前髪論争再び

　おでこ出したほうがいいいのに。そのほうがキレイに見えるのに。せっかく顔だけはいいのだからかわいいに逃げる必要はないのに。基本、他人には干渉しない私が敢えてそう言ったのは、気狂いスケがどのような反応をするか見てみたかったというのともうひとつ、去年の今頃、前髪を否定も肯定もしない、いや、どちらかと言うと肯定派であると当コラムに書いた私がおよそ一年という年月を経て前髪否定派に寝返ったからです。実際、たまに銀座のクラブに連れて行ってもらうと付け回しに「前髪のない女性をつけてください」と言いますし。

※名前は伏せますが、かなりの気狂いです。

　パラッとある程度にはいいのです。デコが見える程度の前髪、分かりやすい例を挙げるとナツ美先生くらいの塩梅であれば美しさを損なうことはないというか、見る人によっては加点対象となり得るように思うのですが、前髪パッツン、要は中森明菜のデザイアーや人形の久月、ウォーズマン美香といったところは腹抱えて笑っちゃうと本音を言うとかなりの数の女性を敵に回すことになるので言い方を変えるとせっかくの美人が台無し、もったいないと思ってしまうのです。こう言えばもうお分かりでしょう。そう、これはあくまでも美人が対象、ブスは荼毘に付すそのときまで前髪パッツンを続けてもらって結構です。

※ね、狂っているでしょ？

　すみません、少々熱くなってしまいました。話を戻しましょう。その気狂いスケに前髪なしの提案をしたところ、どうも本人、まんざらでもないといった感じで、しわもなくデコの形もいいから出さないのはもったいないと以前、美容師に言われたというのです。正直、私は彼女を異性と見ていないというか、異星人くらいにしか思っていないので前髪があってもなくてもいいのですが、総フォロワー十数万人を抱える気狂いインフルエンサーですから日本に住むすべての女性とは言わないまでもどっかの村に住むすべての女性の意識を変えるくらいの影響力はありましょう。先頭に立ってデコ出しがカッコいいを提案し、前髪なしは美容院代無料を公約に国政に打って出れば史上初の気狂い女性議員誕生の可能性も出てきます。

※気狂いが次期衆院選に出馬するとしても後援会長をやる勇気、覚悟、根性はありません。

　という話を、前髪ありの五十五歳クソババアにやんわりしたところ、しばし押し黙った後、突然声を荒らげ「黙れ、この前髪ハゲ隠しが！」と。怒髪天を衝くとはまさにこのこと。これ以上、前髪を否定すれば間髪入れずに渾身の右フックが飛んでくるであろうことは火を見るよりも明らかです。危ない、危ない、髪にまつわる話だけに危機一髪でした。

※小中学校と聞くと居ても立っても居られなくなる人です。なんなら指が震えます。