待てない

　人を待たせるのは得意でも待たされるのは超苦手。ウェイティングとつくものはフライトもディズニーも嫌いですし、待合室は病院もヘルスも大嫌いなので、それこそラーメンを並んで食べるとか、スニーカーを並んで買うというのは俺にとって「ねえアナタ、いまお腹の中の赤ちゃんが舌打ちした！」くらいあり得ない話です。

　それ故、ホールの開店待ちもできることなら避けたいと思っています。仕事だから仕方なく、本当に仕方なく開店待ちの列に並ぶことはありますが、なにがアツいのかも知らないし、特に狙い台もないし、どうせバカみたいに負けるし、と考えたら開店時間をやや過ぎた頃合いに入店するのがベスト。要するに待つことは時間の無駄、それがたとえ大好きなトミーと待つであったとしても嫌なのです。トミコトミコトミコって自分でもなに言ってんだかよく分からないけど。

　しかし、たったひとつだけ待てることがあります。それはなにかと言うとディスクアップです。設置台数が少ないこともあり、大概は空き台になるのを待って遊技するのですが、俺はパチ屋に行ってパチンコもパチスロも打たぬ人間にだけはなりたくないと常々思っているので打っている人の後ろにべったり張り付いたり、店内をウロウロしたりして待つような真似は絶対にしません。適当な空き台に座って遊技しつつ待つというのが俺の流儀なのですが、そこはやはり人気台、離れた位置に座っていてはいざ台が空いたとき、誰かに取られてしまいます。誰かに取られるくらいならあなたを殺していいですかと石川さゆりも言っています。なので、なるべく近い位置に陣取り、その瞬間を虎視眈々と待つのです。

　この日もそうでした。これ以上ないベストポジションで待ったのですが、両隣ともに調子が良かったこともあり、空く気配はまるでなし。というか、結論から言うと空きませんでした。これだから待つのは嫌なのです、時間の無駄でしかないのですクソッタレ、そう言いたいのは山々ですが、待ちで座った番長Aは早々に設定2以上が確定した上、収支もプラスとくれば、いやはや、待つ打ちが花とはよく言ったものだなと。はい、おしまい。