気を付けているのに

　ソファから立ち上がろうとしたときの膝だったり、目を覚ましたときの首だったり、誰に怒られたわけでもないのに常に頭を下げているチンポだったり、四十を過ぎると老いを感じることが多くなるという風な話をよく聞きますが、皆様はどうでしょう。私はオシッコが終わってジッパーを上げトイレから出ようと一歩踏み出した瞬間、何故だか大量のオシッコが出てしまいます。収録の際にベージュやグレーを履かず、なるべく黒を履くようにしているのはつまりそういうことです。もはや「手を洗う際に濡れてしまった」でごまかせる量ではないので。

※ちょっと色は濃くなりますが、カーキーやベージュに比べたら全然目立ちません。残尿にお悩みの殿方は黒を履きましょう。

　身体的な老いに関してはもうどうすることもできません。いや、水瀬先生のリフトアップや私のハゲ治療のように抗うこともできなくはありませんが、そこまでして…というのがマジョリティではないでしょうか。概ね世の同世代、特に男性はハゲても太っても、耳の裏から臭いタレが出てきても、オデコから臭い油が出てきても歳だから仕方ない。身体的な老いは抗わず受け入れようという方が多いように思います。

※負けると何故か大量の油が出てくるので負けたときは中武一日二膳先輩でなく負け油アツシ先輩と呼んでいます。

　なので、それ以外の部分の老い、とりわけ言動にはかなり気を付けています。テレビでどっかの若いタレントが「干支の話をするのは老いた証拠」という風なことを言っていたので、ついこの間までフェアリンと私は同じ酉年でちょうど二回り離れていると言っていたのを、最近は四半世紀弱離れていると言うようになりましたし、キャバクラや収録現場で若い女性に干支を聞くこともやめました。どうせ二回り以上離れていて、父親も私より若くて、チャンスの芽が潰えてガッカリするだけですから。

※最近、娘はXでなくThreadsで愚痴っているようです。

　そう、とても気を付けているのです。だから先日、カバンの中のアイコスを探していてテレビのリモコンが出てきたとき、とても悲しくなったのです。いよいよ私も本格的な老いが始まったのかと色々諦めたのです…という話を二、三日前に誰かにしたのですが、それが誰だか分からないと先ほど少年に相談したところ、それが老いるということだよと言われました。

※嘘だろ…庶民派気取って裏でいいものばかり食べている鈴虫君みたいなことを言ってしまいました。