目指すところは畜産農家

　ギャランにマドンナに古城に王城と、私が住む東京の上野エリアには昔ながらの純喫茶が数多く存在します。私も愛人との待ち合わせやちょっとした時間潰しなどでよく利用させてもらっていますが、別段、美味いコーヒーを飲みたいから純喫茶に行くわけではありません。というか、私は季節を問わずアイスコーヒーしか飲まないので、正直、コーヒーに関しては味も香りもまったく分かりません。純喫茶に行く理由はほとんどの店で喫煙が許されているから。韓国映画「悪人伝」に出てくるヤクザ以上にタバコを吸う私は、タバコのためだけに純喫茶を利用しているのです。

※オススメはドラマでもよく使われる上野のギャラン。入店して僅か三分で服がタバコ臭くなります。

　ただ、そうは言っても世は空前のカフェブーム。流行には軽く乗っておきたいじゃないですか。女子に「その店、行ってみたいと思っていたんです」とか上目遣いで言われたいじゃないですか。なので、どこそこにいい感じのカフェができたと聞けば、とりあえず足を運んで食べたくもないパンケーキを食べたり、クッソマズいオーガニックのアイスコーヒーを飲んだりするのですが、どこの店もタバコが吸えないので、長時間居座ることはありませんし、居心地がいいと思ったことはただの一度もありません。カフェブーム、早く終われと思っています。

※皆様お待ちかね。これよりバカが本領を発揮致します。

　という話を先日、動画の収録終わりにリアル天才バカボンにしたところ、どうやら彼女もたまにカフェに行くとのことでした。大間のマグロ漁師以上にタバコを吸うし、コーヒーというよりは紅茶花伝、或いはションベンとのイメージなのでちょっと意外でしたが、よくよく聞いてみたらフクロウとか犬とかヨーダとか、いわゆる動物カフェがメインとのこと。なるほど、確か彼女は有事に備えて犬を二匹、モモンガを二匹、フクロウを四羽飼っており、最終的にはしょうが焼き用にブタを飼育したいとも言っていたので、それなら分からなくもありません。

「羊カフェに行きたいんですよ」

　焼き鳥、しょうが焼き、そしてジンギスカンとなると、彼女が発表屋の先に見据えているのが畜産農家であることは明らか。なにか面白い話が聞けそうな気がしたので例によってしばらく泳がせてみたところ、案の定、やれイケメンだの、やれスーツだの、よく分からないことを言い始めたのですが、バカの話に10分も付き合えば充分でしょう。おいバカボン、それヒツジじゃなくてシツジ、執事カフェな。

※漫才コンビじゃないけれど、もう相方って呼んでいいと思いますよ。