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寝ぐせヘルメット

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公開日: 2017/08/24

 そう、たとえるならメッセンジャーがよく被っている自転車用のヘルメット。先日、福岡行きのフライトで頭の後ろの部分がドンと突き出た、あのいびつな形のヘルメットと見紛うほど豪快な寝ぐせをつけた推定60代の男性を見掛けました。

 

仕事や旅行、はたまたブスな女性ライターを追っ掛けて飛行機によく乗るという方はご存じでしょう。飛行機のシートは業界用語で言うところのシップやキャリア、クラスによってシートの形および広さが異なります。とはいえ、エコノミーであればその差は正社員とサンシャイン程度なので誤差の範疇と言えなくもないのですが、頭をくっつける部分は自らの頭の位置に合わせて調整しないといけません。その調整を怠ると、件の推定60代男性のようになってしまうこともあるのです。

 

最初は微笑ましく見ていました。いい歳をした大人だからというのもありますが、身なりや振る舞いを見る限り、恐らくはどこか大きな会社の役員もしくは経営者、もしかすると手マンが得意だった説もある大潮平八郎くらい名のある方かも知れません。そのギャップがなにかこう、滑稽に映ったというのは言い過ぎですが、ちょっと面白かったのです。

 

しかし、笑っていられたのも飛行機が着陸するまで。機内にポンという音が鳴り響き、乗客が一斉に立ち上がった瞬間、俺は気づいてしまったのです。いや、周囲にいた人間は皆、気づいていたと思います。その豪快すぎる寝ぐせが髪の毛でなくヅラについた寝ぐせであることを。

 

ピン止め式なのでしょう。完全に人工毛が浮き上がり、その下から覗いている地肌が眩い光を放っています。至近距離で見たら自転車商のヘルメットなどではなく完全にエイリアン。周囲の微笑が嘲笑に変わったとき、同じ髪に悩みを持つ者として「これはどうにかして教えてあげなければ」と思ったのです。

 

ヅラ浮いていますよと直球をたのきん全力投球するか、それとも寝ぐせついていますよとやんわり言うか、いやいや、ぶつかったフリをして俺が寝ぐせを直してやるという手もありますが、どの方法であれ、この事実を伝えなければ彼は家に帰ってヅラを外すそのときまで恥をかくことになるのです。とりあえず福岡ということもあり、手で自分の後頭部をポンポンと叩くソフトバンクよりもソフトな手法で寝ぐせを伝えたところ、意外や意外、返ってきた言葉は「ありがとう」。このときばかりは伝えて良かったと心底思いました。

 

だから「赤坂テンパイは収録のときいつも鼻毛が出ている」と会うたび俺に言ってくる複数の女性ライターはちゃんと指摘してやればいいと思うのです。ヅラに比べたらどうということはないのですから。はい、おしまい。

※写真はイメージです。

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