美味いメシ食ってますか？

　牛丼のゴム肉が三田牛に、びしょびしょの冷凍マグロがびしょびしょのマグロ女に昇格するのはどういうときか。空腹時以外だとどのようなシチュエーションで食べるメシが最高に美味いと感じるか。しばらく音信不通だった高校時代の元友人と先日久々に会って鮨をつまんでいたら何故だかそんな話になりまして、もうこの際だから白黒ハッキリつけようじゃないか。優勝を決めようじゃないかということになりました。

※編集部の近くにある町中華は可もなく不可もなくですが、先輩方と食べるとスペック以上に美味く感じます。

　セックスがチラついているときはなにを食べても美味いと感じない。これは共通認識としてありました。そりゃそうです。これから一発やるかも知れないけど、やれないかも知れない女性となにを食べたところで美味いかどうかなんて分かりません。美味しいねと同意を求められれば「さすがだね」とか「分かるんだ、凄いね」と肯定以上のものを返しますが、それは一発やりたいから機嫌気褄を取っているだけであって、こちらはそのあとの段取りを考えるのに必死も必死。味覚を大江戸線に忘れてきたんかと思うくらい味が分かりません。これはセックスの後も同様です。実戦上、性欲が満たされると食欲はどうでも良くなるので美味い、不味いはまったく分かりません。だからでしょう、フェアリンやビワコと食べるメシはいつも美味いと感じます。

※例の件でメンタル相当やられているみたいなのでメシでもご馳走してやろうと思います。

　私はパチスロで大勝ちした後のメシが一番美味いと感じます。そこに最低設定や一撃、マグレという名のスパイスが加わると美味さは格段に増します。とはいえ、皆様もご存じのように私は老舗の負け屋ですから5万以上の大勝ちは年に一度あるかないか。そう頻繁に美味いメシにありつけない分、ありつけたときは死ぬほど美味いと感じますし、また大して腹が減っていなくても致死量食えます。

※大勝ちした後はクソですら美味く感じます。

　こういう仕事をしているからでしょう。元友人に面白い文章が書けたときはどうなんだと聞かれましたが、面白い文章かどうかは書き手でなく読み手が判断することなので、そこはあまり関係ないように思います。というか、私は文章であれ映像であれ、常に勉強中とのスタンスなので、ああすれば良かったとか、こうしておけば良かったと思うことはあっても、今日はやり切った、完璧だとか思ったことはただの一度もありません。無論、五十三歳のオジサンにのびしろなるものがあるかないかは別として。

　じゃあ、お前はどういうときに食べるメシが美味いと感じるのか。聞き役に徹していた元友人に聞いてみたところ、久しぶりに会った五島と食べる鮨は最高に美味いと言ってくれたのですが、その直後の「多分、犯行を自供したあとのメシにはかなわないけど…」を聞いて妙に納得したというか、これまでずっと音信不通だった理由が分かったような気がしました。

※写真はイメージ。本文とは一切関係ありません。マ・ドンソク？