期待感
記事一覧へ公開日: 2017/05/10
俺もこの仕事を始めて17年目です。編集部、制作会社、読者様、視聴者様、そしてひとり息子と、誰からも期待されていないことは分かっています。というか、俺もう48歳です。のびしろものりしろもありませんから期待されても困るんです。
これでも最初の何年かは適当にがんばりました。無論、がんばったかどうかは自分で評価するものでなく人が評価するものなので、本当のところはどうか分かりませんが、日本語の作文技術というライターのバイブルみたいな本を買って文章の勉強をしたり、来るべきテレビの時代に備えワールドプロレスリングで上手い返し技を研究したり、とにかく無理のない程度にがんばったのですが、自分の実力は自分が一番よく分かっています。なにをやってもダメなゴミ野郎だと気付くのにそう時間は掛かりませんでしたから、ある時を境にがんばるのもジャンバるのもやめました。
誰からも期待されないというのは悲しいことですが、その反面、とても楽でいいとも思います。何故なら小学生の作文にも劣るドヘタな文章を書いたって、テレビで鈴虫君以上にスベったって、端から期待されていないから誰にも怒られない。つまり、ダメなのが当たり前だから四年に一度くらい面白いことを書いたり、しゃべったりするだけで褒められるは言い過ぎにしても、人の何十倍もの評価が得られる。こんな感じで17年もやってこられたのは運以外にないように思います。
きっとこの日も俺に期待していた人はいなかったと思います。ビーストアタック突入時の僅か4%でしか選択されぬ覚醒が60Gで終わったとツイートした時点で多くのフォロワーが「またか」とか「今日も平常運行か」とか、そんなことを考えたと思います。というか、誰よりもこの俺がそう思っていました。
どうせ出ないのだろう、どうせダメなのだろう…。まるで期待されていないことは分かっているので、それに付いてはなんとも思いません。ただ、俺はともかく、ダメだ、ダメだと揶揄される新基準機に関しては期待していいんじゃないか。下にある奇跡の写真を眺めているとそんな気になってくるのです。はい、おしまい。
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