ上へと向いていかないのですが、そういう海にはほぼ確実にインスタギャルがいますので、彼女たちが身に着けている蛍光色のドスケベビキニを眺めればチンポだけは確実に上へ上へと向いていきます。天まで届けみたいな。

※足に砂がつくのがイヤなので海は遠くから眺めるものです。多分。

　それともうひとつ、私が近場の海が嫌いな理由として海の家があります。便所は和式のくみ取り式で超クセーし、座敷は砂だらけでキッタネエし、なんか総じて不衛生なイメージだし…という話を前歯が真っ黒なブスキャバ嬢にしたところ、オジサンは一体いつの時代の話をしているんだと。いまはオシャレで清潔感溢れる海の家のほうが圧倒的に多い、本当は若い人ばかりで気後れしちゃうから行きたくても行けないだけだろ、ナンパしたいけど相手にされないからそう言っているだけだろとまくし立てられ、海がさらに嫌いになりましたという皆様にとってはどうでもいい発表なのですが、彼女の言っていることは概ね、いや、全部正解です。

※ションベンの危険が多分ない大人専用のプールは最高。