一番恐いもの

　普通、激しい雨が降っていたらちょっと恐いから外に出ようとは思いません。時代遅れと言われても家でおとなしくモッズの激しい雨がでも聴いていようと思います。にもかかわらず、パチスロを打ちに行ったのは仕事だから。目眩を誘発する飛行機に乗ってまでパチスロを打ちに行ったのは仕事だからに他なりません。

　不二子が4台あったら1台くらいは中間設定があってもおかしくない、いや、それくらいの企業努力はして欲しいと思うのが人情ですが、打ち手の人情はともかく、パチ屋の人情に期待していい結果が出た試しはただの一度もありません。というか、そもそも営利企業であるパチ屋に人情や義理を期待してはいけないのです。そう、これまでの苦い経験でそのあたりは嫌というほど分かっているはずなのに、前日ノーボーナスのゴミ台に座り、上げ狙いに期待してしまう、ある意味、病的な自分がちょっと恐いなと思うのです。

　案の定でした。打ち初めこそビッグがポンポンと小気味よく連チャンしたものの、その後は引けばバケ、引けばバケのバケ地獄。あるかどうかも分からぬ上げ狙いばかりしている病的な自分も恐いなと思いましたが、バケしかひねり出さぬ不二子はそれ以上に恐いなと、頭上のデータカウンターをぼんやり眺めていたところ、携帯からけたたましい音が聞こえてきました。

　恐いという意味ではこれに勝るものはないと思っていましたが、なにしろこの日は記録的な豪雨が西日本を襲った日。佐賀から福岡まで6時間掛けて帰る道中、冠水した道路や水位が上昇した河川などを見て、一番怖いものは自然であることを再認識した次第です。

　この度の西日本豪雨でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。また被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧と皆様の笑顔が戻ることを心よりお祈り申し上げます。